小椋を選んだトラックハウスはよくやった! エスパルガロ、若手より不振のベテランが起用されるなら「フェアじゃない」と異議
アレイシ・エスパルガロは、比較的競争力のあるバイクを手にしつつも苦戦気味であるジャック・ミラーやフランコ・モルビデリのようなライダーがMotoGPに残れるのであれば、それはフェアではないと強い言葉を発した。
2025年に向けて、そのシートがほとんど埋まりつつあるMotoGP。未定となっているシートはジャック・ミラー(KTM)やフランコ・モルビデリ(プラマック)といったライダーが埋めると言われているが、アプリリアのアレイシ・エスパルガロはそれに異議を唱えた。
自身も243戦に出走したベテランライダーのエスパルガロは、成績不振のベテランと契約するのではなく、もっと若手のライダーにチャンスを与えるべきだと考えているのだ。
ミラーやモルビデリは共に競争力のあるバイクを手にしながら、今季ランキングトップ10から外れるなどやや精彩を欠いている。ただミラーは、アプリリア陣営からヤマハ陣営に変わるプラマックに移籍することが決定的と言われており、そのプラマックを離れることになるモルビデリも、自身の師であるバレンティーノ・ロッシ率いるVR46に移籍すると見られる。
エスパルガロはオーストリアGPを前にして上記のライダーについて珍しく言及した。曰く、MotoGPチームがミラーやモルビデリのようなライダーを選んで新人にチャンスを与えないために、Moto2の才能ある若手の多くがMotoGPシートを逃してしまうのは悲しいことだという。
「(ミラーの件について)コメントするつもりはない。トラブルのもとだからね」と話していたエスパルガロだったが、そこからこう続けた。
「僕がその件や、VR46に入ることになる人について話したら、それは間違いだろう」
「ジャックとは仲が良い。僕たちはご近所さんで彼は父親になったばかりだ。彼が僕よりモーターバイクが好きなことも知っているよ。彼がここにいられることを嬉しく思う。でももっと悪いケースもある」
「モルビデリのケースはミラーのそれよりも悪い。モルビデリがMotoGPに残ることは悪いこととは言わないけど、何年も連続で勝てるバイクを貰えていながら、チームメイトに毎回のように負かされているのなら、代わりに若手にチャンスを与えないというのはフェアじゃない」
「(上記のライダーが)勝てるバイクに乗っている時に何も見せられず、それでいて選択肢を与えられ続けているのなら、(Moto2の)アロンソ・ロペスのようなライダーが唇を噛むことになる」
エスパルガロは今季限りでMotoGPキャリアに終止符を打ち、来季はホンダのテストライダーとして活動する。このエスパルガロの引退表明によりアプリリアのシートに空きができたことが、ドミノ倒しのように来季のシート争いを獲得させた。
エスパルガロはMotoGPを辞めることにした理由について、将来トップレベルで成功する可能性を秘めた若いMoto2ライダーたちに道を譲るためだったと語った。
「だから来年は一歩身を引くことにしたんだ。僕はみんなのように1000%の力を発揮できていないと感じているからね。もうレースをしたいという強い気持ちもないし、このままここにいるのはフェアじゃない」
経験よりも若さを選んだチームのひとつが、アプリリアのサテライトチームであるトラックハウス。Moto2でタイトルを争う小椋藍の起用を発表したばかりだ。エスパルガロは小椋への信頼感を示したチーム代表、ダビデ・ブリビオを称賛した。
「ブリビオのようなチームマネージャーが小椋のような選手に賭けるのは、『よくやった!』という感じだよ」とエスパルガロは言う。
「小椋はアグレッシブで、しっかりと自分の仕事をする。今回の契約はトラックハウスができる最大限のことだ」
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