”撤退か継続”かの瀬戸際からホンダ大変化? 「今のMotoGPマシン開発のアプローチは遥かに効率的」とLCR代表
LCRホンダのルーチョ・チェッキネロ代表は、復活を目指しているホンダのリソース投入を歓迎し、さらに今年の新しい作業方法は「はるかに効率的だ」と語った。
ホンダはここ数年のMotoGPにおける苦戦から2024年に向け復活を目指しており、現在は様々な変化が現れてきている。サテライトチームのLCRホンダを率いるルーチョ・チェッキネロ代表は、今のホンダによる取り組みを高く評価している。
LCRは2006年にMotoGPクラスに参戦して以来、常にホンダのサテライトチームとしてレースを戦ってきた。これまでに4勝を挙げ、直近では昨年にアレックス・リンスがアメリカズGPで勝利している。
しかしホンダ自体は2019年のチャンピオン獲得以来、トップ争いにはほとんど絡めておらず、苦しい状況にある。ただホンダは復活を目指して再びリソースを投入してきており、プレシーズンテスト終了時点ではライバルとのギャップはまだ確実にあるものの、ライダーからはその改善具合を評価する声が聞こえて来ている。
最近motorsport.comのインタビューに応じたチェッキネロ代表は、ホンダが昨年MotoGPからの撤退か継続かの重大な判断を迫られていた段階から、再び勝つために進み始めたと語った。
「昨年はバイクの競争力が欠如していたことから、ホンダはMotoGPにさらに投資するか、それとも撤退するかの決断を迫られる場所に来ていた」
「そしてホンダは残ることを選んだ。なぜならモーターサイクルは彼らのDNAだからだ。たとえ今、宇宙へ向かうロケット開発をしていたとしてもね」
「今年はより多くのホンダ関係者が関わっていることが分かる」
「ホンダの社長はMotoGPプロジェクトの競争力を取り戻す必要があると、明確に示唆している。そしてそのすべては、財政的に使えるリソースを提供する意思を高めることから始まっている」
Johann Zarco, Team LCR Honda
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
なおホンダはこの1年半で上層部の人員がかなり入れ替わった。2022年限りでテクニカルマネージャーが横山健男から、元スズキの河内健へと交代。また2023年10月にはHRC開発室室長の国分信一が移動となり、後任に佐藤辰が就任。そして2024年4月付けで、長年HRC二輪部門のレース運営室室長を務めてきた桒田哲宏も移動することになった。
こうした上層部の変化との影響の関係を読み取る事は難しいが、少なくとも彼らのMotoGPへのアプローチに変化があることも確かだ。
チェッキネロ代表は、これまでと異なりホンダがサテライトチームのライダーをよりマシン開発に組み込むように変化し、より効率的になったと評価している。
「今年、ホンダはバイクの開発アプローチを変化させている。これまではテストチームで最初の分析が行なわれて、それを通過したものがファクトリーチームへと手渡され上手くいくかどうか評価していた」
「そして、使えるとなったときだけ、それらが我々にも届いた」
「今はテストチームが分析を行ない、パーツは4人のスターターライダーに同時に分配される。HRCは4人のライダーから同時にデータや結果を受け取るんだ。これは遥かに効率的なシステムだよ」
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