躍進の小椋藍……2026年シーズン開幕から常に上位を争う活躍に、注目集まる。チーム代表「表彰台獲得は時間の問題」 来季はヤマハへ?
小椋藍が、Moto2クラスでチャンピオンを獲得した時のような輝きを取り戻しつつある。
Ai Ogura, Trackhouse Racing
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
トラックハウス・レーシングの小椋藍は、2026年のMotoGPシーズン開幕戦で大いに注目を集めた。アプリリアのマルコ・ベッツェッキとホルへ・マルティンがシーズンを席巻する中、サテライトチームの小椋のパフォーマンスが、賞賛を集めているのだ。
小椋は開幕戦タイGPのレース終盤8周で、10番手から5番手まで一気に順位を上げ、そのままチェッカーを受けた。これは小椋にとってMotoGP最高峰クラスの最高順位であった。
しかし小椋はレース前半の自身の走りは「酷かった」と認め、結果に満足していなかった。
この発言は彼のメンタリティを垣間見せる貴重なモノであり、向上心への強い意欲を改めて示した。
続くブラジルGPでも5位に入り、その後アメリカズGPではエンジントラブルに見舞われるまで表彰台圏内を争っていた。
小椋本人にとっては、悔しい結果だっただろう。しかしトップ3争いに加わったことは、彼の成長の確かな証だと言える。
開幕3戦を通じて、小椋は経験豊富なチームメイト、ラウル・フェルナンデスよりも力強い走りを見せたと言えるだろう。フェルナンデスも小椋も、予選では苦労することが多い。しかしそれでも小椋は、下位グリッドからのスタートであっても着実に挽回できるようになっている。
期待外れだったルーキーシーズン
Ai Ogura, Trackhouse Racing
Photo by: Gold and Goose Photography / LAT Images / via Getty Images
小椋は昨年、Moto2クラス王者としてMotoGPにステップアップし、大きな期待が寄せられていた。デビュー戦のタイGPでは、スプリントレース4位、決勝5位と、期待に違わぬ活躍を見せた。しかしこの成績がシーズンのハイライト。以降は低迷することが多く、期待外れの結果に終わるレースも多かった。
しかし2026年シーズンの序盤戦を見る限り、彼は当初の期待に応えはじめているようだ。トラックハウスのチーム代表であるダビデ・ブリビオによれば、小椋の好調は成熟度が向上してきたためであり、2025年の不振はペース不足というよりも怪我の影響が大きかったという。
小椋はイギリスGPで足を骨折して手術を受け、ミサノでの事故で今度は手を負傷した。
「嬉しいが、予想していなかったことではない。これが我々が取り組んできたことなんだ」
ブリビオ代表はアメリカズGPの週末にそう語った。
「昨年のジェットコースターのようなシーズンは、怪我の影響が大きかったと思う。2度も大きな怪我を負った。彼が怪我をした時には少し後退してしまい、回復にも時間がかかった。今は順調に進んでいるといいのだが」
「彼が速いことは分かっているし、才能があることも分かっている。最初の1年間は経験を積むことが大切だ。失敗を重ね、学び、理解を深めていく必要がある。今シーズンは彼がより成熟し、自分の能力をより意識するようになったのを目にしている。ただ意識するだけでなく、経験を積んだのだ。彼は何が起きるかを理解している」
「MotoGPのペースはMoto2よりも速い。Moto2ではもう少し気楽に挑むことができるが、MotoGPでは金曜日の朝までにしっかりと準備を整えておかなければいけない」
「だから彼はこのプロセスを経なければいけなかった。今年はMotoGPで求められることに向け、より精神的な準備ができている」
「しかしこれは終わりのない仕事だ、たとえ15年間レースをしてきたとしても……私は皆に言っているが、常に学ぶべきことがあるのだ。彼はまさに、それを実践しているところである」
■表彰台獲得は間違いない
Davide Brivio, Trackhouse Racing
Photo by: Gold and Goose Photography / LAT Images / via Getty Images
アメリカズGPではリタイアに終わったにもかかわらず、小椋はここまで既に37ポイントを獲得。チームメイトのフェルナンデスとは僅か3ポイント差、デビューシーズンだった2025年の獲得ポイント(89ポイント)のほぼ半分に早くも到達している。
ブリビオ代表は、小椋が表彰台に立つのは時間の問題だと考えている。
「今年は上位陣にできるだけ近づき、チャンスが訪れたらそれをモノにしなければいけない」
そうブリビオ代表は語る。
「遅かれ早かれ、チャンスは必ず訪れる。その時までに準備を整えておく必要がある」
小椋の活躍は、ブリビオ代表だけが認めているわけでなく、パドック全体の話題とも言える。その活躍により、来季はヤマハのファクトリーチームに加入することになると見られている。
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