MotoGPオーストラリアGP予選:マルケスが圧倒的なPP。天候に翻弄され、ロッシまさかのQ1敗退
天候に翻弄されているMotoGPオーストラリアGP。その予選ではマルク・マルケスが王者の強さを見せつけた。

MotoGPオーストラリアGPの予選が行われ、ホンダのマルク・マルケスがポールポジションを獲得した。
大嵐に見舞われた予選直前フリー走行4回目
フィリップアイランドで行われているMotoGPオーストラリアGPは、過酷な天候に見舞われている。
金曜日に行われたフリー走行2回目は、荒天のため赤旗中断。その後天候が回復せず、そのままセッション中止となってしまった。そして、予選直前に行われたフリー走行4回目もマシンがコースインした直後に雨が降り始め、その勢いが強くなるとともに横殴りの強風が加わり、あたかも嵐のような状況。しかも気温は10℃と低い。とてもレーシングスピードでは走れないコンディションであり、残り19分1秒という時点で赤旗中断。天候の回復を待つことになった、
約30分にも及ぶ長い中断の後、雨と風が治り、セッション再開。ただ、路面は完全なウエットコンディションである。
結局このセッションでトップタイムを記録したのは、ダニ・ペドロサの代役としてレプソル・ホンダに乗るニッキー・ヘイデン。赤旗中断前に記録した1分36秒810となっている。
ただセッション後半はレコードラインの水量が減り、マルク・マルケス(ホンダ)やカル・クラッチロー(LCRホンダ)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)らがタイムアップ。コンディションの改善が見て取れた。
ロッシ、まさかのQ1敗退
この変わりやすい天候は、予選にも大きな影響を及ぼした。フリー走行3回目までに全体のトップ10のラップタイムを記録できなかったライダーは、予選Q1から出走しなければならない。ここまで十分なタイムを記録できていないバレンティーノ・ロッシ(FP1で2番手タイムを出したが、タイヤの走行距離制限を上回って使用したとして、タイム抹消)とホルヘ・ロレンソのヤマハ勢ふたり、スズキのマーベリック・ビニャーレス、そしてクラッチローらも名を連ねており、2枠のQ2進出権を懸けた、熾烈な予選Q1になることが予想された。
セッション序盤にトップタイムを記録したのはクラッチロー。1分41秒165である。この後方にロレンソ、ロッシ、ビニャーレスら強豪が続く。ただ、セッションが進むに連れ路面コンディションが改善。各車のタイムがどんどん上がっていく。
クラッチローが自身の最速タイムを塗り替えると、ロッシがペースアップを果たしてロレンソを上回り2番手に浮上。ロレンソはピットに戻りマシンを乗り換えると思いきや、チームスタッフと何やらもめ、少々のロスタイムを経てコースに復帰していく。
この間にブラッドリー・スミス(テック3・ヤマハ)が2番手タイムを記録。ロッシをQ1脱落圏内に追い出す。
クラッチロー、ビニャーレスはピットインしてマシンを乗り換える。ロッシも残り3分というところでピットインするが、タイヤが用意されておらずにタイムロス。残り2分と少々というところでコースに復帰する。
コースに戻ったクラッチローは、先ほどの自己ベストタイムを再び塗り替え、1分38秒752。トップタイムを堅持する。
ビニャーレスはクラッチローに約2秒差ながら2番手に浮上。その直後にロレンソがビニャーレスを上回って2番手に浮上する。
クラッチローはさらにタイムを刻み、1分38秒467まで上昇させる。ロッシもなんとか自己ベストを更新するが、5番手まで。これでQ1脱落が決定。ロレンソが2番手のポジションを確保し、ビニャーレス、スミスらもここでの敗退が決まった。
”雨予報”のQ2。今年の王者マルケス圧倒的な強さ
そして予選Q2。開始後10分程度で再び大雨が来るとの予報があり、各車セッション開始と同時にコースインしていく。
マルケス、ジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)、ダニーロ・ペトルッチ(OCTO Pramac Yakhnich)らは、1周のチェックランを行っただけでピットイン。コンディションに合わせた最適なタイヤに変更するようだ。
まずはステファン・ブラドル(Aprilia Racing Team Gresini)が1分35秒710でトップタイム。Q1のタイムと比較すれば、コンディションは完全に良くなっている。ブラドルは次の周にこの自らのタイムを上回るが、クラッチローが1分33秒556に上げてトップに躍り出ると、この0.554秒差でドヴィツィオーゾが2番手に浮上。さらにこのドヴィツィオーゾをミラーが上回って2番手に上がる。
ドヴィツィオーゾは全セクターで最速タイムを並べ、1分33秒090でトップに浮上。ミラーもタイムを更新して2番手に上がる。
ピットインからコースに復帰していたマルケスも全セクターで最速。1分32秒239でドヴィツィオーゾに大きな差をつけてトップに立つ。ただ、これを上回ったのはクラッチロー。1分32秒189でマルケスをわずかに上回る。
ただ、マルケスのペースは相変わらず良く、途中ロレンソに引っかかってしまうシーンがあったにもかかわらず、1分31秒555でクラッチローを引き離す。マルケスはさらに次の周も連続でアタックを行い、1分30秒670。後続に圧倒的な差をつけていく。ただ、マルケスはこれで満足せず、さらに1分30秒189まで更新。クラッチローが2番手に上がり、さらにミラーも3番手に上がった。
