「MotoGPにとって良くない」「酷い話」「スタッフが心配」突然のスズキ撤退にライダーも困惑
スズキの2022年限りでのMotoGP撤退検討が明らかとなったが、MotoGPクラスのライダー達からは疑問の声や、スタッフたちを心配する声が挙がっている。
写真:: Suzuki
5月12日、スズキは2022年限りでMotoGPを撤退する意向について、運営のドルナ・スポーツと協議を行なっていると発表。5月初旬に報じられていたMotoGP撤退説が、公式に認められた形だ。
2020年にはジョアン・ミルが王者となり、2026年までのMotoGP参戦契約を結んでいたスズキが撤退に向けて協議をしているという事実は、大きな波紋を広げている。
MotoGPクラスデビュー時からスズキ一筋のアレックス・リンスは、この知らせを最初に聞いたときは「泣いてしまった」と語り、ミルは決定に対して怒りをあらわにした。
そしてスズキの急な動きに関しては、コース上で激しく争ってきたライバルメーカーのライダーからも、疑問が示されている。ヤマハのフランコ・モルビデリはスズキの撤退は「このスポーツにとって良くないこと」だと語った。
「個人的には、このニュースはMotoGPというスポーツにとって良くないものだと思う。こうしたことが起きるのはポジティブではないよ」
「何より、ある日からどれほど多くのプロフェッショナルなスタッフ達が仕事を失ってしまうかを考えると、とてもまずいと思う」
「スズキはとても良い、強いチームだ。契約を結んでいたにもかかわらず、継続しないというのは理解しがたい。とても悪い状況だし、酷い話だ」
また2015年からスズキに所属し、2016年にはMotoGP復帰後に初勝利をもたらしたマーベリック・ビニャーレス(現在アプリリア)も、こうしたモルビデリの見解に同調している。
Alex Rins, Team Suzuki MotoGP, Joan Mir, Team Suzuki MotoGP
Photo by: MotoGP
「あそこで働いている人たちのことは殆ど知っているし、正直悲しいニュースだ」と、ビニャーレスは言う。
「彼らは素晴らしい人たちで、正直に言って家族のようなんだ」
「そして、素晴らしいチームであることも証明されている。だからこうした出来事が急に起きてしまって、悲しいよ」
「何故なのかは僕には分からないし、理由はこれからも分からないと思う」
「でもスズキで働いている皆が残念だと思う。この世界で長く働いてきた人たちだからね」
「だから彼らが新しい働き口なりを見つけられることを願っている。皆いい人たちなんだ」
またドゥカティのジャック・ミラーはスズキが”過去最高のマシン”を手にしていたにもかかわらず撤退を選ぶというのは「奇妙だ」と語っており、さらにビニャーレスと同じ様にスタッフたちの将来に懸念を示した。
「なによりもまずショックだ」と、ミラーはコメントした。
「2年前に世界チャンピオンとなって、今年は過去最高のバイクを手にしていたようなのに撤退というのは、不思議というか、残念なことだ。僕とスズキは、同じ2015年にチャンピオンシップに入ってきたこともあるし、離脱は残念だ」
「ライダーとしては最悪だし、気分が悪い」
「でも彼らは本当に良いライダーだから、シートを見つけられるだろう。一方で40~50人のスタッフが家族を養うためにも仕事を探さなければならないんだ」
「それも残念なことだ。チャンピオンシップ、そして僕らはメーカーに依存してるんだ」
「そして、ホンダ、ヤマハ、スズキのビッグ3がチャンピオンシップに参戦しているのは、夢みたいなことでもあった」
「バラエティに富んだ様々なバイクが入り混じっているのを目にするのは好きだったから、それが減るのは残念だ。酷い話だよ」
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments