MotoGP無線システムのテスト結果は反応上々も、“ノイズ”が大きな問題か?
MotoGPはミサノテストにおいて無線警告システムの試験を行なったが、各ライダーからは様々な感想が寄せられた。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第7戦サンマリノGPのレースウィーク中、レプソル・ホンダのステファン・ブラドルはプロモーターのドルナ・スポーツからの要望で、マーシャルのフラッグに従った警告メッセージを伝達する無線システムのテストを行なった。
フラッグの視認性や、ダッシュボードのレッドフラッグのメッセージの遅延という問題は、8月のオーストリアGPでのクラッシュによって懸念事項として浮上してきた。そしてライダーたちはセーフティコミッションで前述のシステムを試験することに同意した。
現時点ではこの無線システムは安全性向上のみを目的として使用されており、事前に録音された音声がイヤホンを通してライダーに届けられる形で、15日のミサノテストではブラドル以外のライダーによるテストが行なわれた。
今回の無線システムのテストについて、ドルナのカルメロ・エスペレータCEOは次のようにコメントしている。
「これは非常に予備的なテストに過ぎず、全体として2つの事柄を試験している。ひとつはライダーがイヤホンからメッセージを聞き取ることができるのかを知ること。そしてふたつめはコーナー中盤やより集中した状況でそうしたメッセージを受信したことで気を取られるかを確認することだ」
「どちらのケースでも、我々が話し合ったライダーからは結果は良い結果だった。そのため、我々はこのテスト初日には満足している」
ミサノテスト後にメディアの取材に答えた大部分のライダーは、この無線システムに対しポジティブであると感じていた。ただイヤホンが激しい風切り音を打ち消しておらず、エンジン音によって音声が聞きづらい点について多くのライダーが懸念を示していた。
ドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、そう指摘するライダーのひとりであったが、メッセージは明確に伝わっていたと言う。
「僕らはこのシステムを試したけど、良いね。サウンドはクリアで彼らが言っていることを聞き取れた。残念だけど、パーツは取り替えなくちゃいけない。耳栓をしていないみたいだったからね。風切り音はかなり大きいし、エンジン音はあまり聞こえないんだ」
またスズキのジョアン・ミルはこう語っている。
「最初の出走で試したよ。まだ作業を続けていく必要があるだろうね。このプロジェクトは本当に始まったばかりで、何もかもが改善が必要だ。でも、どうなるか見てみよう。作業を続ければ、可能性があるかもしれない」
「普段僕らが使っている耳栓は(ノイズを)キャンセルするためのものだ。ほとんど外の音が聞こえないようになるんだけど、これ(イヤホン)だともっと聞こえそうだ。ライダーによってはそれが問題にもなるだろう」
一方KTMのポル・エスパルガロはかなり不満げだ。バイクに乗っている際、外部からのノイズが酷く、テストを止めざるを得なかったという。
「残念ながら、それは素晴らしいものではなかった」と、エスパルガロは言う。
「耳に届くメッセージは訊くことができたし、彼らが何を伝えたがっているのか理解できた。それは良い。でも問題はノイズキャンセリングの方だ。普段僕らが使っている耳栓はノイズを減らしてくれるけど、これはあまりにもうるさくて、乗っていられなかった」
「コースへ出たけど、あまりにもうるさくてピットへ戻る必要があった。だから改善が必要だね」
なおエスペレータCEOもシステムを導入する前にそうした問題を解決する必要があると認めており、ライダーからのフィードバックを待つことになるだろうと語った。
「明らかに、我々はこの新たなシステムにおいて改善すべき点がある」
「今は、ライダー側に耳を傾け、ケーブルの有無やツナギの受信装置のサイズ、イヤホンのサイズ、バイクのノイズをどの程度キャンセルできるのかといった今後の要望を確認するだけだ」
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