マルケス、ついに掴んだ3年ぶり勝利に感無量「苦しい時期を支えてくれた人達のことを最初に考えた」
約3年ぶりのMotoGP優勝を果たしたマルク・マルケスは、この勝利を最も苦しい日々を支えてくれた人達に捧げると話した。
Marc Marquez, Gresini Racing
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
マルク・マルケス(グレシーニ)は、約3年ぶりの勝利をMotoGPアラゴンGPで達成。この栄光を、最も苦しい時期を支えてくれた人達に捧げたいと彼は語った。
マルケスは過去に5勝を挙げるなど得意とするアラゴンでのレースウィークを好調にスタートさせ、予選ポールポジションを獲得し、スプリントレースで初勝利を果たした上で、決勝レースに臨んだ。
そして決勝でもライバルを寄せ付けない圧巻の独走を見せ、グレシーニ移籍後初の優勝を達成した。マルケスにとって、グランプリで勝利するのは2021年終盤のエミリア・ロマーニャGP以来のことで、実に1043日ぶりに頂点に立ったことになる。
この期間中、マルケスは実に苦しい経験をしてきた。2020年にクラッシュで右腕を骨折すると、その怪我が長期的な影響を及ぼしてしまい、合計で4度手術を受けなくてはならなかった。
それだけではなく、2022年のクラッシュによる網膜剥離や複視の再発など、マルケスは多岐にわたる怪我に悩まされ、かつての常勝からはひどく遠ざかっていた。
2024年シーズンに向け、マルケスはキャリアを通じて在籍したホンダから、インディペンデントチームのグレシーニへと移籍した。ホンダが低迷する中、引退すら考えていたマルケスは、自分がまだ競争力を発揮できるか、楽しめるのかどうかを確かめるためにも、移籍を決断したのだ。
そしてドゥカティのマシンへ乗り換えてから競争力を取り戻したマルケスは、12戦目でついに感動的な勝利を果たした。かつての強いマルケスが戻ってきたことを知らしめる勝利だった。
大いにこの勝利を喜んでいたマルケスだが、勝利した瞬間には最もつらい時期を支えてくれた人達のことを真っ先に考えたという。
「僕が最初に考えたのは、この非常に辛い時期を通じて僕のことを支えてくれた人達のことだった。僕はコース上ではひとりきりだけど、その背後には最高のチームがいるんだ」
Marc Marquez, Gresini Racing
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
「素晴らしい人達がいるんだ。最高の家族、そしてガールフレンドに兄弟、日々僕を助けてくれているすべての人達のことがよぎった」
「1年前、僕はキャリアを終えるかそれとも続けるかについてだけ考えていた。この先、いつか僕は引退するだろう。でも引退するとき僕の可能性には何もクエスチョンマークは付かないだろうね」
「キャリアをもっと長く、そして競争力を発揮していくために色々なことを試すつもりだ。そしてグレシーニは僕にこうしたチャンスを与えてくれて、僕もそれを楽しもうとしてきた。ルーキーライダーのようにこのチャンスを活かそうと、これまで以上に努力してきたんだ」
「この長い4年間を経て、表彰台の頂点に戻ってこれたのはめちゃめちゃ嬉しいよ」
マルケスは決勝レース自体を振り返ると、独走していたものの中盤以降は集中力を持続させることが難しかったと語った。
「凄い長かったね。最初にラップをチェックしたのは14周か12周くらいのところだったんだ。レースはまだかなり残っていたけど、集中力を維持するのが本当に難しかった。そこが(レースの)一番難しい部分だったよ。ライディングは凄く良かったからね」
「レース中盤には表彰台が近いとすら頭の中をよぎりだしていた。でもそこでまた集中し続けるためにプッシュしようとしていったんだ。でもそうだね。フィニッシュラインを通ったときは、とんでもないフィーリングだったよ」
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