【MotoGPコラム】日本GP直前。日本人ライダーたちに見えた”課題”

アラゴンGPを終え、次は日本GP。ツインリンクもてぎにMotoGPがやってくる。その直前のレースで5人の日本人ライダーに見えた課題は?

 第14戦アラゴンGPを終え、”フライアウェイ”のアジア環太平洋三連戦に入ると、2017年シーズンもいよいよ終盤戦に差し掛かる。

 4月から欧州を転戦してきたヨーロッパラウンドをひとまず締めくくる今回のアラゴンGPは、フライアウェイの端緒となる日本GPを控えたレースだけに、日本人選手たちにとっては重要な一戦だった。このレースで良いリザルトを獲得し、勢いをつけてホームGPに臨むのが、最高の流れだ。だが、Moto2とMoto3クラスで戦う5人の日本人ライダーたちにとっては、必ずしも理想的な展開に持ち込むことにはならなかった。

 Moto2クラスの中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、4列目10番グリッドからレースに臨んだ。中盤以降は前との差をどんどん詰めて8位でチェッカーを受けたものの、スタート直後にペースアップをできなかったことが、リザルトに大きく影響してしまった。

「安定した高いアベレージタイムは自分の強みでもあるので、そこはキープしつつ、”1周目の強さ”という劣っている部分を日本GPで解決したい。簡単に言えばもったいないレースをしてしまったので、そこさえ解決できれば良いレースができると思います。はっきりと課題が見えたという意味では、次に繋がるポジティブなレースだったと捉えたいし、この課題をクリアにして、日本GPでは今季2勝目を目指したいですね」

 Moto2を戦うもうひとりの日本人、長島哲太(Teluru SAG Team)も、中上と類似の課題を抱えたレースになった。8列目24番グリッドからスタートした長島は、序盤でやや順位を落としたが、そこから安定したペースで地道に追い上げて、最後は18位でチェッカーを受けた。やはり、序盤に低い位置にいたことが、最後まで響いてしまった格好だ。

「レース内容としては安定していたし、ペース的にもポイント圏内の選手と遜色ないタイムだったので良かったんですが、やっぱり課題は予選と1周目。けっこう順位を落としてしまったところからの追い上げで、そこで離れた差が、レース中もずっと変わらなかった。逆に言えば、予選と1周目を良くできれば、ポイントはすぐに狙えると思います。もてぎはホームなので、予選ではもっと上に行けるだろうし、フィーリングよく走れると思うので自信はあります」

 Moto3クラスの選手たちも、揃って隔靴掻痒の感を残すレースになった。鳥羽海渡(Honda Team Asia)は、MotoGPルーキーズカップを戦っていた昨年はポールポジションを獲得して決勝レースでも優勝を飾ったが、Moto3を戦う今年は9列目27番グリッドからスタートして28位で終える、という厳しい内容だった。

「このウィークはバイクも自分自身のフィーリングもずっと良くなくて、苦しいレースになってしまいました。今の悪い流れを断ち切って、早く変えないといけないので、次のもてぎでは絶対に良い方向に持って行きたいと思います」

 同じくMoto3クラスルーキーの佐々木歩夢(SIC Racing Team)は16位。各ウィークでのセッション全体の組み立ては、毎戦ごとに少しずつ改善傾向にあるものの、今回は決勝レースの激しいブレーキング勝負で競り合いきれない弱さが、このリザルトを招いた、とレース後に語った。

「タイムを出せる自信はついてきたので、あとはブレーキングでもトップ争いをできるように、詰めて行きたいと思います。もてぎはハードブレーキングコースなので、日本GPでは1回目の走行からそれを練習して、決勝レースまでには完璧になれるように頑張りたいです」

 Moto3クラス3年目の鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)は、アラゴンGPの決勝日に20歳の誕生日を迎えた。自己ベストリザルトで自らの誕生日を祝うつもりだったが、タイヤの消耗に苦労して13位という微妙なリザルトになった。

「レース序盤はペースもよく、良いポジションで走れていたんですが、タイヤの消耗が激しくて、バイクは止まらないし曲がっていかない状態が続いて思いどおりに走れず、フラストレーションの溜まるレースになってしまいました」

 次戦の日本GPでは、今回のレースで明らかになった課題を、彼ら5名がそれぞれどのようにクリアしていくのか。そこに注目することで、応援する側もさらに熱のこもった観戦をすることができるだろう。

取材・執筆/西村章

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シリーズ MotoGP , Moto2 , Moto3
記事タイプ 速報ニュース