ドゥカティ、非情なチームオーダーは無し! タイトル争いへの望みが薄まるも「同士討ち以外は自由」
ドゥカティのスポーティングディレクターであるパオロ・チアバッティは、チームオーダーを発令することで、2022年シーズンのタイトル獲得への望みを繋ごうとすることはないと語った。
MotoGPの2022年シーズンは、ヤマハのファビオ・クアルタラロがランキング首位でシーズンを折り返した。ドゥカティ勢はタイトル争いという点では厳しい状況にあるが、チームオーダーを発令するつもりはないようだ。
現在ポイントランキング首位のクアルタラロに対し、ドゥカティ勢トップのライダーであるヨハン・ザルコ(プラマック)は58ポイント差と、大きく離されている。また、タイトル争いを繰り広げることが期待されたフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)も、転倒によるノーポイントが響き、66ポイントもの大差になってしまっている状況だ。
2022年シーズンは残すところ9レース。前述のような状況を考えると、ドゥカティが2007年以来のタイトルを獲得できる可能性は、少なくなりつつある。
ドゥカティがなりふり構わずタイトル争いの可能性を残すならば、チームオーダーを発令し、いずれかのライダーにポイントを集約するという戦略を組み立てることもできるはずだ。しかし、スポーティングディレクターのパオロ・チアバッティは、チームオーダーを課すつもりはないと語っている。
「オーケー、まず最初に現時点でまだレースが残っているということを、明言しておかなければならないだろう」
チアバッティはそう語った。
「原則的に、過去のいくつかの例外を除いて、我々はチームオーダーのようなモノを好んではいない」
Andrea Dovizioso, Ducati Team, Andrea Iannone, Ducati Team
Photo by: Ducati Corse
「言うまでもないが、もしそのレースが最終戦で、あるライダーに勝つチャンスがあり、オーダーによって勝利できるチャンスが生まれるなら、その戦略について考慮するかもしれない」
「しかしそれは例外的なケースだ。今、我々はそうした状況にあるわけではない」
「我々はチームオーダーを指示するつもりはない。我々がライダーに与える唯一の指示は、互いに極端な動きは避けるように、というものだ」
「何年か前に、アルゼンチン戦で(アンドレア)ドヴィツィオーゾと(アンドレア)イアンノーネに起きた出来事(表彰台圏内争っている中、最終ラップでふたりがクラッシュした)を覚えている。似たような状況は避けたいと思っているんだ」
「それだけはライダーに伝えている。同じブランドのライダーをもう少し尊重し、可能なら極端な動きはとらない、ということだ」
「それ以外では、彼らは自由にやりたいことをやっていいし、レースを勝てるのなら、勝たなければならない」
ドゥカティのチームオーダーで思い出されるのは、2017年シーズンのことだろう。マレーシアGPとバレンシアGPでホルヘ・ロレンソに”Mapping8”というメッセージを送り、タイトル争いを展開していたドヴィツィオーゾを前に出せと伝えたことがあった。ただこの時、ロレンソはこのオーダーによってドヴィツィオーゾのタイトル争いに違いが生まれることはないだろうと考え、ポジションを明け渡すことはなかった。
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