サラブレッドMoto2王者ガードナー、”プロとして不十分”と言われMotoGP追放される~KTMから「後悔している」と言われてももう遅い。WSBKで最強を目指すことにした~
2022年にMotoGPデビューしながらも、1年でWSBKへの転向が決まったレミー・ガードナー。彼はKTMのマシンに”二度と乗る必要が無い”ことを喜んだ。
Remy Gardner, KTM Tech3
Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGPからWSBK(スーパーバイク世界選手権)へ転向するレミー・ガードナーは、「二度とKTMのマシンに乗る必要がない」ことを喜んでいる。
1987年のWGP500ccチャンピオン、ワイン・ガードナーの息子であるガードナー。彼は2021年にMoto2クラスでタイトルを獲得し、親子2代での王者となった。そして翌年はテック3・KTMから最高峰のMotoGPクラスへ昇格。いずれは最高峰クラスチャンピオンを期待する声もあった。
しかし、ガードナーはルーキーシーズンを通じて苦戦。獲得ポイントは13ポイントで、ベストリザルトは11位という結果に終わった。
しかも彼はシーズン半ばに、来年の契約が無いことを知らされていた。サンマリノGPではメディアに対して、KTM側から”プロフェッショナルとして十分ではない”と評価されたことを伝えている。
その後、ガードナーはMotoGPチームではなくWSBKのGRTヤマハと契約。Moto2チャンピオンがわずか1年でMotoGPの世界から去ることになってしまった。
そしてガードナーは、最終戦バレンシアGPでKTMのバイクを”見送る”ことができて嬉しいと語るなど、KTMにはほとほと愛想が尽きた様子だった。
「コースに出ていって、ただただできる限りの良いレースをしたよ」と、バレンシアGPを終えたガードナーは語った。
「最後の3レースは、どれも序盤ラップがかなり酷かった。リヤタイヤがどんどんダメになっていくという、同じようなことが起きていたんだ」
「でもフィリップアイランドは素晴らしかったし、セパンも序盤数周は良かったよ」
「楽しめたし、レースウィークを友人や家族と楽しむことができた。それに、もうあのマシンに乗らなくて良いと思うと嬉しいし、すごくホッとしているよ」
Remy Gardner, KTM Tech3
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
関係悪化で終わってしまったガードナーとKTMだが、その要因には彼のマネージャーであるパコ・サンチェスが、KTMのマシン批判を行なっていたことに関係していると考えられている。
しかしその一方で、ガードナーはKTM側からチーム離脱についてしっかりとした説明は無かったとも語る。モータースポーツ部門を率いるピット・ベイラーと話をしたときも同様だったという。
「ピットは落ち着かせようとしていたけど、彼も僕には本当に何も教えてくれることはなかった。『ああ、すまない。だがこういう事に決まったんだ』というふうにね」
ただKTM側はmotorsport.comのインタビューに対しては、ガードナーとの”喧嘩別れ”を後悔していると認めている。しかし同時に、その責任についてはマネージャーのサンチェスにもあると主張している。
「ああ、後悔している」
ガードナーとの関係の終わり方を後悔しているのかと聞かれたベイラーは、そう答えた。
「彼は我々ファミリーの世界チャンピオンなのに、我々は彼の力を発揮させられなかったからだ」
「それはなぜなのか? それは長時間の議論となるだろうが、私は彼ともっと成功できなかったことを本当に残念に思っている」
「我々はそうするための非常に高いモチベーションを持っていた。しかし両者ともに、それを上手く機能させることができなかった」
「我々が将来のプランを建てているとき、彼のマネージャーが報道陣にKTMの契約はライダーの望むものではないと語っていたことは、(将来計画の)助けになるようなモノではなかった」
「MotoGPの予算を確保するためにも、取締役会に”動機”を与えてやる必要がある。しかし彼らは報道で『酷いバイクだし、恐ろしい状況にあり、ライダーをあそこで走らせたくない』といったものを目にしてしまう」
「まずいタイミングで、そういう雰囲気になっていた。そして、ネガティブな気持ちでは成功させることなどできないんだ」
「我々としても、彼がこのプロジェクトを信頼していないように感じられていた。チームは問題を修正できない、とね。しかし私としては、レミーは諦めるのは少し早すぎたようにも思う」
「彼には何度も『まずは1ポイントのために戦おう』と話していた。しかしネガティブな雰囲気が非常に漂っており、我々も『リセットボタンを押そう』となったんだ。我々は、ファクトリーのエンジニアやチームのマネジメントと、多くのことを変更してきたんだ」
「それでも大部分はポジティブなエネルギーに基づいていた。だから別離は決して良いことではない」
「我々の側としても、成功させることができなかったというのは認めたいと思う。もっと上手くやりたかったし、彼ももっと上手くやりたかったと思う。しかし、結果はネガティブなものだったんだ」
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