勝利から半年遠ざかるドゥカティ、停滞の要因は何? ライバルの躍進、マシン性能……
MotoGPでしばらく勝利から遠ざかっているドゥカティ。ライバルが伸びているのか、それともドゥカティが停滞しているのだろうか?
MotoGPでドゥカティは最後に勝利してからすでに約半年、正確に言えば182日が経過している。2025年9月のマレーシアGPでフェルミン・アルデゲル(グレシーニ)が勝利したのが、直近では最後の勝ち星なのだ。
昨シーズン終盤のドゥカティのパフォーマンスにはいくつかの事情があったとはいえ、2026年序盤の0勝という結果は競争序列の明確な変化を示していると言える。アプリリアが躍進し、ペドロ・アコスタを擁するKTMも新たな脅威となりつつある。
第3戦終了時のライダーズランキングでは、ドゥカティ勢最上位は4位のファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)であり、マルコ・ベッツェッキ、ホルヘ・マルティン(いずれもアプリリア)、そしてKTMのアコスタに後れを取っている。コンストラクターズランキングでもドゥカティは首位アプリリアを追う立場であり、KTMに対してはわずか4ポイントのリードしか持っていない。
さらに深刻なのはチームランキングだろう。開幕3戦でアプリリアファクトリーチームは158ポイントを獲得し、ドゥカティの倍以上のポイントを記録している。ドゥカティはわずか70ポイントにとどまり、アプリリア、KTM、さらにはトラックハウスの後塵を拝して4番手に沈んでいるのが現状だ。
2025年は絶好調だったグレシーニも深刻だ。アルデゲルがタイGPを欠場した影響はあるものの、チームメイトのアレックス・マルケスも異例のスロースタートを切っており、決勝での最高位はブラジルGPでの6位にとどまっている。
こうしたドゥカティの現状について、アレックス・マルケスはアプリリアとKTMが冬の間に大きく進歩した一方で、ドゥカティが停滞しており、その結果ギャップが広がったと考えている。
「現時点ではアプリリアの方が優れている。勝っているしね」と、アレックス・マルケスは言う。
「昨年は僕たちのバイクがやや上回っていたから、彼らも勝てなかった。今年はアプリリアが一歩前に進んでおり、ドゥカティはある意味で停滞していると思う。だからこそドゥカティは新しいものを投入するために懸命に取り組んでいる」
「僕はドゥカティのことを信じている。シーズンのどこかで僕たちが前進できる時が来ると思う。これはドゥカティの歴史の中でも常に起きてきたことだ。ファクトリーバイクの場合、すべてを整えるのにシーズンの半分ほどが必要になって、その後に非常に強いパフォーマンスを発揮することは2022年や2023年のように今までもあった。だから希望を失ったわけじゃない。僕自身、他の誰よりも努力して、改善のためのフィードバックを挙げていくつもりだ」
■ドゥカティはドコでタイムロスしている?
Fabio Di Giannantonio, VR46 Racing Team
Photo by: Media VR46
アレックス・マルケスが不振に苦しみ、兄で王者のマルク・マルケス(ドゥカティ)も肩の負傷から完全回復していない中、ドゥカティ陣営を背負って立っているのはジャンアントニオだ。
今季マシンであるデスモセディチGP26を現状最も乗りこなしているジャンアントニオによると、問題はリヤグリップへの過度な依存にあるという。
この特性はタイヤの消耗の影響が少ないスプリントレースでは有利に働くが、長い決勝レースではリヤタイヤの劣化が進むにつれて問題となってきてしまう。
「フロントを改善する必要がある。フロントでよりハードブレーキングができるようにして、より速いスピードを保ったままコーナーに進入できなければ」
ジャンアントニオはそう語る。
「現時点での問題は、ドゥカティ勢全員がリヤに頼っている点で、リヤ(のグリップ)が失われると本来のスピードを発揮できなくなることだ」
ジャンアントニオは第2戦ブラジル、第3戦アメリカズと連続でポールポジションを獲得。新品のタイヤでは高い競争力を示している。しかし彼でのスタートの不調も加わり、予選結果がレース結果に結びついていない。
「アプリリアにはアドバンテージがある。より奥までブレーキングができるし、ブレーキを残しつつ、フロントを使ってマシンを曲げていけるんだ」と、ジャンアントニオは付け加えた。
「僕たちはよりリヤを頼っている。新品タイヤではバイクはとても上手く、思い通りに機能してくれる。だけどリヤタイヤが消耗し始めると、フロントでは支えられないから、より厳しいことになるんだ」
「ここ数年、僕たちはリヤタイヤのコントロールでライバルを上回っていたことで素晴らしいレースができていた。だけど他のメーカーがフロントの性能を大きく向上させた今、そのリヤタイヤのコントロールだけでは十分ではない。ブレーキングとコーナー進入を大きく改善する必要がある」
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