ヤマハ移籍決定のマルティン、ポイントリーダー浮上も今は雌伏の時?「シーズン終盤に向けて体調を整え、バイクとの一体感を掴もうとしている」
オランダGPで3位となり、MotoGPのポイントリーダーとなったホルヘ・マルティンだが、コンディション的にもバイクのフィーリング的にもまだ最高の状態ではないと感じている。
Jorge Martin, Aprilia Racing Team
写真:: Gold and Goose Photography / Getty Images
アプリリアのホルヘ・マルティンは、MotoGPオランダGP終了時点でMotoGPランキングの首位に立っていることは、彼にとってほとんど重要ではないと述べた。
マルティンはオランダGPでトラックハウス勢に次ぐ3位フィニッシュ。それまでポイントリーダーだったチームメイトのマルコ・ベッツェッキが2周目にクラッシュしてリタイアしたことで、マルティンがポイントリーダーに躍り出た。
ベッツェッキは開幕戦からチャンピオンシップをリードし、3月のアメリカズGPスプリントで一時的に首位の座を譲った以外、ポイントリーダーを維持してきただけに、これはタイトル争いにおける大きな変化を示すと見られている。
しかし2024年のチャンピオンであるマルティンは、2つの重要な理由から、まだ自分の潜在能力を最大限に発揮できていないため、チャンピオンシップの順位でトップになったことにあまり満足していないと述べた。
「1位、2位、3位なんて、正直どうでもいいんだ。この選手権の段階では、順位はそれほど重要ではない」
「5位より1位の方がいいのは間違いない。でも、体調が万全じゃないんだ。今週末は腰痛にかなり苦しんだ。バイクの調子も100%じゃない。だから、とにかく集中して、体調を整え、バイクとの一体感を掴もうとしているんだ」
「限界がどこにあるのかは分からない。だから、シーズン終盤のレースに向けて万全の準備を整え、最大限の力を引き出すべく、戦い続けていく」
Jorge Martin, Aprilia Racing Team
Photo by: Vincent Jannink / ANP / AFP via Getty Images
マルティンは今年序盤、「5月の好調期を経て、ようやくRS-GPと一体になれた感覚がある」と語っていたが、その後はその発言からややトーンダウンし、依然としてベースとなるセッティングを探している段階だと認めている。
さらに、シーズン中には度重なるクラッシュに見舞われ、特に散々な週末となったバルセロナでは転倒も重なり、フィジカル面にも影響を受けた。本人はそうした懸念をあまり深刻にとらえていないが、その影響は無視できない。
それでも、開幕から10戦で優勝1回を含む5度の表彰台を獲得し、2026年シーズンでは最も安定してポイントを積み重ねているライダーの一人となっている。
「夏休みに入る前に(トップに近い位置に)到達することが重要だった」と彼は語った。
「というのも、シーズン後半はいつも自分にとって本当に良いものになると分かっているからね。今もアプリリアと一緒に、バイクを理解しようとしている過程にいると感じている。ランキング首位に立てたのは良かったけど、まだ道のりは長い。僕たちは一戦一戦戦っていかなければならない。もし最後にチャンスがあれば、その時はタイトルを懸けて戦うつもりだ」
「それに、僕はあまりジンクスやデータは信じないけれど、それでも今回は自分にとって良い方向に働いてくれたらいいなと思っている」
シーズン前にはアプリリア勢2人がチャンピオンシップを支配すると予想されていたが、次戦ドイツGPを前にタイトル争いは依然として大混戦となっている。
ランキングではマルティンがベッツェッキにわずか7ポイント差でリードしており、ドゥカティ勢最上位のファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)もさらに9ポイント差につけている。さらに、ランキングトップ8までの差はわずか63ポイントしかない。
特に警戒しているライバルがいるかと問われると、マルティンは次のように答えた。
「ライバルはたくさんいるよ。ここはMotoGPだからね。タイトルを争えるライダーは6人か7人いる」
「だから、自分自身に集中して、毎戦少しでも良くなれるよう努力していきたい。そうできれば、シーズン最後にはタイトルを争うチャンスがあるはずだ」
「相手がアイ(小椋藍/トラックハウス)でも、マルク(マルケス/ドゥカティ)でも、ベッツェッキでも、誰であっても、最後まで戦い抜くつもりだ」
そんなマルティンは7月1日、かねてより噂されていたヤマハ移籍が正式発表された。チームメイトは彼がライバルのひとりになりうると見ている小椋だ。
マルティンとしては、2024年にチャンピオンに輝いた後、プラマックを離れて加入したアプリリアをわずか2年で去ることになる。怪我などもあり特にアプリリア1年目となった2025年は思うように戦えなかったことも確かだが、アプリリアへの置き土産という面でも、ヤマハへの手土産という意味でも、今季のタイトルは是が非でも獲得したいところだろう。
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