初日2番手マルケス好調も全力発揮はまだ？　「タイムは出るけど妙なライディングになっている」

　MotoGPの2022年シーズンが開幕。初戦のカタールGP初日の走行が行なわれると、レプソル・ホンダのマルク・マルケスが2番手タイムを記録する好スタートを切った。しかし彼はまだマシンを手懐けられていない様子だ。

　ホンダは2022年シーズンの戦いに向けて、ここ数年RC213Vが抱えていたリヤのトラクション問題を解決するために、大胆な変更を施した。その変化はライダーにとっても大きかったようで、長年ホンダで走っているマルケスが「ブランドを変えたみたいだ」と認めた程だ。

　新型バイクは全体的に好評価だが、よりリヤエンドを重視したバイクになったことには問題もある。マルケスの強みとなってきたフロント側のグリップを掴むことが難しくなっているのだ。

　しかしカタールGP初日、マルケスはホンダ勢トップとなる2番手となった。初日は期待通りに進んだのかと訊くと、彼は次のように答えた。

「多少はそうだろうけど、そうじゃないところもある。レースペースの面では多かれ少なかれ予期していた部分がある。でも一発のタイムは思っていたよりも良かったよ」

「初日2番手タイムというのは僕のいるポジションじゃないかもしれない。全体的に予想していたよりも良かったんだ。僕としてはダイレクトにQ2へ進めるトップ10以内に入ることが目標だったしね」

「2日目のFP3は、タイムの改善があるとは思っていない。でもとにかく、ライディングには満足している」

「ただまあ、依然として妙な形でのライディングになっているんだ。それでもラップタイムを出せているんだけどね」

　マルケスは新型バイクでの奇妙なフィーリングに関して、”思っているよりも速い”のだと語っている。

「ライディングスタイルのコンセプトとして、僕はコーナーエントリーであまりプッシュしていない状態にある」

「以前はかなり速く突っ込んでいたんだけど、今はそうでもないんだ。それからフロントエンドのフィーリングが妙で、上手く感じることができていない。フロントタイヤがどうなっているのか、分からないんだ」

「正直に言うと遅いラップタイムが出るだろうと感じているんだ。それは自然なんだけど、速く走ろうとすると、遅いんだ。これがちょっと変なところで、マシンのポテンシャル全てを使えていないというか、ポテンシャルの使い方がわからないと言うか……」

「ホンダは素晴らしい仕事をしてくれたし、感謝している。あるシーズンから次のシーズンにかけて、マシンをこれだけ変化させることができるのは、ホンダだけだと思う。今日はまだバイクをいじっていないんだ。マンダリカテストでのセットアップで走っていた。それは僕らがまだ（バイクを）理解できていないからだ」

「走るごとに僕は速くなっている。明日はもうちょっと色々できるようになるだろう」

「ただそうは言っても、僕らが最速というわけでもない。ヤマハやスズキは僕らよりも速いし、より一貫性があるように見える」

　なおマルケスは2020年に負った右腕骨折以来、肩にも影響が発生し、痛みなどと戦ってきた。しかし今回、カタールGP初日では「妨げになるようなに体調不良は無かった」と明かし、右肩に問題はないと説明している。