「心が引き裂かれる思い」イアンノーネ、4年出場停止の判決にコメント
ドーピング疑惑を巡る控訴審で敗訴し、4年間の出場停止処分が下ったアンドレア・イアンノーネ。彼は自身のMotoGPキャリアをズタズタにされ心が引き裂かれる思いだと語った。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
アプリリアのアンドレア・イアンノーネは、昨年のマレーシアGPで禁止薬物となっているステロイド(筋肉増強剤)の陽性反応が出たことで、FIMから出場停止処分を受けていた。彼は先日、この件に関する控訴審に臨んだが、結果的に上訴は棄却され、4年間の出場停止処分を受けてしまった。
当初FIMは18ヵ月間の出場停止処分を科していたが、イアンノーネ側はホテルで汚染された食品を摂取したことが原因だとして無罪を主張しCAS(スポーツ仲介裁判所)へ控訴。だが同時にWADA(世界アンチ・ドーピング機関)が処分を4年へ延長する訴えを行なっていた。
CASの陪審員は、イアンノーネ側が汚染された肉の摂取を裏付ける証拠を提示できていないことから、その立証はできなかったと認定。WADAの求める4年間の出場停止処分という判決が下った。
この判決によって実質的にイアンノーネのMotoGPキャリアは終了と言える状態となってしまった。
彼は判決を受けて自身のSNSへコメントを投稿。CASの判決は不当なものだと憤りを隠さず、心が引き裂かれる思いだと記した。
「今日、僕は想像しうる最も不当な扱いを受けた」
「彼らは僕の心を引き裂いた。不正確な事実をともなったこれらの申立にはなんの論理的な意味も無い」
「これに関しては、しかるべき時がやってくるだろう。僕は諦めていないからね」
「僕が強大な力に直面していることは分かっていた。だけど知性ある公正さによって正義が勝つことを望んでいた」
「今、僕は想像しうる最も高いレベルの苦しみの中にある。でも僕の人生を壊そうとしている人は、すぐに僕の心がどれほど強いかを知ることになるだろう」
「純潔であること、そして何より誠実であることは力をもたらす。判決は出来事を捻じ曲げることはできるかもしれない。だけど、人は変えられない」
またアプリリアもこの問題についてコメントを発表し、判決は受け入れるが同意できないものだと主張。この問題を通してイアンノーネへ寄り添ってきたことの後悔はないとした。
「判決は受け入れなければならない。たとえその判決のあらゆる部分が、純粋に科学的な視点から見ても困惑するようなものであったとしてもだ」
アプリリア・レーシングCEOのマッシモ・リボラはそう語った。
「我々はアンドレアに寄り添ってきたことに後悔はないし、今後も彼に寄り添い続ける」
「この問題は非常に長い時間がかかり、アプリリア・レーシングと今後のシーズンへ多大なダメージを与えてきた」
「しかし我々は未来を見据えなければならない。そしてアンドレアと始めたプロジェクトを内包し、成長を続けられるようにする高いレベルの解決策を早急に見出すことが、我々の義務なことは明らかだ」
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