KTM&テック3、ビニャーレスの不満に反応。来季ラインアップ決定には時間かける方針「彼の貢献を忘れてはいない」
現状への不満をぶちまけたマーベリック・ビニャーレスにKTMとテック3は同情的ではあるのの、意思決定においては合理的であることが重要だと主張した。
KTMとテック3は、マーベリック・ビニャーレスが自らの去就が宙ぶらりんの状態に置かれていることに不満を表明したことを受け、サテライトチームの2027年のラインアップを最終決定するのに時間がかかっている理由を説明した。
ビニャーレスはチェコGPを前にした木曜日、KTMとの契約の状況に不満を抱いていると述べた。KTMとビニャーレスとの契約には、彼が今月末まで他のチームと契約することを禁じる条項が含まれているにも関わらず、KTMはまだビニャーレスの去就を決定していないようだ。
MotoGP運営側とチームの商業権協定の締結が遅れていたことから、各チームはまだ来季のライダーラインアップを発表していないところが多いが、すでに水面下ではほとんどのメーカーが契約を済ませていると見られるため、KTMがビニャーレスとの契約を更新しないと決定した場合、彼はMotoGPシートを失う危機に瀕しているのだ。
ビニャーレスの発言に対し、KTMモータースポーツ責任者のピット・ベイラーは、ビニャーレスに同情すると述べたものの、メーカーとしては彼が完全に体調を回復した際にどのようなパフォーマンスを発揮するかを評価することが重要だと強調した。
ビニャーレスは、約3ヵ月前に左肩の追加手術を受けたにもかかわらず、昨年7月のドイツGPで負ったクラッシュによる身体的な制約に依然として苦しんでいる。
Pit Beirer, KTM Motorsports Director, Gottfried Neumeister, KTM CEO, Guenther Steiner, Red Bull KTM Tech3 CEO
Photo by: Gold and Goose Photography / Getty Images
「彼の苛立ちは理解できる」と、ベイラーは金曜日のチェコGPのMotoGP公式中継で語った。
「しかし彼にも、我々が最高のパッケージを作り上げなければならないことを理解してもらう必要がある」
「彼が本来の状態に戻るために、我々は十分な時間を与えてきた。そして、彼が元の調子を取り戻すこと以上に我々が望んでいることはない。例えば今日、彼はここまでは素晴らしい走りをしている。このまま続けられれば、テック3ガレージのライダーの一人になるかもしれない」
「しかし同時に、テック3ガレージにはチーム代表のギュンター(シュタイナー)による非常に力強いリーダーシップがある。それは我々にとって素晴らしいことであり、将来的に非常に強いチームになると感じている」
「我々は話し合ったうえで、少し待つことに合意した。このパドックではすでに多くの契約がまとまっているからだ。我々には決断を少し遅らせる機会があり、それによって関係する全員に自分たちの強みを示すチャンスが与えられる」
ビニャーレスは当初、2027年にライバルであるドゥカティへ移籍することで合意したペドロ・アコスタに代わり、KTMファクトリーチームへ昇格すると伝えられていたという。
しかしビニャーレスが負傷に苦しむ中、KTMは最終的にVR46のファビオ・ディ・ジャンアントニオと契約し、グレシーニから加入予定のアレックス・マルケスのチームメイトに据えることを決定。その結果、ビニャーレスはファクトリーチームのシートではなく、テック3でのシート維持を懸けて争う立場となった。
ビニャーレスと現ファクトリーライダーのブラッド・ビンダーはいずれもテック3のライダー候補となっており、一方でルーキー向けに確保されているもうひとつのシートについては、複数のMoto2ライダーの名前が取り沙汰されている。
ベイラーは、2025年初頭にKTMが苦戦していた時期にビニャーレスが果たした役割を強調し、現在でも彼が空席となっているテック3のシート候補の上位にいることを明らかにした。
「マーベリックの気持ちは理解できるし、この状況に私自身も居心地の悪さを感じている。彼は本当に素晴らしい人物であり、昨年初めに他の人たちがこのプロジェクトを信じていなかった頃、我々のために非常に多くのことをしてくれた」
「4人のライダーの中で、本当にプロジェクトを前進させたのは彼だけだった。彼が素晴らしい結果を持ち帰ってくれたからこそ、我々はペドロを呼び戻すことができた。その功績は決して忘れていない」
「しかし将来を見据えれば、我々はテック3ガレージにとって最善の選択をしなければならない。そのためギュンターからは辛抱強く待つよう求められており、我々もそうしている。だからといって、マーベリックが我々のお気に入りの候補の一人ではないという意味ではない。もう少しだけ時間が欲しい」
シュタイナーの見解
テック3の新CEOであるギュンター・シュタイナーもベイラーの発言に同調し、ビニャーレスが以前の調子を取り戻すための時間を与える必要があると強調した。
「彼の状況を見るうえで、我々は彼が本来のマーベリックに戻っていることを確認しなければならない。そして、それが肩の問題なのか、あるいは別の要因なのかも見極める必要がある」
そうシュタイナーはブルノで語った。
「最近の結果に彼自身が満足しているとは思わない。彼が一番不満に思っているはずだ。今は昔の良いパフォーマンスを取り戻しつつある段階なので、我々は時間をかけている」
「実際のところ、これは私が決定することではない。現時点で彼の契約はKTMとのものだ。だから私は直接関与していない。もちろん、この件については常に話し合っているが、最終的にはマーベリックの問題だ。我々は彼が回復するための時間を与えている」
現在KTMはサテライトチームのテック3も含めて4人のライダーいずれも、ファクトリーと直接契約を結んでいる。テック3の来季ラインアップに関する決定権がチーム側にあるのか、それともKTM側にあるのかと問われたシュタイナーは、「両方の組み合わせだ」と答えた。
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