マルケス、復帰戦も転倒でまたも完走ならず……しかし十分すぎる手応えに「超ハッピー！　10位で終わるより全然まし」

　怪我からの復帰レースとなったMotoGP第5戦フランスGPを、フロントロウからスタートしたマルク・マルケス（レプソル・ホンダ）。しかし彼のレースは転倒という形で終了した。

　一時レースをリードしていたマルケスは、レース終盤にプラマックのホルヘ・マルティンと抜きつ抜かれつの2番手争いを演じていた。しかし、残り2周のターン6で体勢を崩し、単独で転倒してしまった。

　マルケスは転倒の状況について、ターン6の立ち上がりで加速した際にバイクがふらつき、そのことでターン7のブレーキングゾーンで不安定になったからだと説明する。

　開幕戦のクラッシュで負った怪我によって3レースを欠場した後、満を持してル・マンで復帰を果たしたマルケスだったが、今回もリタイアに終わったことで今季の決勝レースは一度も完走を果たせずにいる。

　マルケスはレースを振り返り、表彰台を争うには準備不足だったかもしれないと認める一方で、レースでこれほど手応えを感じられたのは久々だったと語った。

「正直、今日のレースは超ハッピーだ」とマルケスは言う。

「ハードワークの末にいい結果を得られなかったことは残念だ。あと1周半というところでクラッシュしてしまった」

「しかし僕はとても良い形でライディングすることができていた。バイクがどうこうということではなく、僕自身としてこういう感覚を得られたのは久しぶりだった」

「自分自身、うまく走れていたし、コーナーにもスライドしながら進入し、ブレーキングも遅らせることができていた。他のライダーとも戦えていた」

「その点については満足している。もちろん結果には満足していないけど、表彰台に近付きながらも表彰台を争う準備ができていなかったことだけが問題だったのかもしれない」

「とはいえ、僕は10位でフィニッシュするよりも、こういう形で敗れるレースの方が好きだ。楽しめたけど、将来のためには改善し続ける必要がある」

　予選でフロントロウを獲得し、スプリントレースでは5位。決勝でも表彰台を争ったマルケスは、今週末が困難な状況の中で自信を取り戻すために必要なものだったと考えている。

　また今回カレックス製の新シャシーを試したマルケスは、これが明らかに改善に繋がったと語る一方で、状況を一気に好転させるほどのものではないと強調している。チームメイトのジョアン・ミルが苦戦したことも、それを示していると彼は述べた。

「もちろん、シャシーは小さな違いを生むけど、それが問題を解決させるほどではない」

「あのシャシーを使ったミルも苦戦していた。彼はワールドチャンピオンだけど、後方を走っていたし転倒してしまった」

「速くなるためにはさらに何かを変える必要がある。ホンダのライダーはここ最近、クラッシュの回数で毎年上位になっているからだ」

「僕だけでなく、ミルもヘレスで4回、ここで3回転倒している。だからチームと共に改善し続ける必要がある」