MotoGP
FIM、女性ライダー限定世界選手権を2024年から新設。世界最速を決める”最終目的地”という位置づけに
FIMは、女性ライダーだけのサーキットレース世界選手権、「女子世界選手権」の発足を発表した。

Lewis Duncan
編集: 2023/05/01 12:46
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

ヘレス・サーキットで開催されているMotoGPスペインGPの開催2日目に行なわれた特別記者会見で、ドルナ・スポーツとFIAMは、新たに「FIM女子世界選手権」を発表した。
2輪サーキットレースの世界選手権としては史上初となるこの女性ライダー限定のこの選手権は、2024年からヨーロッパで全6戦を開催。スーパーバイク世界選手権(WSBK)のサポートイベントとして組み込まれる予定だ。
このシリーズはワンメイクの選手権となるが、使用されるマシンのマニュファクチャラーは決まっていない。ただマシンのレベルとしてはスーパースポーツに近いモノになると予想されている。
スーパースポーツ300レベルのFIM女子ヨーロッパ選手権とは異なり、この女子世界選手権は若手ライダーのステップアップを支援するジュニアカテゴリーではなく、女性ライダーにとっての”最終目的地”としての位置づけにあるとされている。
FIMのホルヘ・ビエガス会長は次のように語っている。
「1904年以来、史上初の試みとして、我々は来年から女子世界選手権をスタートさせることとなった」
「我々は様々なことを検討し、多くの需要があった。モトクロス、エンデューロ、トライアルで既に実施している通り、来年からサーキットレースでも女性ライダーの世界選手権を始める」
「ヨーロッパで6戦を開催するのが目標だ。この新しい選手権では、世界中の女性がレースへ参加できるよう、単一ブランドでのバトルを計画している。この選手権は、WSBKの枠内で開催される予定だ」
「この選手権では、MotoGPのように女性ライダーにプロとして活躍してもらうことを目的としている。プロモーションでもなく、別のモノへのステップでもない。最終目的地的なモノだ。ここでレースをする女性たちは、そこで活躍するプロフェッショナルであってほしい。2024年の3~4月にスタートする予定だ」
Jorge Viegas
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
しかしFIM公認の2輪レースでは、既に女性ライダーの世界チャンピオンが誕生している。アナ・カラスコが2018年スーパースポーツ300世界選手権(SSP300)を制し、歴史に名を刻でいるのだ。
そうしたところからも、MotoGPやWSBKといった既存シリーズにおけるジェンダー格差を是正するための足がかりではなく、プロフェッショナルシリーズとして新たに女性だけの選手権を新設するというFIMの決定は奇妙なモノだ。
この決定について、ドルナのカルメロ・エスペレータCEOは次のように説明している。
「我々は、レースを始めるには、誰もが同じ条件であることがベストだと考えている」
「つまり今、我々は世界最高の女性ライダーにスポットライトを当てようとしているのだ。ブランド間、チーム間、お金を持っている人たちの間で競争が始まるのであれば、誰が世界最高の女性ライダーであるかということには目が向かなくなるということは我々は分かっている」
「最高なモノは何かということが見て取れるから、みんなに同じバイクを用意することにしたのだ。いくつかのレースでは妥協を強いられることにはなるだろうが、その後、継続していく上で最良の選択肢が何であるかを見極めることとなる」
女子世界選手権を女性ライダーの”最終目的地”と定め、男性ライダーと女性ライダーの戦いの場を別けてしまうことが、ジェンダー格差是正において正しいことなのかという点については議論の余地がある。しかしドルナWSBKのブレゴリオ・ラヴィラ代表は、女子世界選手権の設立が数の少ない女性ライダーを増やすキッカケになると考えている。
「(スポーツ参加における男女比率の)パーセンテージがあるのは明らかで、それを増やしていくことが必要なのだ」とラヴィラは言う。
「そして、より多くの女性ライダーが成功を収めるためには、これまでは成功できる可能性が無かったのかもしれない。特にどんなスポーツを始める時でも、一定の要件があって、質そのものが不十分なことがあるからだ」
「だからこの選手権の目標は、その問題を負のスパイラルから外してライダーの割合を増やすこと。そして、そこからどうなるかを見ていくことだ」
関連ニュース:
- WSBK現王者バウティスタ、テスト中転倒をめぐりアナ・カラスコを“アマチュア行き”と批判。「女だからか?」と反論もヒートアップ
- ANEST IWATA Racing、小山美姫のスーパーGTルーキーテスト合格を報告。第2戦富士にはCドライバーとして参加
- モータースポーツにおける”ガラスの天井”をどう打ち破る? 業界のさらなる女性参画に求められる「等身大の憧れ」
- アルピーヌが考える、女性F1ドライバーの育成、そして女性F1スタッフ増加のためのプログラム
- ひとつの“チーム写真”から始まったハミルトンの多様性向上への取り組み「誰かを助けたことで皆の記憶に残っていたい」
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 KTMブラッド・ビンダー「決勝レースでは勝利を狙っていく」スプリントレース2勝目で自信
次の記事 バレンティーノ・ロッシ、ヤマハのブランドアンバサダーに就任! MotoGPヤマハ時代には4度タイトル&56勝と伝説的活躍

