MotoGPヨーロッパFP3:ザルコ、トップタイムもQ2進出ならず。中上ウエットで3番手
MotoGP第13戦ヨーロッパGPのフリー走行3回目が行なわれ、ヨハン・ザルコ(アビンティア)がトップタイムを記録した。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
バレンシアのリカルド・トルモサーキットで行なわれているMotoGP第13戦ヨーロッパGP。そのフリー走行3回目は、ヨハン・ザルコ(アビンティア)がトップタイムを記録した。
サーキット周辺は2日目も雨模様。しかしこのセッション直前に行なわれたMoto3クラスのFP3終盤には雨がやみ、日差しも差し込み始めていた。ただコースは依然としてフルウエットであり、ライダーたちはレインタイヤでコースへ向かった。
初日のFP2では走行ラインはドライの状態でタイム計測が行なわれたため、FP3終盤までラインが乾かない場合には、初日総合タイムで予選の組分けが行なわれることになりそうな状況だ。
なお初日の走行を新型コロナウイルスの検査の関係で欠場していたバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が、晴れてFP3から復帰。ロッシにとってはフランスGP以来約1ヵ月ぶりのグランプリだ。
そのロッシはセッション開始とともにコースイン。他のライダーもジャック・ミラー(プラマック)を除いてコースへ入った。ミラーは初日総合でトップタイムとなっており、このコンディションが続くようなら、Q2進出は固いと言える状況だ。
多くのライダーが周回を重ねていくが、15分が経過したタイミングでのトップは、1分41秒884をマークしたステファン・ブラドル(レプソル・ホンダ)だった。そこにザルコ、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)とドゥカティ勢が続いていた。
走行を重ねても、コースはなかなかタイムアタックを行なうような路面コンディションとはならず、しばらくウエットでのセッティングの確認といった走りが続く。ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)は、その最中ターン14でバランスを崩すシーンもあったが、転倒は免れた。
セッション残り20分ごろには、コース全体に日が差す状態に。ラインの一部は乾きつつあるように見えたが、依然としてウエットコンディションで、スリックタイヤを履ける状況ではなかった。
残り10分の段階ではザルコが1分41秒113でトップタイムをマーク。ミゲル・オリベイラ(テック3・KTM)、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、ジョアン・ミル(スズキ)がそこに続いている。
コースはその後もラインの大半がウエットのまま、各ライダーは残り5分を切るとレインタイヤでアタックへと向かった。
残り2分、ザルコが1分40秒735まで自己ベストを更新。中上貴晶(LCRホンダ)もアタックをかけると、1分41秒350を記録して4番手に浮上した。
最後のアタックではビニャーレスが1分40秒743をマーク。トップのザルコに迫ったがわずかに届かず2番手となった。
またザルコは最後のアタックで更に自己ベストを更新し1分40秒007を記録してトップタイムの座を固めた。2番手はビニャーレス、3番手には最後にタイムを縮めてきた中上が続いた。
久しぶりの走行となったロッシは、最終的に1分41秒642で8番手タイムでセッションを終えた。なおミラーは、結局FP3を走らないままセッションを終えている。
FP1からFP3までの総合トップ10は、ミラー、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)、中上、ポル・エスパルガロ(KTM)、アレックス・リンス(スズキ)、ブラッド・ビンダー(KTM)、ドヴィツィオーゾ、クアルタラロ、ミルの並び。大方の予想通りFP2の上位陣がQ2へ直接駒を進め、FP3トップのザルコはQ1からの予選となった。
順位 | ライダー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | 平均速度 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ヨハン ザルコ | 21 | 1'40.007 | 144.169 | ||
2 | マーベリック ビニャーレス | 21 | 1'40.743 | 0.736 | 0.736 | 143.116 |
3 | 中上 貴晶 | 22 | 1'41.071 | 1.064 | 0.328 | 142.652 |
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