エスパルガロ弟の離脱、KTMに悪影響? 経験浅い布陣では“課題”になると技術部門
MotoGPに参戦するKTMは来シーズン、初期からチームを支えてきたポル・エスパルガロがチームを離れ、経験の浅いラインアップで開発を進めていくことは課題になるだろうと認めた。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
2017年からMotoGPに参戦するKTMだが、チーム立ち上げ当初から開発に関わってきたポル・エスパルガロが今季限りでチームを離脱することになった。彼はレプソル・ホンダへと移籍することとなっている。
その結果、来季のKTMはファクトリーチームにミゲル・オリベイラとブラッド・ビンダー、サテライトのテック3にイケル・レクオナと新加入のダニーロ・ペトルッチという布陣になる予定だ。
2020年シーズン終盤の現時点で来季の開催カレンダーがどうなるのか、まだ正確には判明していないが、仮に例年通りのスケジュールとなれば、来季がMotoGP2年目となるビンダーとレクオナは多くを学習していかなければならないだろう。また経験は豊富なものの、KTM移籍初年度となるペトルッチも同様のはずだ。
そのためKTMは、この経験が豊富とは言えないラインアップでRC16を開発していかなくてはならず、懸念事項となり得る。さらに悪いことに来季のKTMは、これまで得ていた優遇措置(コンセッション)が無くなることも決定済みとなっている。
ただこうした点についてKTMのテクニカルコーディネーターであるセバスチャン・リッセに訊くと、彼は課題にはなっても大きな問題になるとは考えてはいないと答えた。
「もちろん、それは課題になる」と、リッセはテルエルGPの際に語った。
「それは明らかだ。しかし我々にはこのバイクには乗っていないものの、経験豊富なダニーロもいる。そして、この状況は我々が対処すべきことでもある」
「我々のライダーたちは全員、素晴らしい形で成長していると思う。今季は行かない開催地もあるため、いくつかのトラックでの経験がないことも確かだ。しかし我々にそれを変えることはできないし、ベストを尽くしていくつもりだ」
「セッティングの開発としては、普段のレースウィークエンドで本当に上手くやっていると思うし、多くの経験を積んできていると思う」
「彼らはバイクに乗るのが初めてでもないし、他のモノに乗っていたとしても、我々は状況に対処していく」
「確かに今と全く同じやり方での対処は望めないだろう。なぜなら今は他のライダーよりも経験豊富なライダーがひとり居るからだ」
「しかし我々には多くの良いライダーがいる。最終的には適切な形で仕事を割り振って、来年も上手く進めることができると思っている」
チェコGP、スティリアGPでビンダーとオリベイラが勝利を収めたことで、KTMは前述の通り、2021年シーズンは優遇措置の適用チームから外れることが決まっている。特例により来季のエンジン開発は許可されたものの、テストの自由やエンジン使用基数の増加といった“ハンデ”はなくなり、ホンダやドゥカティといった他メーカーと同一の条件で争うことになる。
これは開発アプローチの変更が必要となることを意味しているが、リッセは今年冬にはさらに開発を加速させなければならないと語った。
「コンセッションを失ったことで、我々は今興味深いポイントに立っているのは確かだ」
「来シーズン、我々は追加の課題に直面することになる。そしてこれは、冬の間にさらなるプッシュを行なう必要があることも意味している」
「技術的なルールが変更されるというだけではない。テストチームやファクトリー、そしてレースチームと協力し、サーキットへ最高のバイクを届けるためのアプローチも重要だ」
「以前はレースライダーと多くのテストを行なうことができた。しかし将来的にはそうではなくなる」
「だからレース前にテストをしたければ、それはつまりこの冬に行なうことになる。それが我々が重視している点だ」
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