ジャック・ミラー、2025年無職の危機現実に「オファーは無い。電話も鳴らない」
2025年以降のシートが見つかっていないジャック・ミラーだが、後半戦が始まろうとしている今も、オファーが無いと厳しい状況を明らかにした。
ジャック・ミラーはKTMのシートを今季限りで失うが、来季以降に向けたオファーがひとつもない厳しい状況にあると明らかにした。
ミラーは2015年にホンダ陣営からMotoGPクラスへ昇格すると、ドゥカティ、KTMとチームを渡り歩きながら戦ってきた。
ただペドロ・アコスタの大活躍とKTM昇格により、ミラーは2024年限りでのシート喪失が決定……サテライトチームのGASGASへの移籍も叶わず、ミラーの来年以降の働き口は宙ぶらりんの状態となってしまった。
そして2025年以降に向けた各メーカーとチームの動きも早く進み、残されたシートは既にわずか。ミラーとしてはKTMが苦戦気味なこともあり結果を残せていないことも、シート確保においては難しい要素となってしまった。
そしてMotoGPのサマーブレイクが明ける前には、ドゥカティを含む2チームがミラーに対してWSBK(スーパーバイク世界選手権)のシートをオファーしたとも報じられた。
しかしMotoGP後半戦最初のレースとなるイギリスGPで取材に応えたミラーは、MotoGP、WSBKのどちらからもオファーはないと語った。
「全て噂だよ。正直に言って今のところ僕は何も(オファーを)受けとっていないからね。ひとつも契約は無い」
Jack Miller, Red Bull KTM Factory Racing
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
このままでは完全に失職してしまうような状況にあるミラー。彼にとって可能性が考えられるのは、苦戦するホンダやヤマハでテストライダーのような役割を引き受けて、彼のドゥカティやKTMでの貴重な経験を活かす道だ。
ミラーもそういった役割を引き受けることに対して熱意を見せたが、いずれにせよ現時点では確定したオファーが無いと改めて言及し、さらに自身の性格やキャラクターが、キャリアにおける妨げになっている可能性も口にした。
「もちろん、それら全てが興味深いと思っている。だから僕は契約が結ばれ、それが届けられるまでは諦めないと言っているんだ」
「正直に言うと、僕の電話は鳴っていない。様々な角度から、僕はできる限りのことをしようとプッシュしている」
「でも時には人を怒らせてしまうことを言ってしまったりもする。それが現実だ。そして僕はそうやって生きてきたし、僕のキャリア全体がそうだ。僕はこういうキャラクターなんだ。どうあれね」
「コース上で僕にできることをやろうとしている。結局のところ、それが最も雄弁に物語る要素だからだ」
Jack Miller, Red Bull KTM Factory Racing
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
なおミラーはWSBKへの転向自体には前向きだ。しかしMotoGPでの可能性が完全になくなるまでは、諦めたくないと語っている。
「もちろん、あそこのレースの水準は素晴らしいものだ。チャンピオンシップもクールだと思うよ。僕はレースが大好きだし、週末に3レースというのもかなり凄いよね。(WSBKが)絶対にないとは言えないよ」
WSBKでのレースへの興味について訊かれたミラーは、そう語った。
「僕はここ(MotoGP)で間違いなくもっとやれると思っているけど、どうなるか様子を見てみよう。全てのドアが閉ざされるまで、僕は希望を持ち続ける。ただ実際状況は良くないけどね。だからシーズン後半で何かが起こるように、最善を尽くすつもりだ」
「サマーブレイクは良かったけど大変でもあった。考えるべきことが大量だったんだ」
「確かに良い時にも終わりは来るものだ。でも……これはレースでならあることだけど、自分の思い通りにならない時に終わるのは、このスポーツに僕が投じて来たモノや、捧げなくてはと感じていることを考えると、辛いところがある」
「でもさっきも話したように、可能性がなくなるまでは終わりじゃない。僕にできるのは、まともな結果を出そうとプッシュすることだ。そしていつか僕の電話が鳴ってくれるといいね」
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