ミシュランよ、”問題”から目を背けるな! マルケス弟、タイヤ変更は「面目を保つための対応だった」
LCRホンダのアレックス・マルケスは、MotoGPインドネシアGPでのタイヤ構造変更を受けて、今後改善するためにも「ミシュランは問題を認識しなければならない」と語った。
LCRホンダのアレックス・マルケスは、ミシュランがMotoGP第2戦インドネシアGPに持ち込んだタイヤに否定的であり、今後同様の事態は起こってはいけないと話した。
MotoGPにタイヤを供給しているミシュランは、2月にインドネシアGPの開催地であるマンダリカでプレシーズンテストが行なわれた際、今季の標準タイヤに発生したブリスターに悩まされた。そこでミシュランは、インドネシアの暑いコンディションに対応するため、2018年のタイGPで使用された、内部構造がより堅牢なタイヤをインドネシアGPに持ち込んだ。
この変更の影響を最も顕著に受けたのがホンダ勢だった。2月のテストでトップタイムも記録(ポル・エスパルガロ/1分31秒060)するほどの速さが一転、リヤエンドの深刻なグリップ不足に苦しみ、予選で4台全てがQ1敗退を喫したのだ。
インドネシアGP予選、ホンダ勢最上位はマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)だったが、そのタイムは1分31秒830。テスト時とはコンディションも異なるため、単純な比較はできないが、ポールポジションを獲得したファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)がテストとほぼ同じタイムを出したのに対し、ホンダ勢は0.8秒近く後退したことになる。
さらに、マルク・マルケスはレース当日のウォームアップでハイサイドを起こし、激しくクラッシュ。脳震盪に加え、昨シーズン終盤からオフシーズンにかけて苦しんだ複視が再発し、インドネシアGPおよび第3戦アルゼンチンGPを欠場することになった。
ホンダはマルケスのクラッシュについてミシュランを非難していないが、レプソル・ホンダのチームマネージャーであるアルベルト・プーチは、ホンダがタイヤを理解できていなかったと示唆するミシュラン側のコメントに反論した。
「私のレースでの経験から言うと、まずライダーと話をしなければならない。ライダーの意見は”コンピュータ上の線”よりも意味があるモノだ」
そうプーチはmotorsport.comに話した。
「議論や討論を重ねることで、我々は進化し、すべての関係者とスポーツのために前進するための良い解決策を見出すことができる」
「ミシュランは自分たちのタイヤについて誰かが直接的に話すたびに過敏になり、自分たちのいかなるミスも認めないというメンタリティを持っているように見える」
アルゼンチンGPを前に、アレックス・マルケスはインドネシアGPで起こったようなことは「2度も起きない」と語り、ミシュランの対応は面目を保つためだけのモノだったと批判した。
インドネシアGPで13位に終わったアレックス・マルケスに、今のミシュランタイヤに自信を持てるかと訊くと、彼は皮肉交じりに次のように答えた。
「アレは今後のために彼らが改善しなければならないことだと思うし、二度と起こらないことだ」
「(インドネシアで)3日間テストをしてくださいと、彼ら(ミシュラン)に言われたから、突然タイヤの割当が変わったんだ」
「タイヤが27周のレースに対応できていないのは明らかだった。でもだからといって、ケーシングを変更したりせずに、過去3年間使われていなかったケーシングに戻すというのは、”面白い”と思うよ」
「タイヤが27周に対応できないのであれば、レースを短くする、あるいはフラッグ・トゥ・フラッグ(バイク乗り換えが許可されるレース)にするというのも、過去の例を見ればアリだったと思う」
「でも割当を変えるというのは、本当にフェアじゃないと思うんだ。それは僕らに問題が起きたからではない。もしかしたら他のサーキットで僕らにとっては信じられないような、楽しくて良いことが起きるかもしれないし、他のファクトリーにとってはそうではないかもしれない」
「だから公平を期すためには、別の解決策を見つけなければならないんだ」
「リヤタイヤにブリスターは発生していたけど、テストではフロントタイヤにもブリスターが起きていたけど、フロントは(レースに向けて)変更されなかった。ミシュランの答えは、彼らにとって良いイメージが保てるように努力することなんだ」
「これはビジネスであり、それも当たり前のことだ。ホンダも良いイメージを保とうとしているしね。だけど、時に問題が問題が起きることを理解する必要がある」
「タイヤの内圧を間違ったり、チームがミスをする時もあるけど、改善するためには彼らは自分たちの問題点を見抜く必要がある。そうじゃなきゃ、そんな事はできないだろう」
ミシュランのタイヤ変更は不公平だと、インドネシアGP週末から発言してきたエスパルガロは、「”ある関係者”は非難してはいけない」と、アルゼンチンGPの木曜日に語り、ミシュランの姿勢を暗に批判した。
「この状況を理解するのは簡単なことだと思う」
「ノーマルタイヤのテストでは、ホンダとスズキが強かった。そして(インドネシアGP週末で)最も苦労していたのが、ホンダとスズキだった」
「マシンに問題があったとき、僕はホンダやプレスに文句を言う。それで何かが起きることはない。ホンダが責任を取って、改善しようとするんだ。そして僕が苦戦して、十分な力を発揮できなかった時は、ホンダは文句を言って僕と戦うことができる。もちろん、それで何かが起きるわけでもない。それは仕事の一部なんだ」
「良い時もあればそうでない時もあり、良い決断をする時もあればそうでない時もある。でも、この仕事のある部分、ある人たちに対しては、文句を言うことはできないんだ」
「『OK、もしかしたら私たちはミスをしたのかもしれない』とか、『OK、それはあなたにとって良いものではなかった、ごめんねみんな』と言うのは悪いことじゃないんだ。起こりうることだし、問題ではない。でも、時にはそれすら難しいこともある」
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