いまだ表彰台ゼロのホンダ、コンセッション適用組への転落はどうなる?
MotoGP2020シーズンは未だ表彰台を獲得できていないホンダ。この状態がシーズン中に続いた場合、通常は来季から優遇措置の対象となるが、コロナ禍の影響で2021年もホンダは優遇措置対象には入らない予定だ。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
2020年のMotoGPは驚きに富んだシーズンとなっている。KTMが初優勝を挙げ、期待の若手ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)がタイトル争いをリードし、それをベテランが追うというスペクタクルに満ちた展開が広がっている。
しかし、その中で存在感に乏しいのがホンダだ。王者マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)が第2戦スペインGPで骨折を負って以来欠場が続いているが、他のライダーも優勝どころか表彰台すら獲得できていない状態だ。
スティリアGPでは中上貴晶(LCRホンダ)が表彰台を獲得間違いなしかと思われたが、赤旗中断でレースの流れは変わり、結局表彰台を得ることはできなかった。
こうした状況の中で、ホンダというロードレース世界選手権で数々の成功を収めてきたメーカーが、コンセッション(優遇措置)適用の枠に入ってしまうのではないか、と心配する声も聞かれる。
MotoGPは選手権をより接近したものとするため、コンセッションと呼ばれる規定をレギュレーションに設定している。これは2013年以降に新規参戦したメーカー、またはシーズン中にコンセッションポイントを獲得できていない(=表彰台未獲得)メーカーに対して与えられると規定されている。
2020年はKTM及びアプリリアがその対象となっていた。ただKTMはスティリアGPでの優勝によって、2021年はコンセッション非適用となることが決定済みだ。
なおKTMはコンセッションの恩恵を受けて、これまでにレギュラーライダーやテストライダーを動員して様々なサーキットで事前にテストを行なってきた。しかしこの措置についてはスティリアGPの結果を受け、既に制限が入っている。
ホンダがもし残る9戦で表彰台を獲得できなかった場合、通常はコンセッションを与えられることになる。その場合はテストの自由化、エンジンの年間使用可能基数の増加、通年のエンジン開発といったアドバンテージを、マルケスを擁する“あのホンダ”が得ることになる。
しかし、今季は事情が異なっているため、ホンダがコンセッション適用メーカーとなることはなさそうだ。
新型コロナウイルスのパンデミックを受け、メーカーとFIMはシーズンが中断された期間中に、開発制限などを含むレギュレーションの変更で合意し、それを発表した。その中には2020年シーズンはコンセッション資格を喪失することはあっても、新たにコンセッション適応となることは無いとする決まりも含まれていた。(FIMレギュレーション 2.4.2 追記)
MSMA(モーターサイクルスポーツ製造者協会)の関係者はmotorsport.comに次のように語っている。
「通常の状況では、シーズン中に表彰台を獲得していないメーカーはコンセッションを与えられる」
「しかしながら、今年は例外的に表彰台を獲得できなかった場合でも、そのコンセッションの状況は維持されることがMSMAの会議で明確にされた。これは満場一致の決定だ」
ただいずれにしろ、ホンダは今後すぐに中上と共に表彰台へ上がることを確信しているようだ。また、マルケスについても2〜3ヶ月の休養予定だとされているが、終盤戦に出場する可能性は残されている。
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