ドゥカティ、15年ぶり王座で『ロッシ負の遺産』からついに脱却「”信頼”を再確立するのは容易ではなかった」

ドゥカティのスポーティングディレクターを務めるパオロ・チアバッティは15年ぶりのタイトル獲得を振り返り、バレンティーノ・ロッシ時代の”傷跡”もあり簡単なものではなかったと話した。

British Grand Prix. Silverstone, England. 15th-17th June 2012. Valentino Rossi, Ducati. World Copyright: Kevin Wood/LAT Photographic. ref: Digital Image IMG_6392a

 MotoGP2022年シーズンでドゥカティは、フランチェスコ・バニャイヤと共にケーシー・ストーナー以来15年ぶりとなるMotoGPクラスのチャンピオンを獲得した。

 バニャイヤは今シーズン序盤こそ苦戦し大きくポイント差をつけられていたが、最終的には7勝を挙げる活躍を見せて終盤に逆転。最終戦バレンシアGPでチャンピオンに輝いた。

 ドゥカティにとってライダーズタイトルの獲得はこれが2回目。2007年のストーナー以来のことだ。バニャイヤとしても、師匠であるバレンティーノ・ロッシが2011~2012年にかけて達成できなかったイタリア人&イタリアメーカーの勝利という偉業も成し遂げたことになる。

 ドゥカティとしても長らく手が届いていなかった王座を獲得できたことを非常に喜んでいる。特に、スポーティングディレクターを務めているパオロ・チアバッティはこれまでの道のりを振り返ると、ロッシ時代からの“傷跡”もあり、楽なものではなかったと話した。

「私個人としても、ドゥカティに来た時のは2013年にアウディによる買収から数ヵ月後で、いろいろ変化があった」

 Autosport/motorsport.comの独占取材に応えたチアバッティは、VR46アカデミーの生徒であるバニャイヤのタイトル獲得について聞かれると、そう語りだした。

「大きな変化はフィリッポ・プレツィオージがバレンティーノとドゥカティの困難な2年間を経て離脱を決めたことだった。彼らのパートナーシップは、期待されたような結果をもたらせなかったんだ」

「このことは、組織に様々なレベルで大きな傷跡を残していた」

Valentino Rossi, Ducati

Valentino Rossi, Ducati

Photo by: Kevin Wood / LAT

「通常、物事が適切に進んでいるときはスタッフの間の個人的な問題すらもマネジメントすることができる。しかし全く上手く行っておらず、報道陣やパートナー、スポンサーから極度のプレッシャーにさらされ、結果を出せていないと、対処ができなくなる。時には責任を転嫁する人もいるし、こうした状態はチームや集団を破壊してしまう」

「ドゥカティに来たときには、ちょっとそういった状態にあり、2013年の終わりには何人かは手放さなければならなかった」

「当時を振り返ってみると、正直に言えば途中で辞めたいと思っていた」

「行き詰まっていたんだ。ドゥカティはバレンティーノとの苦戦した2年間を終えたあと、チームは(アンドレア)ドヴィツィオーゾとニッキー(ヘイデン)とまだ苦戦し続けていた。メディアは我々についてかなりネガティブに取り上げていたし、行き詰まっていた。実際あの年は明確な技術的な方向性もなかったのだ」

「しかし幸運なことに、クラウディオ・ドメニカリCEOのサポートがあった。彼とは旧知の仲で率直に話し合いを行ない、『行き詰まっている。この状態が続けば会社のイメージも悪くなってしまう』という話をしたんだ」

 そしてチアバッティは、2013年末にアプリリアからジジ・ダッリーニャ(現ゼネラルマネージャー)を引き抜いたことが、ドゥカティ再建の始まりだったと振り返った。

「我々は何かをすべきで、MotoGPのような技術的に複雑なプロジェクトをマネージできる力を持った人物が必要だと話していた」

「そうすると彼(ドメニカリCEO)はジジにアプリリアを離れるよう説得して、それ以来物事はより上手く進むようになった」

「ドゥカティは日本のメーカーほど大きくはないため、大変なことだった。スポンサーやパートナーシップに頼ることが必要だったんだ」

「ドゥカティに投資したいという人を見つけることは非常に難しかった。なぜならバレンティーノに最高の結果を与えるための十分な準備をしていたものの、成功しなかったからだ」

「その”信頼”を再び確立するというのは簡単なものではなかった。信頼は結果からしか再建できないものだからだ」

「約束はできても、失敗した実績ありでは……」

「簡単なモノではなかった。この10年間を振り返ると、我々がこの位置にいるのは本当に素晴らしいことだよ」

 
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