More from
Lewis Duncan

ジョアン・ミル「パフォーマンス面で今年一番難しい日だった」ドイツGP初日全く良いトコなし
MotoGP
MotoGP
ドイツGP
2024/07/06
ジョアン・ミル「パフォーマンス面で今年一番難しい日だった」ドイツGP初日全く良いトコなし

転倒続出ドイツGP、要因は特異なレイアウトとタイヤ・気温。「すぐフロントタイヤの温度が下がってしまう」
MotoGP
MotoGP
ドイツGP
2024/07/06
転倒続出ドイツGP、要因は特異なレイアウトとタイヤ・気温。「すぐフロントタイヤの温度が下がってしまう」

クアルタラロ、来季プラマック・ヤマハのライダーにディ・ジャンアントニオをプッシュ「彼のようなライダーが必要」
MotoGP
MotoGP
ドイツGP
2024/07/06
クアルタラロ、来季プラマック・ヤマハのライダーにディ・ジャンアントニオをプッシュ「彼のようなライダーが必要」
最新ニュース

“斜め停車”角田裕毅のお咎めなしにアウディが待った! エクストラフォーメーションラップ時の規則適用に懸念、異議申し立ての意向
F1
F1 F1
イタリアGP
16 分前
“斜め停車”角田裕毅のお咎めなしにアウディが待った! エクストラフォーメーションラップ時の規則適用に懸念、異議申し立ての意向

最初は右目がよく見えなかった……大クラッシュのルクレール。スペインGP出走に向け、追加の検査が必須「用心に越したことはない」
F1
F1 F1
イタリアGP
1 時間前
最初は右目がよく見えなかった……大クラッシュのルクレール。スペインGP出走に向け、追加の検査が必須「用心に越したことはない」

角田裕毅お咎めなし! F1イタリアGPの10位入賞が確定……代役の仕事をキッチリ果たし貴重1ポイントを獲得「停めるグリッドの位置を少し混乱してしまった」
F1
F1 F1
イタリアGP
5 時間前
角田裕毅お咎めなし! F1イタリアGPの10位入賞が確定……代役の仕事をキッチリ果たし貴重1ポイントを獲得「停めるグリッドの位置を少し混乱してしまった」

最高速の差は20km/h以上……イタリアGPはアストンマーティン・ホンダにとって過酷な週末。ホンダ折原エンジニア「チームと共に新たな挑戦に挑む」
F1
F1 F1
イタリアGP
6 時間前
最高速の差は20km/h以上……イタリアGPはアストンマーティン・ホンダにとって過酷な週末。ホンダ折原エンジニア「チームと共に新たな挑戦に挑む」
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録