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次期MotoGP契約の交渉が緊迫。メーカー側がディナーを予告無しの欠席……戦略変更迫られる

MotoGPと参戦メーカーによる2027年以降の契約がまとまっていない中、メーカー側はMotoGP幹部との毎年恒例となっているディナーを欠席。MotoGP側も戦略変更を余儀なくされている。

Francesco Bagnaia, Ducati Team

 MotoGPは現在、2027年シーズン以降の商業面の契約に関して、参戦メーカーとの交渉が続いている。しかしメーカー側も厳しい姿勢を崩しておず、MotoGPは戦略変更を迫られている。

 F1では、”コンコルド協定”と呼ばれる契約により、権利や義務、テレビ放映権を中心とする商業収益の分配の枠組みが定められている。現在議論されている協定は、そのMotoGP版と言えるものだ。

 契約締結の遅れが指摘される中、スペインGPではMotoGPがメーカー、チーム、スポンサー、商業パートナーを招いたディナーを開催した。毎年恒例のイベントだが、今年はMotoGPの新オーナーとなったリバティ・メディアの社長兼CEOのデレク・チャンの主催によるもの。MotoGPを旧ドルナ時代から牽引してきたカルメロ・エスペレータ、そして息子でMotoGPのスポーティングディレクターも務めるカルロス・エスペレータも参加していた。

 このディナーへの招待は数週間前に行なわれており、テーブルの位置も決まり、会合への期待は高まっていた。

 しかし実際にディナーが開かれると、全く予想だにしない状況が広がっていた。

 最大のサプライズは、5メーカーのうち3社が欠席したことだ。ヤマハ、KTMそしてアプリリアはMotoGPの首脳陣が集まる中、事前連絡無しに欠席した。

ドゥカティのドメニカリCEO

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写真: Gold and Goose Photography / LAT Images / via Getty Images

 またドゥカティもクラウディオ・ドメニカリCEOとジジ・ダッリーニャ(ゼネラルマネージャー)が欠席。ファクトリーチームのチームマネージャーであるダビデ・タルドッツィと、広報ディレクターのみが出席するという状況だった。

 ホンダも同様だ。上級幹部は出席しておらず、チームマネージャーのアルベルト・プーチと広報担当の出席のみだった。

 こうして生まれたダイニングルーム中央に残された空席のテーブルは、プロモーター側とメーカー・チーム側が1年以上にわたって交渉を続けてきた商業契約の最新の対案に対する、メーカー側の“回答”そのものだったと言える。

 交渉の駆け引きにさらに圧力を与えるこの反応は、ディナーにも出席した新オーナーらの意向に沿うモノではなかったのは明らかだ。

■戦略の変更 

 これまで、5つのメーカーとMotoGPとの間で行われてきた新たな契約に関する交渉では、メーカー側は結束を保ってきた。そうすることで、自分たちの要求の一部を通すための交渉力を確保しようとしていた。

MotoGP manufacturers want a say on where the series races

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Photo by: Jose Breton - Pics Action - NurPhoto - Getty Images

 MotoGP側の提案は、参戦11チームそれぞれに対する選手権からの分配金を、増額するというものにとどまっている。その見返りとして、チームにはホスピタリティ、マーケティング、イメージ戦略、広報、ソーシャルメディアなどの分野において、より大きな関与を求めている。だがチーム側はこれを不十分だと考えている。

 メーカー各社はチャンピオンズリーグ、NBA、NFLといった他の主要スポーツ大会と同様に、結果に応じた変動報酬、テレビ放映権の分配、そして何よりも意思決定に関わるガバナンスへの参加を認めるべきだと考えている。

 その一例がカレンダー編成であり、これが交渉の中で大きな争点となっている。MSMA(メーカー協会)は日程や開催サーキットの提案に関与する権利を求めているが、プロモーター側は現時点ではこれを拒否している。

 そしてヘレスでの金曜ディナー欠席騒動を受け、双方の関係は極めて緊張したものとなり、MotoGP側はわずか数時間のうちに戦略の変更を決断し、メーカーおよびチームごとに個別交渉を開始する方針へと転じた。

 この新戦略に対する初期反応は極めて良好であり、最も影響力の大きいメーカーであるホンダが契約締結を確約したという。さらにドゥカティも歩み寄りを見せており、この2メーカーのサテライトチームであるVR46およびグレシーニ(ドゥカティ)、LCR(ホンダ)、さらにテック3(KTM)も同様の動きを見せている。

 現時点でMotoGP側の提案に最も強く反対姿勢を示しているのは、ヤマハであり、これにアプリリアとKTMが続いている。

 motorsport.comの調べでは、MotoGPは2週間後のフランスGPを、包括的合意に向けた期限として設定している。この期限までに合意に至らない場合、プロモーターは関係各者と個別に交渉を行い、それぞれ別個の契約を締結する方針だ。

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