MotoGPで苦戦が続くホンダ。HRC渡辺社長、マルケス離脱の噂に「残ってもらえるよう、“モノ”で示す。それがホンダのやり方」
ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長は、マルク・マルケス離脱の噂について取材に応じた。曰く、残ってもらえるように「モノ」で示すことがホンダのやり方だと語った。
ホンダがMotoGPで苦戦している。この状況についてHRC(ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長は、夏休み中に対策を施すのは難しいとしながらも、とにかく良いバイクを作らなければいけないと語った。
マルク・マルケスを擁し、2013年から2019年までの7年間で実に6度のチャンピオンを獲得したホンダだが、ここ数シーズンは大苦戦。今シーズンは輪をかけて苦しんでおり、第3戦アメリカズGPでアレックス・リンス(LCRホンダ)が優勝したものの、それ以外は厳しいレースが続いている。マルケスに至っては、無理にプッシュしたことが祟って第7戦ドイツGPで実に5度も転倒を喫して怪我を負ってしまい、決勝レースへの出走を取りやめた。そして第8戦オランダGPでもマルケスは奮闘したが、怪我を悪化させてしまい、彼はレースを欠場し、夏休みを迎えた。
このホンダの不調により、F1に注力しすぎているためだと揶揄されたり、マルケスがホンダとの契約を早期解除してしまうのではないかという噂が流れるまでに至っている。そうした噂はレプソル・ホンダのチームマネージャーであるアルベルト・プーチが「ホンダは、ホンダにいることについて満足していない人を受け入れたいと思うような会社ではない」と発言したことで、さらに加速している。
この状況についてHRCの渡辺社長は、4輪部門の知見も入れていくことで、一刻も早くライバルに追いつきたいと語った。
「MotoGPでは今苦戦していますが、2輪部門と4輪部門がコラボレーションして開発していくという部分に取り組み始めたところです」
HRCはかつて2輪のレースを専門に担う会社だったが、2022年4月からはホンダの4輪のレース部門もこのHRCに取り込まれることになり、 2輪レースと4輪レースの両部門による相乗効果が期待されている。
「車体も、空力も、エンジンも、改善する必要があります。これらには、4輪の技術も入れながら、やっていきたいと思っています」
「4輪の方が優れていると申し上げるつもりはありません。しかし一緒にやることで、これまでとは違った見方も取り入れることができるはずです。できるだけ早く、ライバルに追いつきたいと思っています」
MotoGPはすでに今季前半戦を終え、束の間の夏休みに入っている。夏休み期間でマシンの改善は果たせるのか? そう尋ねると、渡辺社長は次のように語った。
「色々な部分をステップ・バイ・ステップで取り入れていきますが、基本的には来年の車両に入れることになると思います。すべての改善のための“開発弾”を入れるのは、それでも厳しいかもしれません」
マルケス離脱の噂について尋ねると、渡辺社長は次のように答えた。
「当然引き止めたい選手です。でも、最後に決めるのは彼です。もし離れると決断したならば、引き止めることはありません」
渡辺社長はそう語り、さらに次のように続けた。
「彼に残ってもらえるように、“モノ”でしっかりと示してあげなければいけないと思っています。根性論でただ『残ってください』と言うのは、ホンダのやり方ではありません」
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