KTM、次なる開発は“テールウイング”……オーストリアGPで導入新パーツ、狙い・効果は?
KTMはMotoGPオーストリアGPで新たにテールカウルに空力効果を狙った装備を新導入しており、今後の発展が期待される。
Danilo Petrucci, KTM Tech3
Gold and Goose / Motorsport Images
8月中旬に行なわれたMotoGP第11戦オーストリアGP。決勝レースはKTMのブラッド・ビンダーがウエット路面をスリックタイヤで走りきって優勝する劇的な展開となった。その一方でKTMは、マシン開発における新ソリューションをテストしていた。
KTMはオーストリアGPで、ファクトリーチームとサテライトチームとでマシンの仕様を分けていた。ファクトリーチームは従来型カウルだったが、サテライトチームのテック3はマシンのテールカウルに“ウイング”が装備された新型が導入されていたのだ。
Danilo Petrucci, KTM Tech3, con l'ala posteriore sperimentata al Red Bull Ring
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
このテールウイングはブレーキング時のダウンフォースを増大させて後輪が路面から離れてしまう可能性を減少させ、マシンの安定性を上げようとしているはずだ。
レースの舞台となったレッドブルリンクは直線的なレイアウトで平均速度が速く、比較的標高が高い山間部に位置するため空気が薄く、エアロダイナミクスの効率が重要となってくる。
ただマシンを注意深く観察すると、このテールウイングがなぜレッドブルリンクで導入されたかを垣間見る、もうひとつの側面も見て取れる。
Iker Lecuona, KTM Tech3, con l'ala posteriore
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
注目したいのはテール下に取り回されたエキゾーストエンドの真上に存在する、アーチ型のスリットだ。
空気の流れはテールカウル上面から下面に向かってスリットを通り抜ける形となるが、高速走行中には、スリット下部に存在するエキゾーストから排出される高温の排気によって、ライダーの背面の空気の流れを吸い込む効果があると見られる。
これにより空気抵抗に影響する前面投影面積を変えずに、排気ガスによって後方への気流を整えつつも、ライダー背面の気流を引き抜くことで空気抵抗を減らし、トップスピードの向上につなげているのだ。
今後KTMがこのソリューションをどう発展させ、そして他メーカーが追随するのかと言った点にも注目して行こう。
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