バリー・シーン、バレンティーノ・ロッシ……チャンピオンが『1』を使わなくなった現代MotoGP

MotoGP2021年シーズンのチャンピオンとなったファビオ・クアルタラロは、チャンピオンナンバー『1』を来季使用しないつもりだと明かしている。チャンピオンとしての1番を使用しない流れはどこからきたのだろうか?

バリー・シーン、バレンティーノ・ロッシ……チャンピオンが『1』を使わなくなった現代MotoGP

 MotoGP2021年シーズンのタイトル争いが、第16戦エミリア・ロマーニャGPで決着。ヤマハのファビオ・クアルタラロが、2レースを残して早々と王者に輝いた。

 最高峰クラスでのキャリア3年目にしてチャンピオンとなったクアルタラロだが、彼は早くも2022年シーズンに、チャンピオンナンバーである『1』を着用するつもりはなく、現在の『20』を継続使用する意向を明かしている。

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パーソナルナンバーを使い続けたチャンピオン達

1977: Barry Sheene, Suzuki
1977: Barry Sheene, Suzuki
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写真:: LAT Images

1978: Barry Sheene, Suzuki
1978: Barry Sheene, Suzuki
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写真:: LAT Images

2002: Valentino Rossi, Repsol Honda Team
2002: Valentino Rossi, Repsol Honda Team
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

2003: Valentino Rossi, Repsol Honda Team
2003: Valentino Rossi, Repsol Honda Team
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

2004: Valentino Rossi, Gauloises Yamaha
2004: Valentino Rossi, Gauloises Yamaha
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写真:: Gauloises Fortuna Racing

2005: Valentino Rossi, Gauloises Yamaha
2005: Valentino Rossi, Gauloises Yamaha
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

2006: Valentino Rossi, Camel Yamaha
2006: Valentino Rossi, Camel Yamaha
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写真:: Camel Media Service

2009: Valentino Rossi, Fiat Yamaha Team
2009: Valentino Rossi, Fiat Yamaha Team
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写真:: Bridgestone Corporation

2010: Valentino Rossi, Fiat Yamaha Team
2010: Valentino Rossi, Fiat Yamaha Team
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写真:: Yamaha Motor Racing

2013: Jorge Lorenzo, Yamaha Factory Racing
2013: Jorge Lorenzo, Yamaha Factory Racing
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写真:: Bridgestone Corporation

2014: Marc Márquez, Repsol Honda Team
2014: Marc Márquez, Repsol Honda Team
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写真:: Repsol Media

2015: Marc Marquez, Repsol Honda Team
2015: Marc Marquez, Repsol Honda Team
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写真:: Bridgestone Corporation

2016: Jorge Lorenzo, Yamaha Factory Racing
2016: Jorge Lorenzo, Yamaha Factory Racing
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写真:: Mirco Lazzari

2017: Marc Márquez, Repsol Honda Team
2017: Marc Márquez, Repsol Honda Team
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

2018: Marc Marquez, Repsol Honda Team
2018: Marc Marquez, Repsol Honda Team
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

2019: Marc Marquez, Repsol Honda Team
2019: Marc Marquez, Repsol Honda Team
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

2020: Marc Marquez, Repsol Honda Team
2020: Marc Marquez, Repsol Honda Team
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

2020: Joan Mir, Team Suzuki MotoGP
2020: Joan Mir, Team Suzuki MotoGP
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

 近年ではMotoGPライダーのパーソナルナンバーは特徴的なものとなっており、チャンピオンとなった翌年に1番を使用することが少なくなっている。Moto2クラスやMoto3クラスでは王者となったライダーはステップアップしていくことが多いということもあり、彼らの中で1番を着用する選択肢が薄れてきていると考えると、近年最高峰クラスで1番が見られないことも理解できる。

 ではこうしたチャンピオンナンバーを使用しない潮流を生み出したのは誰か?

 それは1977年と1978年に500ccクラスで王者となりつつも『7』を使い続けたバリー・シーン、そして2000年代になり再びパーソナルナンバーの使用にこだわったバレンティーノ・ロッシと言えるだろう。

 バリー・シーンはチャンピオンとして『1』を着用する慣例に従わなかったライダーの最初の存在とも言える。彼はチャンピオン獲得以前は様々な番号でレースに参加していたが、チャンピオン獲得以後は7番に拘り、引退するまでそれ以外の番号を使用することはなかった。

 彼はゼッケンナンバー以外、たとえばホテルの部屋番号でなどでもこの『7』という数字に拘りを持っており、そうした姿勢はファンにもよく知られているところだ。

 しかし、彼のように特定のパーソナルナンバーにこだわるライダーの出現は、その後20年以上にわたって見られなかった。ケニー・ロバーツやフレディ・スペンサー、エディ・ローソン、ウェイン・レイニー、ミック・ドゥーハン……幾度もチャンピオンに輝いた名ライダーたちも、王者の証と言える1番を使用してきたのだ。

Eddie Lawson
Eddie Lawson
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

Wayne Rainey
Wayne Rainey
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

Mick Doohan, Repsol Honda
Mick Doohan, Repsol Honda
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

Mick Doohan, Kevin Schwantz, Norifumi Abe
Mick Doohan, Kevin Schwantz, Norifumi Abe
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

Kenny Roberts Jr., Team Suzuki MotoGP
Kenny Roberts Jr., Team Suzuki MotoGP
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写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

 そしてバリー・シーンの次にチャンピオンとなった後もパーソナルナンバーを使い続けたのが、ロッシだ。ロッシは合計7回にわたって最高峰クラスのチャンピオンとなったが、そのいずれにおいても彼の象徴とも言える46番を使い続け、ロードレース界のみならず他カテゴリーでも、広く”ロッシ=46”と知られている。ロッシが四輪のレースに参戦する時もこの46を使うことが多かった。さらにはロッシのファンであることを公言しているアレクサンダー・アルボンは、F1デビューするにあたって23というパーソナルナンバーを選んだが、これはロッシの46を半分にした数であると明かしている。

 そして2010年代のMotoGPを席巻してきたマルク・マルケスも、ロッシと同じようにパーソナルナンバーの93番の使用を続け、6度MotoGPチャンピオンとなりつつも、1番を付けたことはない。

 なお過去20年でチャンピオンナンバー”1”を付けた数少ないライダーは、ニッキー・ヘイデン、ケーシー・ストーナー、そしてホルヘ・ロレンソだ。しかしチャンピオンナンバーには“呪い”があるかのように、2007年のヘイデン、2008、2012年のストーナー、2011年のロレンソらは、1番を付けた年にタイトル防衛に失敗してしまっている。

 ただ2020年にチャンピオンとなったジョアン・ミル(スズキ)は、1番を使わずに自身の36番を使い続けたが、タイトルを守り切ることはできなかった。

 2022年は史上最長となる全21戦が予定されているが、1番を使わないことを選んだクアルタラロは、呪いを遠ざけてタイトルを守り切ることができるのか……注目のシーズンとなるだろう。

 

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