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MotoGP参戦6ブランドの超接戦……運営ドルナCEO「ホンダとヤマハの譲歩を忘れてはならない」

MotoGPを運営するドルナ・スポーツのカルメロ・エスペレータCEOは、6メーカーによる激しい競争が展開されている現在のMotoGPについて、コンセッション制度などに同意したホンダとヤマハによる譲歩を忘れてはならないと語った。

Carmelo Ezpeleta, CEO Dorna Sports

 世界最高峰の二輪ロードレースであるMotoGPには現在、ホンダ、ヤマハ、スズキ、ドゥカティ、KTM、アプリリアの6メーカーが参戦し、全24人のライダーがしのぎを削っている。

 2021年シーズンはその全メーカーが表彰台を獲得。予選ではファクトリーチームのライダーといえどもQ1敗退を喫することもあり、0.001秒を争う僅差の戦いが繰り広げられていることが、MotoGPファンに多くの興奮をもたらしている。

 こうした接戦が演じられているMotoGPだが、運営のドルナ・スポーツCEOのカルメロ・エスペレータは、環境の構築に譲歩を受け入れたホンダとヤマハへの感謝を改めて口にしている。

 MotoGPも10年ほど前にはホンダとヤマハのファクトリーチームが常に上位を争っている状況にあった。しかし新規参入メーカーや勝利から遠ざかっているメーカーに対する優遇措置(コンセッション)が実現。2016年以降の共通ECU導入も助けとなり、6メーカーの競争は非常に接近したものとなった。

「コンセッションという制度を始めるため、それまで勝利を分け合っていたにも関わらず同意してくれたホンダとヤマハへの感謝を忘れることはない」

 エスペレータCEOはmotorsport.comのインタビューに対し、そう語った。

「最初に恩恵を受けたのはドゥカティだった。彼らがコンセッションを失ったときのことを今でも覚えている。そしてスズキ、KTMが続いている。現在は全てのバイクが優勝を狙える力を備えているんだ」

「同様にアプリリアも今年でコンセッションを失うことになれば良いと思っている。そうなれば、参戦する全メーカーが同一の条件で戦うことになる。それは素晴らしいことだ」

「そして、我々は他メーカーに対して築いていたアドバンテージを諦めることに同意したホンダとヤマハの寛容さを忘れてはならない。それから、タイヤメーカーとECUを統一したことも明らかに成功だった」

 なお2022年シーズンには全12チーム24台のバイクが参戦する。そしてその内8台がドゥカティという状況だ。このドゥカティが一大陣営を築いている状況には心配するライダーも見受けられるが、ドルナCEOとしてはどう考えているだろうか?

「6メーカーがそれぞれ4台ずつという状況が好ましかった、というのを隠すつもりはない」と、エスペレータCEOは言う。

「しかしそれが最も重要なコトというわけではない。より重要なのは全てのインディペンデントチームが満足することであり、彼らが前に進める状況であることが大事なことなのだ」

「アプリリアを信頼するか、ドゥカティを選ぶか……そして彼らはドゥカティを選んだ。それは私が賛否をどうこう言うものではないし、ベストだと感じたモノを選ぶことができるんだ。それからひとつのメーカーが8台を供給することは初めてでもない」

 なお昨年はアプリリアが大きな躍進を示したが、エスペレータCEOはそれでもサテライトチームを引きつけることができなかった点については「少し驚いた」と認めている。ただやはりチームがバイクを選ぶ権利を持っていると改めて強調した。

「アプリリアのオファーはとても良いモノだったから、少し驚かされたところはある。しかしMotoGPで競っていくためのバイク選びは、チームの権利なんだ」

 
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