チェッカーフラッグが振られる中、最後のアタックをランデブー状態で続けるのは、ポル・エスパルガロ(テック3・ヤマハ)とアレイシ・エスパルガロ(スズキ)の兄弟。彼らは並ぶようにしてチェッカーフラッグを受け、ポルが3番手、アレイシが4番手のグリッドを確保した。
ポールポジションはマルケス。最後、2番手のクラッチローにつけた差は、0.792秒差だった。ヘイデンは7番手。Q1をなんとか突破したロエエンソは全くペースが上がらず、マルケスから6.6秒遅れのQ2最下位(12番手)で予選を終えた。結局、予想されたQ2での降雨はなかった。
Cla | # | ドライバー | バイク | Laps | 時間 | ギャップ | インターバル | km/h | スピードトラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 93 | ![]() |
Honda | 8 | 1'30.189 | 177.547 | 324.8 | ||
2 | 35 | ![]() |
Honda | 8 | 1'30.981 | 0.792 | 0.792 | 176.001 | 326.8 |
3 | 44 | ![]() |
Yamaha | 9 | 1'31.107 | 0.918 | 0.126 | 175.758 | 326 |
4 | 41 | ![]() |
Suzuki | 9 | 1'31.673 | 1.484 | 0.566 | 174.673 | 321.3 |
5 | 43 | ![]() |
Honda | 8 | 1'31.754 | 1.565 | 0.081 | 174.518 | 325.3 |
6 | 9 | ![]() |
Ducati | 8 | 1'32.420 | 2.231 | 0.666 | 173.261 | 321.8 |
7 | 69 | ![]() |
Honda | 8 | 1'32.944 | 2.755 | 0.524 | 172.284 | 318.6 |
8 | 6 | ![]() |
Aprilia | 8 | 1'33.015 | 2.826 | 0.071 | 172.152 | 319.5 |
9 | 4 | ![]() |
Ducati | 7 | 1'33.090 | 2.901 | 0.075 | 172.014 | 330.3 |
10 | 8 | ![]() |
Ducati | 9 | 1'33.914 | 3.725 | 0.824 | 170.504 | 332.7 |
11 | 45 | ![]() |
Ducati | 7 | 1'34.682 | 4.493 | 0.768 | 169.121 | 322 |
12 | 99 | ![]() |
Yamaha | 9 | 1'36.840 | 6.651 | 2.158 | 165.353 | 320.1 |
Cla | # | ドライバー | バイク | Laps | 時間 | ギャップ | インターバル | km/h | スピードトラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 35 | ![]() |
Honda | 8 | 1'38.467 | 162.620 | 308.6 | ||
2 | 99 | ![]() |
Yamaha | 8 | 1'40.452 | 1.985 | 1.985 | 159.407 | 304.6 |
3 | 25 | ![]() |
Suzuki | 8 | 1'40.744 | 2.277 | 0.292 | 158.945 | 309.9 |
4 | 38 | ![]() |
Yamaha | 4 | 1'41.129 | 2.662 | 0.385 | 158.340 | 298.6 |
5 | 46 | ![]() |
Yamaha | 8 | 1'41.368 | 2.901 | 0.239 | 157.967 | 307.8 |
6 | 50 | ![]() |
Ducati | 8 | 1'41.532 | 3.065 | 0.164 | 157.711 | 301 |
7 | 68 | ![]() |
Ducati | 7 | 1'41.766 | 3.299 | 0.234 | 157.349 | 305.9 |
8 | 19 | ![]() |
Aprilia | 9 | 1'41.850 | 3.383 | 0.084 | 157.219 | 297.4 |
9 | 7 | ![]() |
Ducati | 8 | 1'42.261 | 3.794 | 0.411 | 156.587 | 295.8 |
10 | 76 | ![]() |
Ducati | 6 | 1'43.128 | 4.661 | 0.867 | 155.271 | 302.8 |
11 | 53 | ![]() |
Honda | 9 | 1'44.096 | 5.629 | 0.968 | 153.827 | 292 |
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