MotoGPチェコ決勝:ハードタイヤ選択のギャンブル成功。クラッチロー初優勝
MotoGPチェコの決勝レースが行われ、カル・クラッチローが初優勝を果たした。

MotoGPチェコ決勝レース。舞台となるブルノ・サーキットは、この日は生憎の天候。Moto3及びMoto2のレースは雨、MotoGPクラスの決勝スタート時には雨は止んだものの、路面は完全にウエットである。ただ、このまま雨が降らなければ、路面が乾くのは必至。マシンの乗り換えも予想される
ポールポジションスタートのマルク・マルケス(ホンダ)が出遅れ、イン側からホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)とアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)が、マルケスの前を奪う。
1コーナーに先頭で飛び込んだのは、加速力に勝るドゥカティのバイクに乗るイアンノーネ。しかし、イアンノーネはオーバースピードだったのか、コーナーで若干膨らんでしまう。この隙をついたマルケスが、難なく先頭の座を取り戻すことに成功する。
雨を苦手とするロレンソが大きく順位を落としていく中、ドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾが3番手へ。スズキの2台が4番手と5番手につける形で1周目を終了する。ロレンソは10番手、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)は12番手である。
2周目に元気なところを見せたのが、スコット・レディング(OCTO Pramac Yakhnich)。レディングはスズキの2台を交わして、4番手に浮上する。また、ドヴィツィオーゾがイアンノーネを交わして2番手に浮上すると、マルケスをもパスして首位に。イアンノーネもこれに続く。3周目にレディングはマルケスを交わして3番手に浮上する。
トップ3を占めたドゥカティ勢は、徐々に4番手のマルケス以下との差を徐々に開いていく。
4周目にはイアンノーネがドヴィツィオーゾを交わして首位に。さらにこのドヴィツィオーゾをレディングが交わして2番手である。
そうこうしているうちに、ヤマハのさらに悲劇的な状況に陥ってしまう。5周目の時点で、ロッシは12番手、ロレンソに至ってはなんと16番手まで落ちてしまったのだ。
8周目、Avintia Racingにいるヘクター・バルベラがマルケスを交わして、4番手に上がる。
10周目、3番手を走っていたドヴィツィオーゾが突如スローダウン。マシントラブルだ。ドヴィツィオーゾはピットに戻り、ドライ用に用意されていたマシンに乗り換えたものの、大きく順位を落とすことになった。
後方からは、カル・クラッチロー(LCR Honda)がものすごい勢いで追い上げてくる。多くのマシンが前後ともソフトのレインタイヤを履いてレースに臨んだにもかかわらず、クラッチローは前後ともハード。乾きつつある路面に対し、クラッチローのタイヤ選択がドンピシャリだったと言うことのようだ。
クラッチローは当初10番手以下だったが、12周目にはマルケスを交わして4番手に浮上。14周目にはバルベラとレディングを一気に交わして2番手。残すは、先頭を行くイアンノーネだけである。
15周を走りきったところで、ロレンソがピットイン。コースが乾いたと判断し、ドライ仕様のマシンに乗り換えた。ただ、これはさすがに早すぎたようで、翌周再びピットに戻り、再度レイン仕様のマシンに戻した。
16周目クラッチローがイアンノーネを交わしてついに先頭。後方では、こちらも追い上げてきたロッシがマルケスを交わして4番手に戻ってきた。18周目にはバルベラを交わし、さらにイアンノーネも抜いて2番手。ただ、この間にクラッチローは約5秒先まで逃げてしまった。
20周目、3番手争いを繰り広げるイアンノーネとバルベラの一瞬の隙を突き、マルケスが3番手に復帰。さらに後方からは、やはり前後ともハードタイヤを履くロリス・バズ(Avintia Racing)が追い上げ、やはりバルベラとイアンノーネをパスして4番手に上がる。イアンノーネのタイヤは、すでにトレッドの中央部分が吹き飛んでしまっている状況で、ペースが大きく落ち始めた。
そして迎えた最終ラップ。クラッチローは後方を確認し、最終コーナーで勝利を確信すると、大きくウイリーしてトップチェッカーを受けた。クラッチローはこれがMotoGP初優勝。なんと前戦で初優勝したイアンノーネに続き2戦連続の初優勝ライダーの誕生。さらには今季3人目の初優勝ライダーとなった。
