二転三転の後、ペナルティ取り消し。渦中にあったマルケスがMotoGP復帰戦を前にコメント「誰かがルールを変えた。僕のせいではない」
マルク・マルケスは、MotoGPポルトガルGPでの接触を発端とするペナルティを巡る騒動について言及。自身に科された処分が取り消されたことについては「僕のせいではない」と語った。
第5戦フランスGPからMotoGPに復帰することとなったマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)。彼は開幕戦ポルトガルGPでミゲル・オリベイラ(RNF)と接触したことでダブルロングラップペナルティを科されたが、これは後に取り消されるなど、その後の論争の火種となった。
このペナルティは当初、第2戦アルゼンチンGPで適用される予定だった。そしてマルケスは負傷の影響で同GPを欠場したが、その後ペナルティは彼が出場する次のラウンドで科されることになるとされた。
しかし、ホンダはこれがレギュレーションに反するものだとして抗議。そしてFIM控訴裁判所は、フランスGPを前に処分取り消しという最終評決を下した。
この一件について、グランプリが行なわれるル・マンの場でマルケスはこう述べた。
「ペナルティを受けた時、僕はスチュワードのところに行って(裁定に)完全に同意した。大きなミスを犯したからね。そして書類上ではそれがアルゼンチンGPに向けたものになっていた」
「その数日後、誰かがそれを変えた。誰かは分からないけど、そこは僕の落ち度ではない」
「そして今は、将来のためにそれをさらに変更するようだ。これが最善策かどうかは分からない。ルールを変えることはライダーにとってもリスクになるからだ。僕にとってもヘレス(前戦スペインGP)にやってきてペナルティを受けてピットに戻ることは簡単だったけど、これは避ける必要があった」
マルケスが言及しているのは、スチュワードがマルケスのペナルティ適用を「復帰戦」と修正した2日後に発行された、ペナルティプロトコルについてだ。新たに発行された罰則規定には次のように記されている。
『FIM MotoGPスチュワードがペナルティを適用する際に従う理念は、ペナルティは有効でなければならず、たとえそれが選手権の次のシーズンであっても、ライダーが参加する次の選手権イベントでペナルティを受けなければならないということだ』
『しかし、もしライダーがその後に発生した”無関係な怪我や病気(インシデントそのものに起因するものではない)”により欠場した場合、ペナルティは果たされたものとみなされ、その後の大会に延期されることはない』
このプロトコルは、怪我を負ったライダーがペナルティを消化するためだけにレースに出走し、その結果ライバルに危険を及ぼすことを避けるためのものだとされているが、マルケスはむしろ逆のことが起きると考えている。
「(レース後にインシデントと無関係な)怪我をしなければ、次のレースでペナルティを受けるという風に僕は読み取った」
「(インシデントと無関係の怪我などでない限りペナルティは消えないため)戻って来ざるを得ない状況を作り出し、ペナルティを消化してピットに戻って(レースを)終えることで、悪いイメージを植え付けることになる。だから別のシステムを作る必要がある」
マルケスのペナルティ取り消しは、ライダーとスチュワードが裁定の矛盾について話し合うためのミーティングを目前に控えた中で行なわれた。
スチュワードの裁定プロセスを信頼しているかと問われたマルケスは次のように答えた。
「分からない。さっき説明した通りだ。僕はポルティマオでペナルティを受けた。自分がミスをしたのだからそれは完全に理解できたし、受け入れた」
「でもそれはアルゼンチンGPに向けたものであって、それは僕がサインした紙にも書いてあった。僕はスチュワードに『これはアルゼンチンGPで、ということだよね?』と確認をしたけど、彼らもそうだと言っていた」
「それから僕は手術を受けたけど、どうしたことか誰かがこれを変えてしまった。それは僕のせいではない」
「でも信じて欲しいのは、3レースも連続で家にいるという方がもっと大きなペナルティだということだ。アスリートにとっては考え得る最悪のペナルティだ」
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