チームLCR、2023年以降もホンダとの関係継続希望。低リスクのチーム運営も2台目はホンダ&出光次第?
ルーチョ・チェッキネロ率いるチームLCRは、2023年シーズン以降もホンダとのパートナーシップ継続を望んでおり、近日中に話し合いを始めたいと考えている。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦するインディペンデントチームの一角であるチームLCR。ルーチョ・チェッキネロが率いる同チームは現在、MotoGPクラスと併催されている電動バイクレースのMotoEにも参加している。
MotoGPクラスは、2021年が各メーカーのMotoGP参戦契約更新のタイミングであり、インディペンデントチームにとってもそれは同じだ。
ホンダ、ヤマハ、スズキ、ドゥカティ、KTM、アプリリアの6メーカーは既に参戦契約を延長。既に焦点はパートナーとなるサテライトチームがどうなるか、といった点に移っている。
チームLCRは2006年にMotoGPクラスへの参戦を開始して以来、常にホンダのバイクを使用してきた。彼らは2023年以降もこのパートナーシップ継続を望んでおり、近く話し合いを開始させたいと考えている。
チーム代表のチェッキネロは、大小様々なスポンサーを集め、あるスポンサーが撤退したとしてもダメージを抑えて参戦を継続する事ができるようにチームとして行動していると説明する。
「LCRは他の多くのチームと比較して会社のリスクを低くする能力を備えていると感じている」
「というのも我々は常に高すぎない平均投資額と、多数のクライアントという商業スタイルを確立してきているからだ。イメージの面では確かに“小綺麗”ではないだろう。利用できるスペースで多くのブランドを示す必要があるからね」
Bike of Alex Marquez, Team LCR Honda
Photo by: Team LCR
「かなり複雑な仕事なんだ。35ものクライアントをフォローしなくてはならない。私はクライアントとの関係を維持するためにも年に3〜4回は会っていて、年間だと150回はアポイントが発生する。テストやグランプリを考慮しながらね。膨大な量の仕事だ」
「だがその一方で多くのクライアントを抱えることは、よりチームを安全な状況にしてくれるとも言える。最大のクライアントが予算の10%だったとして、そのクライアントを失った際のダメージはそれだけで、予算の60〜70%というわけではないんだ」
チェッキネロ代表はMotoGPクラス参戦当初からあるひとつのスポンサーに頼りすぎないようにしたいと考えていたと語っている。
「(ポンス・レーシングの)シト・ポンスは一夜にして最大の予算(キャメル)を失ってしまった。私はそうしたリスクは負いたくないと考えているため、常に低リスクな方針を採ろうとしてきた」
チームLCRはMotoGPクラスでは1台体制の時代が長かった。しかし2018年から中上貴晶を起用して2台体制を構築、今もそれを維持している。ただこれはホンダと出光興産のアジア地域における商業戦略も絡んだ状況となっている。
そのためチェッキネロ代表もこの“枠”が永続的なものとは考えておらず、1台のみでの参戦に戻る状況もありうると語っている。
「今でも、LCRは1台と1名のライダーで参戦する可能性があると言える。2台体制のためにLCRはホンダのサポートを必要としているんだ」
「ホンダ、そして彼らのスポンサーであるイデミツによる、“ふさわしいアジア系ライダーにMotoGPでのチャンスを与える”という素晴らしいプロジェクトには感謝しなくてはならない」
「ナカガミはアジア・タレントカップ、Moto3そしてMoto2チームからMotoGPへと至る、大きな“道”のプロジェクトの最先端にいる。現時点ではナカガミが主役となっているが、彼がさらなる機会を得た時には、アジア系ライダーが続いてくれることを願っているし、我々も他のアジア系ライダーへそのポジションを提供する準備はできている」
「そう言ったことが起こらず、ホンダがこのプロジェクトから撤退した場合、我々は2人のライダーを走らせるのは厳しくなるだろう。ただそのうちに他のスポンサーが現れないとも限らないが」
チームLCR自体は既に2022年以降の5年間のMotoGPクラスへの参戦で運営側と合意に至っている。ただチームLCRとホンダの契約は2022年までとなっており、それ以降はまだ未定だ。
そしてチェッキネロ代表は近々、2023年以降に関してホンダと話し合いを開始したいと考えていると明かした。
「2022年も含め、我々はアレックス・マルケス及び、イデミツとのプロジェクトに関して、計画に合意している」
「まだホンダと(2023年以降について)話し合いはしていない。我々の合意は2022年までのものとなっている。近日中にこのトピックスに関連した、今後の長期的なコラボレーションに関して取り組んでいく予定だ」
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