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インタビュー

ドゥカティ復帰は実現寸前だった……ホルヘ・ロレンソ、独占インタビューに語る

MotoGPを2019年限りで引退したホルヘ・ロレンソ。現在はヤマハでテストライダーを務める彼が、motorsport.comのインタビューに応じ、ドゥカティ復帰説や現在のMotoGP、ドヴィツィオーゾのドゥカティ離脱などについて語ってくれた。

Jorge Lorenzo, Ducati Team

Jorge Lorenzo, Ducati Team

Gold and Goose / Motorsport Images

 ロードレース世界選手権を17シーズンに渡って戦い、5度のタイトル獲得を記録したホルヘ・ロレンソ。2019年をもって現役を引退し、現在はヤマハのテストライダーを務める彼が、motorsport.comの独占インタビューに応え、2021年のドゥカティ復帰の可能性の現実味や、現在のMotoGPについて語ってくれた。 

Q 今のあなたの典型的な1日はどんなモノなのですか? レース後の人生をエンジョイしているようですが。

ロレンソ:とても幸せだよ。自分の興味のあることをする時間はたっぷりある。家にいるときは、身体を保つためのルーチンをキープしている。朝にトレーニングをして、それから午後は勉強したり、将来の計画を建てたり、単純に楽しむためだったりの自由時間だ。

Q 一部のスポーツ選手は引退後にギャップを感じ、それを埋めるのに苦労している人たちもいます。そうした感覚はありましたか?

 それを否定するつもりはない。ときにはレースが少し恋しい時もある。優勝の感覚や素晴らしい結果を出した後のチームとのお祝いというものは無二のもので、他のことで置き換えるのは不可能だ。それらは僕にとって最も恋しいものだ。

 その以外の、怪我やレース前の日曜朝の緊張なんかは、全く恋しくないものだ。僕らはみんな、人生で全てを手に入れられはしないということを、受け入れなくちゃいけない。そして僕はポジティブな側面をネガティブな側面が上回る局面に到達したんだ。だからこそ、僕は今までやってきたことの全てを楽しむときが来たんだと思った。

Q いくつものニュースでドゥカティへの復帰説が囁かれてきましたよね? どの程度真剣に考えていましたか?

 それはかなり可能性があって、ほとんど現実になりそうだった。

Q ドゥカティはあなたから申し出があったと言っていますが……

 そんなことはない。ロックダウン中、僕はジジ・ダッリーニャ(ドゥカティゼネラルマネージャー)から誕生日祝いの電話を貰ったんだ。僕らは個人的なことを話して、話の最後に好奇心からチームやライダーの将来について聞いた。

 その少し後に、ミケーレ・ピッロ(ドゥカティテストライダー)から、メッセージがあった。半分冗談、半分真剣にドゥカティに戻りたいのかを尋ねるメッセージだ。ジジからの電話とミケーレからのメッセージの間、僕はドゥカティから一定の関心があると考えて、再びレースをすることを考慮し始めた。何ヵ月かロックダウンで閉じ込められていたからか、それとも優勝の感覚が恋しかったからなのか……この電話がそれを考えるきっかけになった。

 僕らは話し合いを始めたんだけど、署名に近づくと、僕が引退を強いられた要因が重くのしかかってきた。何日も熟考した後、僕は残念だけどジジに「ノー」と言わなくてはならなかった。僕はこの交渉で彼を気まずい立場に追い込んでしまったし、それは避けられたかもしれないと思うと、本当に申し訳ないし、後悔しているよ。

 最初から確信を持っていたなら、交渉に入ることもなかっただろう。事実として、僕は自分への信頼に常に感謝しているけど、その時は純粋に自分自身について考える必要があった。そして、モーターサイクルレーサーであることはもうないという結論に達したんだ。

Q つまり、もうカムバックはないと考えている?

 こうしたことが起こるチャンスは年を経るごとに減っていく。正直、こうした難しい決断を下したことで、僕は自分のレースキャリアは終わったと言うことができると思う。けれど、何らかの形でこのスポーツに関わっていたい。

Q ファビオ・クアルタラロやバレンティーノ・ロッシが、何故ヤマハがあなたをよりテストライダーとして活用しないのか理解できないと語っていました。何か理由があるのですか?

 僕がヤマハに訊いたところによると、新型コロナウイルスが日本からのスタッフの渡航に、ロジスティクス上の問題をもたらしているみたいだ。僕の経験をこのプロジェクトにもたらすことができないのは、本当に残念だ。

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Q テストライダーとしての契約を更新することに興味は?

