クラッチロー、ビニャーレスのヤマハ離脱を尊重「唯一マルケスと比べることのできるライダー」
ヤマハのテストライダーを務めるカル・クラッチローはマーベリック・ビニャーレスのヤマハ離脱に対し、彼のバイクへの感覚は理解できないとするも決断には尊重すると語った。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
ヤマハのマーベリック・ビニャーレスは2021年シーズンをもって契約を1年前倒ししてのチーム離脱を決めたが、ヤマハとの関係は悪くなるばかりである。ヤマハは第11戦オーストリアGPでのビニャーレスの出場停止を決めたのだ。そのため、両者の関係は取返しのつかないレベルになっている。
ビニャーレスは3月に開幕した第1戦カタールGPでこそ優勝したものの、それ以降は第9戦オランダGPで表彰台を獲得するのみにとどまり、安定した成績を出せていない。
この成績の不安定さを象徴するのが第8戦ドイツGPと第9戦オランダGPだ。ドイツでは、最後尾グリッドから決勝レースをスタートしノーポイントの最下位でレースを終えるも、続くオランダではポールポジションから2位表彰台を獲得している。ビニャーレスの成績は、シーズン開幕から10戦を終えた時点で4勝を収めてポイントラインキング首位に立つチームメイトのファビオ・クアルタラロとは対照的だ。クアルタラロが172ポイントを獲得している一方、ビニャーレスは95ポイント獲得でランキング6番手となっている。
ビニャーレスは2022年シーズンをアプリリアから参戦するとの見立てが現在有力となっているが、ヤマハのテストライダーを務めるカル・クラッチローは、ビニャーレスが持つヤマハへの見解に同意しないとするものの、彼の持つスピードはマルケスに匹敵すると評価した。
「マーベリックはこの状況に満足していないから、何かをしたんだと思う」
クラッチローはこのように述べた。
「でも、僕はそれには賛同できない。なぜなら、ヤマハはこれまでの全期間において与えられる全てのものを確実に提供してきたと思うからだ」
「つまり、ある週は優勝し、ある週は最下位という状況の中で『今週は何もあげないよ』なんてことはあり得ない」
「そんなように(僕たち)は働いていないよ。だから、僕たちの知る問題というとマーベリックが持つバイクへの感覚だ」
「でもそれは彼の感覚であり、バイクに対する彼の感覚が問題ということだ。バイクやメーカー、チームの問題ではないと思うよ」
「それでも、マーベリック・ビニャーレスのスピードと才能はマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)に並び、このチャンピオンシップで彼らの右に出る者はいない。マーベリックがすべてうまくまとめ上げれば、目をつぶってでもワールドタイトルを獲得できるさ」
クラッチローはビニャーレスのヤマハ離脱に対する決断に賛同していないものの、尊重はできるとしている。それは、2019年シーズンに当時KTMだったヨハン・ザルコ(現プラマック)がシーズン途中にチームを離脱をしたことや、クラッチロー自身2014年の厳しいシーズンを終えた後ドゥカティから離れたことを考えると、共感できる部分も少しはあるのだろう。
ビニャーレスに何が起きているのか理解できるかをクラッチローに尋ねると、彼は以下のように答えた。
「いや、わからない。僕は『あるレースは最下位で、あるレースは2位』なんてことを経験したことがないからね」
「僕には理解できない。ただ僕はマーベリックの大ファンで、彼は友人だ」
「僕がレースをしている時でも、ほとんどのライダーと良い関係にあったよ。それは上手く線を引けていたからだと思う」
「僕は彼らを倒したいし、彼らも僕を倒したい。僕らは同じことをしたいと思うし、同じ目標を持っている。だから彼らが彼らの人生で経験することを理解できる」
「でも言ったように、彼のヤマハを去るという決断には尊重するよ。それが彼のしたかった決断であり、正直その決断には勇気がいるよ」
「数年前にザルコと僕がした時以外、他に同じことをしたのをみたことがない」
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