怪我の影響続くマルク・マルケス「まずはレースに勝つことより“自然に走ること”が目標」
2020年の右腕骨折の影響を今も抱えているマルク・マルケス。彼は怪我以前の自分に戻ることが目指すところであり、そのために努力すると語る一方で、必ず実現できると約束できるモノではないと語った。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
レプソル・ホンダのマルク・マルケスは、2020年シーズンの開幕戦でクラッシュし右腕骨折の怪我を負った。彼はその後3度の手術を経て、2021年シーズン第3戦ポルトガルGPで復帰を果たした。しかし、右腕骨折の影響に今も苦しめられている。
近年のMotoGPクラスにおいて敵なしを誇ってきたマルケスだけに、ファンは復帰後のマルケスにかつてのような強さを期待していたが、今のところ、マルケスは多くのMotoGPライダーのひとり……という状況だ。
サマーブレイク前に、雨も味方につけてドイツGPで優勝を果たしたものの、前戦スティリアGPでは8位。休息を挟んでも、まだ以前のような強さとなっていない。
連戦となるオーストリアGPで、彼は“以前のような姿に戻れるのか?”……そう尋ねられた。
「それが僕の目的だし、そうなれるように取り組んでいくことを約束するよ。ただ、そうなれるかは約束できないし、分からない」
マルケスはそう正直に答えた。
「僕の身体的な状況に関して、以前と同じようになるのかとファンの皆からの関心を集めているけど……今の自分の状況はよく分かっている。どう改善するのかも分かっているけど、耐えることも必要なんだ」
「改善を急ぎたくはない。まず第一に、骨を完璧な状態にしなければならないし、それから状況を評価することになる」
「(復帰した)ポルティマオでも話したけど、まずはバイクに乗って、そしてフィーリングを良くして、それから以前の僕に戻るんだ」
ただマルケスは“以前の自分に戻る”という言葉の意味もしっかりと説明しており、それは怪我以前のように連勝を重ねることではなく、自然体でバイクに乗ることだと語った。
「前と同じになるというのは、以前のように勝利を挙げたり、多くのレースで勝つという意味じゃない。直感的に、自然にライディングをするという意味だ。勝つか勝たないかに関しては、ライバルも年々進歩してきているので、時間がどうなるかを教えてくれるだろう」
「1ヵ月でどうにかなるようなモノではないと理解したんだ。回復には1年かかるかもしれない。でも今、僕はサーキットで競争力を発揮するレベルにある。ただ以前はもっと競争力があったんだ」
マルケスは、忍耐力が最も培わなければならない要素のひとつだったと認める。
「耐えなければいけないことがだんだん減っているんだ。最初は毎日でも進歩したいと思っていたけど、そのたびに落ち着かなくちゃいけないと理解した」
「身体的な状況についてはより現実的な視点で見て、外野の言葉は気にしないことだ。“忍耐”は以前の僕が嫌いで持っていなかった美徳のひとつだ。でも時間と経験を重ねたことで、これが適切な道へ導いてくれることを理解した。だからまだ我慢だ」
なおオーストリアGPでは、マルケスのバイクに新しいタンクカバーが装着された。これは彼の身体的な状況を補助するためのものだという。
「あのタンクカバーは、腕に入る力を軽減しようとしてのものだ。正直に言って劇的に変えるものではないけど、レースの最後までに1秒でも縮める事ができればいいね」
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