エスパルガロ「アプリリアの苦戦は優遇措置が無くなったから……ではない!」ヤマハとホンダへの適用案には賛意
今シーズンのアプリリアは昨年と比較して苦しい戦いを強いられているが、それはコンセッション(優遇措置)を失った影響によるものではないとライダーのアレイシ・エスパルガロは考えている。
2022年シーズンのMotoGPで大きく躍進したアプリリア。しかし2023年シーズン前半戦を終えた時点では、昨年よりも苦しい展開が続いている。しかし、ライダーのアレイシ・エスパルガロは、コンセッション(優遇措置)を失ったことがその原因ではないと考えている。
アプリリアは2015年からMotoGPへの参戦をスタートさせたが、長らく苦戦が続いてきた。ただ元フェラーリF1のマッシモ・リボラが責任者となって以降は着実に改善を進め、2022年にはエスパルガロの手で初優勝を収めるなど躍進を示した。
その結果アプリリアは、新規参戦チームを後押しするために定められたコンセッション制度の対象から、2022年限りで外れることが決定。2023年からはライバルと同一の条件で競っていくこととなった。
コンセッションを失ったことで、アプリリアはこれまで許されていたようなテストの自由を失い、マシン開発にも制限を受けることになった。そしてコンセッションを失ったメーカーが翌年に苦戦するというのは、スズキやKTMでも見られてきたことだ。
そしてその前例に習うかのように、アプリリアも今季は2022年と比較すると苦戦が目立つシーズンとなっている。ただ、コンセッションの有無が苦戦に繋がっているわけではないとエスパルガロは考えている。
コンセッションが無くなりデータが少なくなる中での戦いへの適応についてエスパルガロに訊くと、彼は「興味深い質問だね。でも僕はそうは思わない」と答え、さらにエンジンの信頼性についてこう続けた。
「マーベリック(ビニャーレス/チームメイト)はザクセンリンクでエンジンに問題があったけれど、アプリリアは信頼性を向上させてきた」
「パフォーマンスの面でも以前は、マイレージが800kmを超えるとパワーがかなり落ち始めてしまったを覚えているけれど、もうそんなことはない」
「今年と2022年に複数のエンジンで2000km以上走っても、パフォーマンスは問題なかった。テストの面ではロレンソ・サヴァドーリが常にたくさんのテストをこなしてくれているから、(コンセッション適用外になったことの)影響はないと思う」
Aleix Espargaró
「コンセッション自体はとても助けになると思う。テストチームとサテライトチームも助けにはなるけど、シーズン中に新しいことを沢山するのには、コンセッションが助かるんだ。いいアイデアだと思うよ。でもこれ以上それに頼りたくないし、皆と同じところで勝ちたいんだ」
なおコンセッションに関しては現在、苦戦続きのホンダとヤマハに対して適用してはどうかという検討が行なわれている。エスパルガロはメーカー間の競争のバランスをとるのは悪いことではないと所感を語った。
「ライダー側が意見を言えることではなくて、メーカーとチャンピオンシップ側のバランス次第だ。でもMotoGPは大きなプロジェクトだし、何百万ユーロものお金を投じているんだから、チャンピオンシップのバランスをとるのは良いことだと思う。でも、どうやってやるんだろうね」
「大変だろうね。僕は反対しているわけじゃない。僕らもコンセッションに助けられたからね。2シーズン前や昨年みたいに、3~4メーカーが勝利を争うレースが見たい。いいアイデアだと思うけど簡単ではないだろうから、上手く提案してくれればいいね」
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