マルケス、マシン開発でホンダに警告!? 「毎回のレースで勝利は争えない」RC213Vの改善急務
マルク・マルケスは、2022年のホンダ・RC213Vでは「どこであろうと勝つことができない」と考えており、改善に向けホンダに要望を送っている。
写真:: MotoGP
MotoGPに参戦するホンダは2022年シーズンの4レースを終えて、表彰台獲得がわずか1回。先日行なわれた第4戦アメリカズGPではマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)が鬼気迫る走りを見せたが、彼はホンダにマシン改善の要求を突きつけている。
ホンダは今シーズン、マシン設計を大きく変更。新型RC213Vはリヤグリップを改善する方向で開発が進められてきた。
その効果か、昨年はリヤエンドのグリップ不足を訴えていたチームメイトのポル・エスパルガロが、開幕戦ではトップを快走し最終的に3位表彰台を獲得。新型マシンは順調な滑り出しを見せたかに思えた。
しかしその後は苦しいレースが続き、表彰台を逃している。第4戦アメリカズGPではマルケスがスタートで最後方までポジションを落としたあと、サーキット・オブ・ジ・アメリカズを得意とする彼らしい怒涛の追い上げで6位フィニッシュを果たしているが、ホンダ勢全体としては芳しくない結果だった。
MotoGPはこれからヨーロッパラウンドに入る。しかし、そこで表彰台を狙っていくには、マシン改善を進めなければならないとマルケスは考えている。
「このバイクは昨年とは正反対だ。僕らは正しい道筋を理解する必要がある」
マルケスはそう語る。
「もうホンダには、今後のレースで競争力を発揮したければ何に取り組むべきかを伝えてあるんだ」
「ポルがあるコースで上手くやっていることは事実だ。そしてナカガミ(中上貴晶/LCRホンダ)が上手くやっているところがあるのも分かる。でも僕らはまだ弱点を何個も抱えている」
アメリカズGPは、新型コロナウイルスによるスケジュールの乱れにより、昨年10月以来半年ぶりの開催となった。ただ、マルケスにとっては新型マシンでのセットアップを比較する良い機会となったようだ。
「オースティンで色々と試して、“この方向だ”と話したんだ。だから、その道に進まないとね」
「今はヨーロッパのコースで自分たちのレベルを理解しないといけない。僕としては、毎回のレースで勝利を争えるとは思っていないんだ。ただよく知っているコースで、バイクの弱点を正確に理解することが重要だった」
マルケスのコメントからは今後のホンダ勢のレースに向けては、疑問符が浮かんでくる。それでも、マルケス本人はリスクを負いつつ、レースに挑んでいくと話した。
「グランプリを予測することはできない」
「レースに来て、『勝つつもりだ』と言ってトップ5に入るようなことはできないんだ」
「どうなるかは分からない。でももちろん、リスクは負っていく。目標はどのレースでも表彰台に上ることだ。でも現時点では、表彰台を争うタイミングではない」
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