エスパルガロ「接触もコースアウトもOKという危険なメッセージ」マルティンVSバスティアニーニで審議無しに憤慨
アレイシ・エスパルガロはMotoGPエミリア・ロマーニャGPの最後に発生したエネア・バスティアニーニの物議を醸す追い抜きが、審議対象とすらならなかったことは、悪しき前例になると考えている。
Aleix Espargaro, Aprilia Racing
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGPエミリア・ロマーニャGPでは物議を醸す激しいオーバーテイクシーンがあった。アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)は、その一件が審議すらされなかったことが、悪しき前例になると考えている。
問題視されているのは、決勝レースのラストラップでエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)がトップを走るホルヘ・マルティン(プラマック)に仕掛けたオーバーテイクだ。
バスティアニーニはターン4でマルティンのインに飛び込み、ふたりは接触。マルティンがコース外にマシンを逃がす形となり、バスティアニーニは先頭に立つと、そのままトップチェッカーを受けて今季2勝目となった。
このバスティアニーニのオーバーテイクには、マルティンから「ちょっとやり過ぎだった」と批判が向けられている。また3位となったマルク・マルケス(グレシーニ)からは、追い抜きの際に白線を越えていたため、ペナルティを受けるべきだったという主張も見られ、MotoGPファンの間でも議論の的となった。
この一件は審議対象にもなっていないが、MotoGPクラスで最年長のベテランであるアレイシ・エスパルガロは、これが危険な前例になってしまったと考えている。
「かなりガッカリしたよ。スチュワードパネルが何をしているのか理解できない」
これまでにもスチュワードの判断には度々疑問を呈してきたエスパルガロはそう語る。
「さっぱり分からないね。あるライダーが相手のライダーに接触して、ふたりともコースアウトしたのに、彼らは審議すら行なわなかった。意味が分からない」
「そうした行動の欠如を別としても、僕は心配しているんだ。彼らが全てのライダーに送っているメッセージが『やりたいようにやっていい。他のライダーに接触してもいいし、コースアウトしてもいい』ということになっている。これはとても危険な通知だよ」
「まだ信じられない。本当にね」
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
なおMotoGPパドックからは、エアロダイナミクが発達した現代MotoGPマシンでは追い越しが難しくなり、ライダーがコース上でアグレッシブにならざるをえないという指摘もされている。
エスパルガロは今のMotoGPマシンでの追い越しが難しくなっていることを認めているが、だからといってふたりのライダーがバトルしているときに、コースアウトしても罰則を逃れられることは意味していないと語った。
「これはあの仕事をしている人達(スチュワード)の、無能さの結果だ」
「今のバイクは追い抜きが難しいけど、以前も他のライダーに接触して、コース外に出ることはあった。今も20年前もそれはあることだった」
「オーバーテイクが難しいか? そう言われればイエスだ。難しいよ。でも他のライダーに接触してふたりともコースアウトしてしまったら、それはバイクの問題じゃない」
なおMotoGPスチュワードパネルは2024年限りで最高責任者のフレディ・スペンサーが退任し、来シーズンからはサイモン・クラファーが就任する予定となっている。
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