 それが僕の優先事項だ。ヤマハがまだ僕を、そしてマシンの改善を助けられるテストチームを作ることを望んでくれていればいいんだけどね。僕としては、自分の経験と感覚からたくさんのモノを持ち込めると思うんだ。

Q あなたの状況について、他のファクトリーからアプローチは受けましたか?

 イエスだ。

Q より具体的には?

 名前は出したくないな。

Q あなたの考えでは、なぜ今季のMotoGPがこれほど一貫性がなく、予測不可能なモノになっているんだと思いますか?

 ドルナは近年、ルール面で素晴らしい仕事をしてきたと思う。それによってメーカー間がより平等になった。それはラップタイムや優勝したチームの分かれ具合を見れば明らかだ。

 それから最強のライダーがグリッドに不在だということが、他のライダーの精神面に影響を与えているのは明白だろう。マルク(マルケス)の不在は他のライダーに世界チャンピオンとなるための真のチャンスがあると考えさせている。

Q マルケスもこうした今季の一貫性のなさに影響を受けていたと思いますか?

 現時点で彼がグリッド上で依然として最強ライダーであることに疑いはないが、彼のマシンが様々なサーキットでどれほどの競争力があるか次第だったと思う。ただ確実に彼はレースに勝っていただろうし、タイトルを争っていただろうね。

Q ホンダが抱えている現在のトラブルは、彼らのバイクのコンセプトを再考する必要性があるということを示していると思いますか? あなたも要求していたものですが。

 僕と契約したときのホンダの優先事項が、より乗りやすいバイクを作ることだったとは思わない。けれど僕が留まっていたなら、確実にそれを成し遂げていただろう。事実としてマルケスが無二のスタイルを持っていて、毎年バイクは彼のスタイルにますます適応し、他のファクトリーライダーからは遠ざかっていくということだ。

 人々は状況が危機的な場合にのみ、抜本的な解決策を採ろうとする傾向がある。そしてマルクがホンダでタイトルを勝ち獲り続けているかぎり、ファクトリーが彼らのアプローチを変えるとは思わない。

Q アンドレア・ドヴィツィオーゾのドゥカティ離脱の決断についてどう思いますか?

 ドヴィと彼のエージェントは条件について、受け入れるかそうでないかを明確にしていたと思う。おそらく彼らはドゥカティが譲歩すると思っていたのだろうけれど、そうはならなかった。(ライダーズ)マーケットの動きはとても早く、今では彼にはあまり多くの選択肢はなくなってしまった。

Q あなたなら、フランチェスコ・バニャイヤとヨハン・ザルコ、どちらを来季のジャック・ミラーのチームメイトに選びますか?

 論理的には、彼らはペッコ(バニャイヤのこと)を選ぶと思わざるを得ない。特にミサノでの、まだ身体が100%の状態ではないにも関わらず見せた、あの素晴らしいパフォーマンスの後ではね。彼には大きな未来があるし、彼のライディングは僕のものを想起させる。とてもコーナースピードが速く、スムーズでエレガントなスタイルだ。

Q ポル・エスパルガロがHRCと契約したときは驚きましたか?

 ポルは常に自分がホンダでいい仕事ができると、マルクと同じようなレベルに到達できると考えていたと思う。彼にとっては簡単ではないと思うが、僕を驚かせたのはこれが初めてではないだろうね。

Q マルケスの不在からマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)がよりアドバンテージを得ることを予想していましたか?

 少しはそうだね。シーズン開始前はビニャーレスにもっと期待していた。なぜなら彼は2019年の終盤、そしてプレシーズンテストで強力に見えたからだ。彼は自信と確信を見出し、次のステップに進んだように見えた。だけどそれはまだ起こっていない。それから彼はオーストリアの2戦ではとてもアンラッキーだった。彼は速さや才能が不足しているわけじゃないけど、タイトルを獲得するには全てをまとめ上げる必要がある。うまく行けば、彼はそれをマネジメントできるだろう。

Q レッドブルリンクでのアクシデントを見たとき、何を思いましたか?

 その話だけど、僕らのスポーツが依然として非常に危険なものだということを思い起こさせる。ああいった事故は一瞬で人生を変えてしまう。だからこそ、自分で決めたゴールを一度達成したと感じたなら、そのリスクを負う価値があるかどうかを真剣に評価することが懸命なやり方なんだ。

 

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