ホンダ、オーストリアGPで”新”エンジン投入。ライダーたちは歓迎も「すぐに速くなるわけじゃない」
ホンダは今週末のMotoGPオーストリアGPに”新しい”エンジンを持ち込むが、それがすぐにパフォーマンス向上をもたらすわけではないとライダーたちは警告している。
Luca Marini, Repsol Honda Team
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGPを戦うホンダは、今週末に開催される第3戦オーストリアGPに向けて”新しい”エンジンを持ち込む予定だ。
ホンダは大苦戦から脱却すべく懸命に努力を続けており、今後ヨーロッパで開催されるレースで多くのアップデートの投入が予定されている。
最初の重要なアップデートが、その新しいコンフィギュレーション(設定・構成)のエンジンであり、LCRホンダの中上貴晶と、レプソル・ホンダのルカ・マリーニとジョアン・ミルが複数のバリエーションを試すと見られる。
ヨハン・ザルコはより多くのデータを収集するため、イギリスGPと同じ仕様のマシンでレースに臨み、比較を行なうようだ。
新しいエンジン・パッケージの投入はホンダにとって歓迎すべきものだろう。MotoGPの新しいコンセッション(優遇措置)システムの一環としてホンダは、シーズン中の開発自由度が高くなっている。しかし同じ立場のヤマハと比べてアップデートが遅いように見えたからだ。
しかしマリーニは、アップデートを持ち込んだホンダを称賛しながらも、新エンジンによるスピードアップはそれほど大きくないとも考えている。
「新しいエンジンというのはかなり大げさな言葉だ。ちょっとしたアップグレードだと言いたい」
「イギリスGP後に見たパフォーマンスで言えば、(スペックが違うエンジンを使った)タカのパフォーマンスは少し良くなったように見えたけど、ライディングが少し難しくなったようだ」
「他のエンジン(投入)に近づいてはいるけど、まだ十分じゃない」
「でもこのアップグレードはよくやったと思う。これはプロセスの一部だ。プッシュし続けること、作業を続けることが重要で、たとえ小さなアップグレードであっても良いことなんだ。僕はハッピーだよ」
「これからわかることだけど、コース上でのパフォーマンスは変わらないと思うよ」
Joan Mir, Repsol Honda Team
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
マリーニのチームメイトであるミルは、アップグレードされたエンジンの最終的なポテンシャルについては楽観的だが、MotoGPにおけるホンダの運命をすぐに変えるものではないことも示唆した。
「今週末はまた違ったエンジン設定になる。それは素晴らしいことだ」
「とてもすっきりしていて、フレッシュな設定だ。でもコースに投入してすぐに速くなるような構成じゃないんだ」
「だから、理解するのに時間がかかるし、エレクトロニクス面やセットアップを正しく行なうのにも時間がかかる。少し作業が必要になるだろうけど、それが(正しい)方向性なのかそうでないのか、より良いものなのか、よりトップスピードが出るのかそうでないのかを理解するために、新しい大きなものを手に入れるのはいいことだ」
ホンダ陣営の4人のライダーはこれまで、異なる設定のエンジンを選択してきた。これは、何が最善なのかライダーの意見が分かれているということでもある。
ミルは今週末のエンジン・アップグレードによって今後の方向性について明確な答えが出ることを期待している。
「僕が以前に試したことのないエンジンではないけど、これまで試したことのない設定だ。エンジンが新しいわけじゃなくて、新しい設定なんだ」
「僕たちはこれまで、特にシーズン序盤に苦戦してきたから、理にかなっている」
「そのエリアでの方向性が正しいものではなかったことに気づいて、戻ってきたんだ。それで僕たちがやりたかった方向性に少し近づいた」
「2歩進むことを期待しているわけじゃない。この方向性で進むべきなのか、これを使っていくのかを理解したいんだ」
Additional reporting by Lorenza D'Adderio and Gerald Dirnbeck
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