ドゥカティ、怒りは鎮火せず。MotoGPの車高調整デバイス禁止に「とても公平とは言えない」
ドゥカティのテクニカルディレクターであるデビッド・バラナは、2023年からフロントのライドハイトデバイスが禁止されることに、不公平だと不満をこぼした。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGPは、2023年にフロントのライドハイトデバイス(車高調整装置)を禁止することを決定したが、ドゥカティはこの決定に対して未だに怒りを覚えているようだ。
ライドハイトデバイスがMotoGPのグリッドに登場したのは、2018年。当時プラマックに所属していたジャック・ミラーのマシンに、一時的にサスペンションをロックするホールショットデバイスがリヤに搭載されたのだ。
ホールショットデバイスは、あくまでスタート時の加速を補助するシステムだったが、翌年にはこれがコーナーごとに車高を調整できるライドハイトデバイスに発展した。
ライバルチームも同様のデバイスを用意する中で、さらに開発を進めたドゥカティは、今季フロントにもライドハイトデバイスを搭載するに至ったが、こうしたデバイスの開発が進むにつれて、チームやライダーの間で安全性への懸念が高まった。結果として、MotoGPは2023年シーズンからフロントのライドハイトデバイスを禁止することを3月に決定した。
この決定はドゥカティを動揺させた。それから半年近くが経過しているが、ドゥカティのテクニカルディレクターであるデビッド・バラナはアラゴンGPでメディアに、ドゥカティはいまだにこの決定に不満を持っていると語った。
バラナは、この件について尋ねられ「このトピックについてはあまり話したくないんだ」と答えた。
「スタート、発進手順のためのシステムを最初に導入したのは我々だ。その後、他のメーカーが続いた」
「我々はシステムの2段階目として、バイクの走行中に車高を下げることができるような動的なシステムを開発したのだ」
「そして他もそれに追随した。次のステップは、この機能をバイクのフロントまで拡大することだった。しかしある時、誰かがこの種のデバイスを禁止する提案をしたのだ」
「そのデバイスはあるメーカー、つまりドゥカティがすでに使用していたことは明らかだった。そしてある時点で、ドゥカティは他のメーカーに『そういう種類のデバイスを使用しているので、禁止にする』と宣言されたのだ」
「6メーカー中、5メーカーが使用禁止を求めた。私が言いたいのは、彼らは彼らの権利を行使しただけで、すべてルールに則っている」
「しかしこのストーリーに関して、それが公平性の素晴らしい見本には全くならないと言えるだろう。バイクを開発して追いつこうとするよりも、1メーカーだけが持っているモノを禁止する方がずっと簡単だからだ」
ライドハイトデバイスに関して、バラナに質問が飛んだのは、アラゴンGPのオープニングラップに起きたトラブルがきっかけだった。
マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)とファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が接触した結果、発生したデブリがマルケスのリヤライドハイトデバイスに噛み込んでしまったのだ。これにより、ライドハイトデバイスの安全性が再び疑問視されることになった。
だが、ドゥカティのミラーは、ライダー同士が接触すれば”当然”起きることだとして、ライドハイトデバイスに問題はないと主張している。
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