ドヴィツィオーゾはビニャーレス以上のライバル？　首位クアルタラロ、経験を警戒

　2020年のMotoGPは絶対的な王者マルク・マルケス（レプソル・ホンダ）が怪我により不在の中、ファビオ・クアルタラロ（ペトロナス・ヤマハSRT）がポイント争いをリードしている。

　第5戦オーストリアGPではアンドレア・ドヴィツィオーゾ（ドゥカティ）が優勝し、一方でクアルタラロはチェコGPに続いて中位に留まったことで現在両者のポイント差は11と大きく縮まった。

　サテライトチームながらチャンピオン獲得を目指すクアルタラロ。しかし彼はドヴィツィオーゾにはチャンピオン争いのプレッシャーを知っているアドバンテージがあると指摘し、今後最大のライバルになるだろうと語った。

「もちろん、マルク（マルケス）は怪我から復帰したら優勝候補になるだろう。でも今はタイトル争いの候補はマーベリック（ビニャーレス／ヤマハ）よりもドヴィなんだと思っている。なぜなら彼に豊富な経験があるのは分かっているからね」

　クアルタラロはそう語った。

「彼は戦い方や、（タイトル争いの）プレッシャーを知っている。それに彼は最終ラップで少し楽に戦えるバイクを手にしていると思う」

「だから僕は、ドヴィがマーベリックよりもタイトル争いの候補だと思っている。マーベリックについては、僕らは大体同じバイクに乗っているから、何が起こっているか分かるからね。だから彼とは戦う事ができるんだ」

「でもドヴィは、（ドゥカティの優れた）トップスピードを持っている。驚くべきことだ。僕らよりも10km／h速いというのは、素晴らしい気分のはずだ。だからドヴィはより（タイトルを）争う相手に思えるんだ」

　クアルタラロが言及したビニャーレスだが、彼はヘレス2連戦こそ好調だったが、チェコGPとオーストリアGPでは苦戦してしまった。

　ビニャーレスも近年の課題だったレースディスタンスでの苦戦が再び明るみに出たことに悩んでおり、今はチャンピオン争いについて考えることは難しいと認めている。

「チャンピオンシップのことすら考えていないよ」

　ビニャーレスはそう語った。彼はランク首位のクアルタラロから19ポイント差のランキング3位につけている。

「こういったミスを犯していてチャンピオンシップを勝てるとは思えない。だからそれについては考えてすらいない。僕はただこのバイクから最大限のモノを引き出すことだけを考えているんだ」

「バイクが良く走っている時なら、常にトップ3やポールポジションにいることが分かるだろう」

「でもバイクが上手くいっていないと、そうしたミラクルは起こせない。他のライダーをオーバーテイクするのがとても難しいんだ。ブレーキングで彼らを追い越すことができないと、難しいんだ」

「でもとにかく、僕は忍耐強く自分のタイミングが来るのを待っている」

「確かに僕はチャンピオンシップについては考えていない。今現在、足元が複雑な状況にあるようだからね」