MotoGPはF1みたいになるな! ライダー“主役”が薄まるMotoGPにマルク・マルケスが警鐘
6度のMotoGPチャンピオンであるマルク・マルケスは、このカテゴリーが”F1のようにならない”ためにも注意する必要がある主張した。
レプソル・ホンダのマルク・マルケスはMotoGPの開発が激化する中、「F1のようになってはいけない」と警鐘を鳴らしている。
MotoGPは近年、マシン開発が激化。ウイング類などのエアロダイナミクスを筆頭に、フロントとリヤの車高調整装置(ライドハイトデバイス)など、デバイス開発がホットな領域となっている。
ただ空力開発の過熱によるオーバーテイクへの悪影響も指摘され、ライドハイトデバイス自体も安全性に関しての疑念から、2023年からはフロント側のデバイスが禁止されることが決定済みだ。
MotoGPで6度チャンピオンに輝いてきたマルク・マルケスは、こうした近年のマシン開発の動きを快く思っていない。英Autosport/Motorsport.comの独占インタビューに応えたマルケスは、ライダーよりもマシンのほうが重要になることに警鐘を鳴らしている。
「先頭にいるのは常に最速の連中なんだ。でも最近は、マシンがライダーよりも重要になってきているというのも事実だ」
マルケスはそう語る。
「今はまだライダーのほうがマシンよりも重要だし、あるいは僕がそう信じたいということかもしれない。手持ちのマシンに依存するようになると、競争力のあるマシンがなければ、何もできなくなってしまうんだ」
「それが極端なF1とはまた違うけど、僕らはその方向に進んでいるから、気をつけることが必要だ」
Marc Marquez, Repsol Honda Team
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
「僕はもうセーフティコミッションでも『皆、結局のところマシンよりもライダーがより重要だということを維持する必要があるから、注意深くならなくちゃいけない』と話してきたんだ」
「そういうのもひとつのトピックスだ。でも実際のところ今年は最速のライダーたちが、先頭を争っている。(エネア)バスティアニーニ、ペッコ(フランチェスコ・バニャイヤ)、(ファビオ)クアルタラロ、アレイシ(エスパルガロ)といったようにね」
「この先、彼らと戦うことができるかどうかを確かめていくよ」
なおマルケスは最近のMotoGPマシンの特徴に関して、”マニュアルレス”になってきていると感じており、それが接近した戦いにつながっているとも語っている。
「今は何でもより均質化している。限界がマシンのほうにあるんだ」
「昔はファクトリーとサテライトのマシンの間にあった違いが、より大きなものだったのは事実だ」
「今、そこに違いは無い。サテライトチームがファクトリーマシンを手にしている。それだけの道具を持っているんだ」
「でも、何が起こっているかすぐに理解できるだろうか? 僕がMotoGPに来た頃には、ストレートでギヤを4速に入れても、トルク全部を使えていたわけではなかっった。リヤブレーキや身体全体を使って、ウイリーに対処しなくちゃならなかったからね」
「今はホールショットデバイスがあってエアロダイナミクスもある。2速、3速とトルク全部を使えて、Moto3マシンに乗っているかのようなんだ」
「つまり、バイクのマニュアル部分が少なくなっているんだ。以前はマニュアルの部分が多くて、よりたくさんのことに対処する必要があった」
「そうした理由から、今は全てがより平等になってきている。もしマニュアル操作が多ければ、もっとミスが増えて、マシンの能力を全て引き出すのはずっと難しくなる。でも限界がマシンの方にあるなら、それももっと簡単になってしまう」
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