ロレンソ式トレーニングでビニャーレス、超成長? スパルタ特訓の効果を確信
ホルヘ・ロレンソをコーチに迎えて特訓を重ねているマーベリック・ビニャーレスが、そのトレーニングの厳しさを語った。
テック3・KTMのマーベリック・ビニャーレスは現在、MotoGPで3度王者のホルヘ・ロレンソをコーチに迎えてトレーニングに勤しんでいる。彼はロレンソのトレーニング内容の一部を明かし、自分の限界をより深く理解することに役立っていると語った。
ビニャーレスはこれまでのキャリアで通算10勝、表彰台35回と相当な実力を示してきた。しかし、MotoGPクラスではそのパフォーマンスをコンスタントに発揮するという点で苦しんでいる。
そんなビニャーレスは昨年、怪我からの回復と並行して、2026年シーズンへの準備の一環として、ロレンソとのタッグを結成。この冬の間、ロレンソとの厳しいトレーニングに明け暮れてきた。
繰り返される“8の字”走行はその一部だ。ビニャーレスはロレンソの科す徹底的なトレーニングが、自分自身の限界をより深く理解するうえで役に立ったと話す。というのもロレンソは繰り返し、これまでなら避けていた条件下で走ることをビニャーレスに求めたからだ。
「この冬、ホルヘは、正直言って自分が走りたくない状況でもコースに出るように迫ってきた」とビニャーレスは言う。
「でもこれこそが、この関係の鍵だと思っている。彼には“強さ”がある」
「ある時、路面が完全に濡れて水が溜まっている状況があった。怪我から復帰して初めて雨の中を走る日で、正直家に帰ろうと思っていた。『今日は帰って、明日また来よう』とね」
「だけど実際には走ったよ。ホルヘが走らせたんだ。それで、こうした経験が大きな可能性を解き放つのだと思う。これはとても重要なことだ」
「ホルヘは、MotoGPバイク以外の時間で、僕に必要だった”強度”をもたらしてくれると思う」
ビニャーレスはまた、ロレンソの助言によってトレーニングプログラムを全面的に見直したことも明かした。MotoGPで自分の潜在能力を完全に引き出すためには、それが必要だったと彼は説明する。
これまでは冬のオフ期間の大半を、走行距離を稼ぎフィットネスを維持することに費やしてきたが、この冬は、濡れた滑りやすい路面での走行を含め、特定の課題に集中して取り組み続けてきた。
「僕が期待しているのは、技術面の向上なんだ」
「ライディングスタイルを変えるのは難しい。なぜなら、すでにすべてが無意識で行なわれているからだ。だけど、スロットルの扱い方やブレーキの使い方など、いくつかの“引き出し”を増やすことはできる。何度もチャンピオンとなってきたホルヘのレース経験は、次のステップへ進むための重要な鍵だ」
「明らかに、今年はこれまでとはまったく違うトレーニングをしている。本当にまったく違う。シーズンへの準備の仕方が別物だ。何かを変えたいなら、違うことをしなければならない」
「今年は本当に違うことをした。特に、これまで避けてきた最悪のコンディションで、たくさんバイクに乗った。つまり、厳しい条件下で一歩前進することができた」
「その後、ホルヘは『ただ走る』のではなく、『目的に向かってトレーニングする』という明確な方向性を与えてくれた。以前はロングランをして理解しようとはしていたが、特定の部分に集中して取り組むことはなかった」
「ホルヘと一緒だと、トラックの隅々まで意識して作業することになる。だから、セパンテストや序盤数戦で彼がサーキットについてきてくれるのは良いことだと思う。彼は外部からでも、本当に良い点を見抜くことができるんだ」
ビニャーレスとロレンソの関係は、MotoGPでのこれまでの経緯や両者の個性を考えると異例とも言える。2017年、ヤマハと決別してドゥカティへ移籍したロレンソの後任として、ヤマハに加入したのがビニャーレスだった。
ビニャーレスとロレンソの関係については不安視する声をはじめ、様々な意見があるが、本人たちは上手くやれているという。
「とても楽しい関係だ。自分でも驚いている。最後に交わした言葉も決して良いものではなかったけど、過去に知っていたホルヘとは違っている」
「正直、違う展開を予想していたが、今は楽しめている。彼は人生の別の段階にいて、再びバイクに関わることを楽しんでいる。それに、僕が最大限の努力をしていると感じてくれていると思う。そこが一番のポイントだろう」
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