MotoGPドイツ決勝:マルケスがザクセン“10連覇”! 満身創痍の中上貴晶14位
MotoGP第9戦ドイツGPの決勝が行われ、マルク・マルケスがポール・トゥ・ウィンを果たした。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第9戦ドイツGPの決勝レースが行われ、レプソル・ホンダのマルク・マルケスがザクセンリンクでの10年連続ポール・トゥ・ウィンを達成した。
Moto3、Moto2クラスのレースよりも雲は薄くなってきたが、それでも上空には雲がかかっており気温も予選日よりも低い19℃、路面温度は31℃のコンディションでスタートを迎えた。
ポールポジションのマルケスはスタートでフロントを浮かせてしまうが、それでも渾身のブレーキングでホールショットは譲らず先頭をキープ。一方、2番グリッドのファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハ)はスタートで出遅れ、6番手までポジションを落とした。
マルケスがトップでオープニングラップを終え、そこにマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、ジャック・ミラー(プラマック)、アレックス・リンス(スズキ)が続いた。
2周目のターン3でクアルタラロがまさかの転倒。フロントを失ってしまいリタイアとなった。また、その後にミゲル・オリベイラ(テック3)も同じ場所で転倒を喫している。さらにKTMのヨハン・ザルコもターン3で転倒を喫しており、序盤は波乱含みの展開となった。
前戦オランダGPで転倒し、負傷を抱えている中上貴晶(LCRホンダ)は10番グリッドからのスタートだったが、ポジションを16番手まで落とした。
先頭集団は徐々に縦に長くなり、マルケスはファステストを刻む走りでリード。マルケス、ビニャーレス、リンスの3台が集団から抜け出していった。
4周目、リンスがビニャーレスをかわして2番手に浮上。一方でマルケスはその隙にギャップを広げて、5周目には既に1秒のギャップを築いた。
その後方ではドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾとダニーロ・ペトルッチが6番手を巡ってチームメイト同士で争う場面が見られた。
レースは7周を消化する頃には、先行するマルケスを2番手のリンスが1.5秒差で追い、そのリンスをビニャーレスが1.5秒差で追う状況となった。ビニャーレスはカル・クラッチロー(LCRホンダ)に後ろからプレッシャーをかけられる苦しい展開だ。
10周を終えると、マルケスのリードは2.5秒と大きなものになり、一人旅といった様相だ。
3番手ビニャーレスはクラッチローとの差は広げられないものの、徐々に2番手リンスに接近し、差を1秒にまで縮めた。6番手争いではペトルッチがドヴィツィオーゾをかわして6番手を奪取し、そのまま前を譲らずに5番手ミラーを追った。
レースは残り半分の15周となるが、ここでペトルッチがミラーをオーバーテイクし5番手に浮上。さらにドヴィツィオーゾもミラーをかわして6番手とした。
先頭でひとり旅のマルケスは既に3秒までギャップを広げており、自身の下位クラスを含めた10連勝に向け着実にレースを進めた。
残り12周、2番手を走行していたリンスがターン11でクラッシュ。前戦オランダGPでも単独走行中に転倒を喫していただけに、今回の転倒にチームメンバーも大きく落胆の様子を見せた。
スズキはこれでジョアン・ミルがひとり気を吐く状況となったが、ミルは後方集団でバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)やフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハ)、ミラーをかわして6番手までポジションを上げ、残り9周の段階でドヴィツィオーゾもオーバーテイクし5番手につけた。
2番手争いはなかなかクラッチローがビニャーレスにしかけることができず、ランデブー状態が続く。そんなふたりを尻目にマルケスは淡々とタイムを刻み、6秒という大差を築いた。
一方、4番手争いではペトルッチ、ドヴィツィオーゾ、ミラー、ミルの4人が激しい争いを展開。その中で、ミルは残り4周でポジションを落とし7番手となった。
ドゥカティの3台は抜きつ抜かれつを繰り返し、なんとかドヴィツィオーゾが4番手集団先頭に躍り出た。
残り3周になると、2番手ビニャーレスにクラッチローが接近し、オーバーテイクを仕掛けていくかと思われたが、残り2周でクラッチローがラインを外してしまったことで、ビニャーレスは一気に1秒以上の差を開くことができた。
悠々ひとり旅を続けていたマルケスは、全く危なげのない走りを続けて、“腕組み”を決めながら余裕のトップチェッカー。最高峰クラスで7年連続ポール・トゥ・ウィン、下位クラスも含めると10年連続ポール・トゥ・ウィンという大記録を打ち立てた。
また、Moto2クラスでは弟のアレックス・マルケスがポール・トゥ・ウィンを果たしており、兄弟でポール・トゥ・ウィンと10連覇に華を添えた格好だ。
2位は前戦を優勝し波に乗るビニャーレス。3位には骨折を押して走ったクラッチローが入った。4位はペトルッチ。契約を延長したばかりだが、チームメイトのドヴィツィオーゾを下してみせた。
また、負傷により松葉杖を使用するほどの状況だった中上も、粘り強い走りで14位フィニッシュを果たし、苦しい状況にもかかわらずポイントを獲得してみせた。
【リザルト】MotoGP第9戦ドイツGP 決勝レース
順位 | ライダー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | マルク マルケス | 30 | 41'08.276 | 25 | ||
2 | マーベリック ビニャーレス | 30 | 41'12.863 | 4.587 | 4.587 | 20 |
3 | カル クラッチロー | 30 | 41'16.017 | 7.741 | 3.154 | 16 |
4 | ダニーロ ペトルッチ | 30 | 41'24.853 | 16.577 | 8.836 | 13 |
5 | アンドレア ドヴィツィオーゾ | 30 | 41'24.945 | 16.669 | 0.092 | 11 |
6 | ジャック ミラー | 30 | 41'25.112 | 16.836 | 0.167 | 10 |
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