2位にはロッシが入り、3位にはマルケスが入った。レースの前半をトップで走っていたイアンノーネは、結局7位。ロレンソはノーポイントに終わった。
このレースの結果、マルケスが獲得ポイントを197まで延ばしてトップを堅持。ロッシが144ポイントで2位に上がり、ロレンソは3位に順位を落とした。
Cla | # | Driver | Bike | Laps | Time | Gap | Interval | km/h | Retirement | Points | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 35 | ![]() | Honda | 22 | 47'44.290 | 149.3 | 25 | ||||
2 | 46 | ![]() | Yamaha | 22 | 47'51.588 | 7.298 | 7.298 | 149.0 | 20 | ||
3 | 93 | ![]() | Honda | 22 | 47'53.877 | 9.587 | 2.289 | 148.8 | 16 | ||
4 | 76 | ![]() | Ducati | 22 | 47'56.848 | 12.558 | 2.971 | 148.7 | 13 | ||
5 | 8 | ![]() | Ducati | 22 | 47'57.383 | 13.093 | 0.535 | 148.7 | 11 | ||
6 | 50 | ![]() | Ducati | 22 | 47'58.102 | 13.812 | 0.719 | 148.6 | 10 | ||
7 | 9 | ![]() | Ducati | 22 | 48'07.704 | 23.414 | 9.602 | 148.1 | 9 | ||
8 | 29 | ![]() | Ducati | 22 | 48'08.852 | 24.562 | 1.148 | 148.1 | 8 | ||
9 | 25 | ![]() | Suzuki | 22 | 48'08.871 | 24.581 | 0.019 | 148.1 | 7 | ||
10 | 53 | ![]() | Honda | 22 | 48'21.421 | 37.131 | 12.550 | 147.4 | 6 | ||
11 | 68 | ![]() | Ducati | 22 | 48'24.201 | 39.911 | 2.780 | 147.3 | 5 | ||
12 | 26 | ![]() | Honda | 22 | 48'25.387 | 41.097 | 1.186 | 147.2 | 4 | ||
13 | 44 | ![]() | Yamaha | 22 | 48'27.492 | 43.202 | 2.105 | 147.1 | 3 | ||
14 | 6 | ![]() | Aprilia | 22 | 48'29.977 | 45.687 | 2.485 | 147.0 | 2 | ||
15 | 45 | ![]() | Ducati | 22 | 48'46.491 | 1'02.201 | 16.514 | 146.2 | 1 | ||
16 | 19 | ![]() | Aprilia | 22 | 49'03.131 | 1'18.841 | 16.640 | 145.3 | |||
17 | 99 | ![]() | Yamaha | 21 | 47'49.179 | 1 Lap | 1 Lap | 142.3 | |||
dnf | 4 | ![]() | Ducati | 15 | 35'47.906 | 7 Laps | 6 Laps | 135.8 | Retirement | ||
dnf | 38 | ![]() | Yamaha | 14 | 32'20.512 | 8 Laps | 1 Lap | 140.3 | Retirement | ||
dnf | 41 | ![]() | Suzuki | 13 | 28'20.553 | 9 Laps | 1 Lap | 148.6 | Retirement |
この記事について
シリーズ | MotoGP |
イベント | チェコGP |
サブイベント | 日曜日 決勝レース |
ロケーション | Brno Circuit |
ドライバー | カル クラッチロー , マルク マルケス , バレンティーノ ロッシ |