ビニャーレス、MotoGPキャリアの危機? KTMを非難「今は、自分がどんな立場にいるのかさえ分からない」
マーベリック・ビニャーレスは、KTMがファクトリーチーム入りを約束しながらも態度が変わったと批判している。
KTMのMotoGPでの歴史を振り返ると、ひとつ明らかなことがある。それは、ライダーとの関係を円満に管理することが必ずしも得意分野ではないということだ。ヨハン・ザルコ、ラウル・フェルナンデス、レミー・ガードナーはいずれも、契約解除をめぐる長い交渉の末、円満とはとても言えない形でオーストリアのメーカーを去ることになった。
2025年シーズンにアプリリアのファクトリーチームからKTM傘下のサテライトチーム、テック3へ移籍したマーベリック・ビニャーレスも、現在同じように不透明な状況に置かれている。彼の契約には、今月末までは他チームと契約できない条項が盛り込まれている。KTMはその期限までに、テック3での契約をさらに1シーズン延長するオプションを行使するのか、それとも完全に彼を放出するのかを決断しなければならない。
もし後者となれば、ライダー市場は急速に動いており、残るシートも少ないことから、ビニャーレスは2027年のMotoGPシートを得られず、グリッドに居場所を失う可能性もある。
昨年のドイツGPでの事故以来悩まされている肩の負傷から回復を続ける中、ブルノで取材に応じたビニャーレスは、自身の将来を巡る不透明な状況について問われると、KTMへの不満を隠さなかった。
「僕はこれまでずっとKTMへの忠誠心を示してきた」とビニャーレスは語った。
「冬の間はファクトリーチームに入れると言われ、その後はテック3だと言われた。そして今では、自分がどんな立場にいるのかさえ分からない」
「契約上の制約があったけど、他のチームと契約することもできた。でも、僕はそうしなかったんだ」
Maverick Vinales, Red Bull KTM Tech 3
Photo by: Gold and Goose Photography / Getty Images
ビニャーレスは、自身の将来がKTMと、その親会社となったインドの複合企業バジャージ・オートの方針次第であることを十分理解している。
「本来なら、自分の将来は冬のうちに決められたはずなんだ。今ではなかった」
「チームは、僕がケガをしているこのタイミングで結果を求めている。今は100%のパフォーマンスを発揮できないかもしれない。でも、あと2ヵ月もすればそうできるようになるんだ」
ビニャーレスは2026年でMotoGP参戦12シーズン目を迎える。最高峰クラスでは4つの異なるメーカーで戦い、そのうちスズキ、ヤマハ、アプリリアの3メーカーで優勝を経験してきた。唯一勝利を挙げていないメーカーがKTMだが、その将来が宙に浮いたままであることを考えると、KTMで勝利を手にする可能性はますます低くなっているように見える。
「契約には、特定の日付までは待たなければならないと書かれている。僕はどんな契約違反もしていない」と彼は説明した。
「待つしかないんだ。他に選択肢はないからね」
さらに彼にとって厳しいのは、チェコGP翌日に行なわれるブルノテストに参加できないことだ。このテストでは、新しい850ccエンジンとピレリタイヤを採用する2027年仕様プロトタイプバイクを初めて評価する機会がライダーたちに与えられる。
KTMは、このテストにビニャーレスではなく、2027年にドゥカティへ移籍する予定のペドロ・アコスタを起用することを決定した。そしてビニャーレスを最も苛立たせたのは、その決定を知った経緯だった。
「僕がテストに参加しないことを知ったのはメディアを通じてだった。チームから直接聞いたわけではない」と彼は語った。
それでもビニャーレスは、自身の未来はMotoGPにあると確信している。
「スーパーバイク世界選手権(WSBK)で走る自分は想像できない」と彼は断言した。
「バイクレースにおいて、僕が成し遂げたいと思っていたことはすべてMotoGPで実現したことだった。もしここを離れるなら、人生を楽しむ時が来たということだ」
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