KTM、エンジン開発特別許可も“大改修”は無し。耐久性向上の微修正を主眼に

KTMは2021年シーズンに優遇措置を失うが、エンジンの改修が許されている。しかしKTMのモータースポーツディレクターを務めるピット・ベイラーによると、彼らは根本的な変更を行なわずに2021年シーズンに挑むつもりのようだ。

KTM、エンジン開発特別許可も“大改修”は無し。耐久性向上の微修正を主眼に

 MotoGPの2021年シーズン、参戦5年目となるKTMはコンセッション(優遇措置)を失う。これでホンダやヤマハ、ドゥカティそしてスズキといった他メーカーと同じ土俵で戦うことになる。そしてKTMは特別に許可が出ているエンジン開発においても、根本的な変更は行なわないつもりのようだ。

 KTMは昨年、ブラッド・ビンダー(KTM)の手で第4戦チェコGPでMotoGPクラスでの初優勝を果たすと、ミゲル・オリベイラ(当時テック3・KTM/現KTM)も2勝をマーク。これにより彼らはコンセッションが適用される条件を脱し、2021年からはライバル達と同じ条件で戦うことになった。

 昨シーズン、MotoGPは新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑みレギュレーションを一部変更。ホモロゲーションパーツの開発凍結を決定し、更にコンセッション非適用のメーカーは2021年シーズンも同じエンジンを使用し、空力面のアップデートが許されるのも開幕戦後の1度のみとされた。

 そのためコンセッションを失ったKTMも、他メーカーと同じようにエンジン開発などで制限を受けるかと思われた。ただ、KTMはエンジンの耐久性に懸念を訴え、メーカー間の議論の場で年間の使用可能基数を追加することが提案されていた。

 MSMAでは意見の一致をみなかったようだが、グランプリコミッションの活動もあり、KTMは最終的には2021年シーズンに向けエンジンを開発する許可を得た。ただ他メーカーからは既にコンセッションを失っているKTMが、コンセプトを一新した“スーパーエンジン”を2021年に用意できるとして不興を買うことになった。

 だがKTMのモータースポーツディレクターを務めるピット・ベイラーは、開発が許可されていても、2021年シーズンに向けて根本的に新しいエンジンを持ち込むわけではないと語っている。

「(2021年型は)同じコンセプトであり、根本的に新しいエンジンを積んでいるわけではない」

 ベイラーはmotorsport.comに新エンジンのコンセプトについて訊かれるとそう語った。

「いくつかのパーツには手を入れた。だがしかし我々は完全に新しいモデルを持ち込むわけではない」

「規則を利用すれば、確かに我々は完全に新しいモノを構築することは可能だった」

「だがまず第一に、そうするためにはマンパワーが必要なんだ。そして我々は”同僚たち”に対して、有用なフォーマットを引き続き使っていくつもりであり、多くのものを破壊しないことを約束した。それが我々のしたことだ」

「我々は完全に新しいエンジンを作り、そしてそれを使うことでアドバンテージを得ようという計画などは持っていなかった」

 ベイラーは、当該のレギュレーション改定が決まった際の、MotoGPの“将来”のための変更だという理念を尊重していると語り、エンジンに手を加えた部分は耐久性に関するものだと示唆した。

「あの最悪の瞬間、我々はマネジメントを預かる者として新型コロナウイルスに対するプロトコル策定に取り組んだ。全メーカーと電話で連絡を取り、我々みんなでMotoGPを守り、将来のために自分たちのツールを維持していく必要があると判断したんだ。資金を狂ったように費やすのではなくね」

「資金をより投入するというのは、2021年に向け完全に新しいモノを構築し、2020年に良かったモノを使い切らないということを意味している」

「2020年は全14レースとなり、考えていたより多くのリソースを使用した。しかし当初予定されていた20戦に満たない、(減少した)6戦分のリソースは新シーズンへ引き継がれていて、我々もそれを使っていきたいと思っている」

「(2021年に向け)いくつかの部分で開発を行なった。なぜなら我々が当初設計した2020年用
エンジンは、コンセッション非適用チームと同じようなマイレージを走ることは計画されていなかったからだ」

「そのため我々はいくつかの改修をしなければならなかった。だがそれは大きな改修ではないよ」

 

 

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この記事について

シリーズ MotoGP
チーム KTM
執筆者 Lewis Duncan