バニャイヤVSバスティアニーニ、白熱バトルもドゥカティCEOが苦言「あれはやり過ぎ。アグレッシブすぎる」
ドゥカティのCEOであるクラウディオ・ドメニカリはMotoGP第14戦サンマリノGPで、タイトルコンテンダーのフランチェスコ・バニャイヤに対し、エネア・バスティアニーニが最後までプレッシャーをかけ続けたことに対し、不満を示している。

MotoGP第14戦サンマリノGPではフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)とエネア・バスティアニーニ(グレシーニ)による激しい優勝争いが展開され、盛り上がりを見せた。しかしドゥカティのクラウディオ・ドメニカリCEOは、このバトルに思うところがある様子だ。
サンマリノGP決勝では、ポールポジションからスタートしたジャック・ミラー(ドゥカティ)が2周目に転倒した結果、バニャイヤがレースをリード。序盤から中盤にかけてはマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)からプレッシャーを受けつつも、それをいなし続けた。
そして後半以降はバスティアニーニから激しいプッシュを受けた。バニャイヤとバスティアニーニは3番手以下を引き離すハイペースのまま、最終ラップまで鍔迫り合いを展開。最終ラップのターン4ではバスティアニーニが詰め寄ったが、そこで挙動を乱して一旦離れてしまった。ただそこからふたたび追い上げて、バスティアニーニに迫り、最後まで優勝を争った。
その激しさは優勝したバニャイヤとバスティアニーニの最終的なギャップがわずか0.034秒だったことや、ラストラップにバスティアニーニがベストレースラップレコードを更新する速さだったことからも伺うことができる。
この2人の激しいバトルは観客を沸かせるシーンの連続だった。しかしドゥカティのドメニカリCEOとしては、あまり愉快なモノではなかったようだ。レース後、ドメニカリCEOはタイトルコンテンダーのバニャイヤに対し、同じドゥカティ陣営のバスティアニーニが、ここまで激しくアタックし続けたことに不満を口にした。
「本当に厳しい日曜日だった」
ドメニカリCEOは、Sky Sport MotoGPにそう語った。
「今回のレースは興奮を生み出したとは思う。しかし舞台裏で努力している我々にとって、非常に難しいものだった。ペッコ(バニャイヤの愛称)は素晴らしい走りだった。序盤からマーベリックとエネアからプレッシャーをかけられ続けていたが、一度たりともミスを犯さなかった」
「我々とライダーは話し合っており、彼らは互いにあまりにもアグレッシブになりすぎるべきではないと理解している。エネアは最終ラップまでの動きは良かった。そして、彼は(ターン4の)ブレーキングで、なんとか転倒を避けることができた。リスクを犯しすぎであり、我々としては好むところではない」
なおバスティアニーニは、たとえ同陣営でタイトルを争っているバニャイヤを相手にしている状況であっても、『”アタックをしない”と考えることはまったくなかった』と語っている。
そしてバニャイヤはバスティアニーニとのバトルで不満などは感じてはいないようで、「今のところ、指示を出す理由はない」と語った。
しかしドゥカティは2007年のケーシー・ストーナー戴冠以来、頂点から遠ざかっている状況だ。そんな中、ドゥカティCEOとしては”バニャイヤのタイトル獲得”という、大きな視点で考えて欲しいと望んでいる。
「ライダーの性というものはある。しかし150人以上のスタッフが結果を持ち帰るために働いているわけだし、これはビジネスでもある」
「チームのために働かなくてはならないんだ。ベストライダーが勝つよう、しかし愚かなことはしないように……私の見解では、あのブレーキングはやり過ぎていたと思う」
2022年のMotoGPは残すところあと6戦。首位のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)と2番手のバニャイヤとの差は30ポイントであり、まだ十分にタイトル獲得の可能性は残されている。
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