2026年の”終戦”を早くも突きつけた? セパンテストでドゥカティがライバルに放った警告
近年のMotoGPをリードするドゥカティだが、2025年はライバルに接近を許した。その流れは2026年も続くかと思われたが、先日のセパンテストではドゥカティがライバルに対する優位性を示してきた。
MotoGPでは現在ドゥカティがライダー、コンストラクターズタイトルを連覇中。とはいえ2025年はライバルの改善も目立っていた。そのため2026年はさらにライバルが近づくことが期待されていたが、セパンテストの様子からは期待とは逆の方向に進んでいることが示唆されている。
セパンテストではドゥカティが本気を見せた。それによりライバルは2027年以降のことを考えざるをえない状況となっている。しかも2025年王者のマルク・マルケスが力を抑えて走っている状況にもかかわらずだ。
ライバルたちに冷水を浴びせることになったのは、アレックス・マルケス(グレシーニ)とフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が行なった“驚異的”なスプリントシミュレーションだ。
ドゥカティ勢6台がテスト3日目の上位タイムを独占し、さらにスプリントシミュレーションでもライバルを圧倒してきたことから、パドックには戦慄が走った。
「ペッコ(バニャイヤ)のシミュレーションを参考にすると、残りのメーカーは拠点に帰って2027年のことに集中し始めたほうがいいかもしれない」
アプリリアのマッシモ・リボラCEOは、冗談めかしながらもそう語った。
2025年の苦戦から立ち直っているように見えるバニャイヤは、次のように話す。
「2025年の問題を僕らが解決できたと断言するのは、タイ(のテスト)まで待つべきだろう。でも、今年のバイクで手が加えられた部分は、ライダー全員にとって助けになっていると思う」
そしてテスト3日目にコースレコードに迫るタイムを記録して最速となったアレックス・マルケスは「ハッピーだよ。昨年よりも少し速くなっていると思う」と話し、マルク・マルケスは「全て計画通りに進んでいる」と語るなど、ドゥカティは総じて順調な雰囲気を示した。
■ベッツェッキがアプリリアの希望を一身に背負う?
Marco Bezzecchi, Aprilia Racing
Photo by: Hazrin Yeob Men Shah / Icon Sportswire via Getty Images
セパンテストを経て、ドゥカティはライバル達に『現実』を突きつけた。しかし残る4メーカーの間での明確な序列はまだ明確ではない。
アプリリアは昨季ランキング3位で、コンストラクターズ2位にブランドを導いたマルコ・ベッツェッキへの依存度をこれまで以上に高めている。先日発表された契約延長もあり、チームとしてある程度のリスクを伴う「一点集中」戦略をとることができる。
怪我からタイで復帰を目指すホルヘ・マルティンは、すでにチームを去る方向に向かっている。公の場での発言がどうであれ、双方の本気度を測るのは難しい。
そしてベッツェッキのスプリントシミュレーションを分析すると、ペース面でアプリリアがKTMを上回っているかは不透明だ。ペドロ・アコスタは明らかに競争力を増していた。
「マシンはあらゆる面で少し改善したが、目標を明確に結論づけるにはまだ早い」と、ベッツェッキは語った。
ベッツェッキは午前中のタイムアタックをまとめ切れなかったが、午後に再挑戦し、アレックス・マルケスから0.1秒差の2番手につけた。
■ホンダは期待値を引き下げ
Joan Mir, Honda HRC
Foto de: Steve Wobser / Getty Images
2025年シーズンにパフォーマンスをかなり改善し、優遇措置制度では最下位のグループDからグループCへの昇格を果たしたホンダ。しかし、セパンテストでのパフォーマンスによって、上昇基調への期待値の再調整を迫られた。
ファクトリーチームのジョアン・ミルがトップから0.8秒差の8番手に並んでいる。データを見ると、レースペースはKTMやアプリリアにはやや劣っているが、2025年比では差を縮めている。ただそれでもグリップ不足といった以前から残る問題が課題として横たわっている状況だ。
「僕たちはどんな状況でもドゥカティのことを狙っているわけではない。そんなのは間違っている。僕らはかなり遅れているんだ。今回は彼らがしっかりと進歩し続けていることを見せつけられ、ちょっとした現実を分からせられるようなコトだったと思う」と、ミルは語っている。
■ラズガットリオグルの困惑はヤマハのメタファーか
Toprak Razgatlioglu, Pramac Racing
Photo by: Gold and Goose Photography / LAT Images / via Getty Images
プラマックの新人、トプラク・ラズガットリオグルの発言は、ヤマハの現状を象徴するものだった。市販車ベースのWSBKとMotoGPの大きな隔たりを理由に彼の起用を疑問視していた声は、正しかったかのように見える。
「Moto2マシンに乗っているように走れと言われるけど、”言うは易く行なうは難し”というモノだと思う。こんなに下の順位なのを見るのは、僕としても正直言って辛い」
最終的にトップから2秒近くの差をつけられてしまった、WSBKからのチャレンジャーであるラズガットリオグルはそう語った。
ラズガットリオグルの苛立ちはヤマハ全体の状況を映し出しているかのようだ。ヤマハは新型V4エンジンにトラブルが発生し、安全上の理由からテスト2日目は走行を中断せざるを得なかった。
「ヤマハから慎重に走るよう指示されている」と語ったのはアレックス・リンスだ。ファビオ・クアルタラロが怪我でテストを初日で切り上げる中、リンスは3日間の日程をこなした。
最終的にリンスはトップから1.1秒差。ジャック・ミラー(プラマック)が行なったレースシミュレーションも期待外れに終わっており、ヤマハにとって懸念を払拭する材料にはなっていないのが現状だ。
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