【MotoGP】今年は”新人王候補”豊作? 昇格の4人、激戦の予感

3月のMotoGP開幕を前に、Moto2クラスで熱戦を繰り広げてきた”新人”たち4人が、セパンで行なわれた公式テストに臨んだ。

 マレーシア・セパンサーキットで1月30日から3日間、2017年最初のプレシーズンテストが行われ、3月の開幕に向けて各陣営がいよいよ本格的に動き始めた。

 今はまだシーズンインに備えた準備段階とはいえ、有力選手の大型移籍や2017年マシンの仕様決めなど、大きな注目ポイントがいくつもあって、見どころには事欠かない。今シーズンから最高峰クラスへステップアップしてきた選手たちも将来性の高そうな顔ぶれで、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを巡る戦いも白熱しそうだ。

 今年、Moto2クラスから昇格してきたのは、テック3ヤマハのヨハン・ザルコとジョナス・フォルガー、アレックス・リンス(スズキ)、サム・ロウズ(アプリリア)の4選手。リンスとロウズは各陣営のファクトリーチーム、ザルコとフォルガーがヤマハのサテライト、という所属になる。

 彼ら4名は、Moto2クラス時代からそれぞれ好敵手として毎戦激しいバトルを繰り広げてきた。その関係が、今年は新人王争いへと形を変えながら、そのまま最高峰クラスへ平行移動するというわけだ。ザルコは2015年と2016年にMoto2を連覇。リンスは2015年が年間ランキング2位、2016年は3位でシーズンを終えた。ロウズとフォルガーも、彼らとトップグループで表彰台争いを続け、ロウズは2016年のランキング5位、フォルガーは7位だった。

 今回のセパンテストでは、ザルコが2日目にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)の後ろについて、一周走行をした。バイクに興味を持ちだした2001年頃すでに最高峰クラスに君臨していたあこがれのライダーの後ろにつくことで、たった1周とはいえかなりの勉強になった、と話した。

「後ろにつかせてもらったおかげでラップタイムを更新できたので、走行終了後にお礼を伝えに行ったんだ。『よかったね。がんばったじゃないか』と笑顔で言ってくれたよ」とザルコは語った。

 この日は、リンスも前日のタイムを1秒近く更新した。

「昨日よりも落ち着いて走れるようになってきた。学ぶことは全体的にかなりたくさんあって、コーナーの進入や立ち上がりでの引き起こしが特に難しい。ライン取りもまだ安定しない」と言いながらも、「でも、とても楽しんで乗っている」と快活な口調でリンスは話した。

 2日目には5番手につけたザルコは、ベテラン選手たちが続々とタイムアップを果たした最終日には総合順位で11番手という順位で締めくくったが、トップタイムのマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)から0.404秒差という内容は、充分に高い順応性を発揮したといえるだろう。

「『たかが0.4秒、されど0.4秒。しかもこれはMotoGPだぞ』と走りながら頭の中で思っていたんだ。でも、この0.4秒の中に大勢の選手がひしめいているのだから、MotoGPクラスは本当にすごいと思う。ますますモチベーションが高まるよ」と彼は語った。

 彼らが最高峰クラスに順応し、高い戦闘力を発揮できるまでには、まだこれから先にいくつもの課題があるだろうし、厳しい洗礼も待ち受けているだろう。とはいえ、高い資質を備えた新人選手たちの将来性を見極めてゆく作業は、レース観戦の醍醐味のひとつであることは間違いない。

取材・文/西村章

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シリーズ MotoGP
ドライバー アレックス リンス , ヨハン ザルコ , ジョナス フォルガー , サム ロウズ
記事タイプ 速報ニュース