MotoGPヨーロッパ決勝:スズキのミル、念願の初優勝でタイトルに『王手』。中上4位
MotoGP第13戦ヨーロッパGPの決勝レースが行なわれ、スズキのジョアン・ミルがキャリア初の優勝を果たした。2位にもアレックス・リンスがが入り、スズキが1-2フィニッシュを達成した。中上貴晶は4位だった。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットでMotoGP第13戦ヨーロッパGPの決勝レースが行なわれ、スズキのジョアン・ミルがキャリア初優勝を飾った。
初日、2日目とは打って変わって好天に恵まれたバレンシア。路面は乾き、ドライコンディションでの決勝レースとなった。レース開始時には気温23℃、路面温度は27℃となった。
決勝グリッドではいくつか変更が発生。アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)が予選中の走路妨害によって3グリッド降格のペナルティを受けて9番手となった。またヤマハのマーベリック・ビニャーレスが1シーズン中の割り当てを超える6基目のエンジンを投入したため、ピットレーンスタートが科された。
ポールポジションはKTMのポル・エスパルガロ。2番手にはスズキのアレックス・リンス、3番手にはLCRホンダの中上貴晶が並んだ。
27周の決勝レースがスタート。まずはPPのポル・エスパルガロがホールショットを奪い先行し、リンス、5番グリッドからジャンプアップのミル、中上という並びでオープニングラップを終えた。中上はホームストレートでミゲル・オリベイラ(テック3・KTM)にも先行を許し、5番手に後退してしまった。
なお1周目には、アレイシ・エスパルガロとファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)がターン8でそれぞれ単独転倒。アレイシ・エスパルガロはこれでリタイアとなったが、クアルタラロはなんとかコースへ復帰した。
2周目、リンスがポル・エスパルガロを追い抜いてトップに浮上。しかしそこから大きく突き放すまでは至らず、コンマ数秒を空けてポル・エスパルガロとミルを引き連れていく展開だ。
4周目、ターン10でミルがポル・エスパルガロをオーバーテイク。スズキがワンツー体制を築いた。
そして5周目、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)がコース上でマシンをストップ。ここでリタイアとなった。
6周目には転倒が連続。フランチェスコ・バニャイヤ(プラマック)がターン2で、カル・クラッチロー(LCRホンダ)がターン8でそれぞれ転倒を喫してしまった。
先頭のリンス、ミルそしてポル・エスパルガロ、オリベイラ、中上といった上位陣は、いずれも1分32秒前半の同じようなペースで周回。なかなか差が縮まらず、膠着状態のまま10周を消化した。
その後リンス、ミル、ポル・エスパルガロのトップ3台はファステストを更新するペースで4番手以下を徐々に引き離していく。残り15周の段階で4番手のオリベイラに1秒のギャップを築いた。
中上は4番手オリベイラの直後にピッタリと張り付つくも、なかなか追い抜くには至らない状況が続いていたが、15周目の最終コーナーで遂にオーバーテイク。4番手に浮上した。ただこの時点で3番手のポル・エスパルガロとの差は約2秒にまで開いていた。
残り11周、ミルがリンスをターン8でオーバーテイクし、先頭に浮上。その後はリンスの反撃を寄せ付けず、ファステストラップを更新するペースで逃げを打った。
ミルはリンスを追い抜いてから2周ほどで0.5秒ほどの差を確保。そこからも最速タイムを更新するペースでプッシュを続けてリンスとのギャップを少しずつ広げていき、残り6周でその差は1秒となった。
その後もミルはリンスの接近を許さずに、ハイペースで走行。ラストラップに1.4秒のマージンを持って突入した。
ミルは若干ペースを落としつつ、14個のコーナーを慎重に通過し先頭でチェッカー。念願のキャリア初優勝を果たした。2位はチームメイトのリンスが入り、スズキが1982年以来、38年ぶりのワンツーフィニッシュとなった。3位はポル・エスパルガロだ。
4位は中上。終盤には大きくポル・エスパルガロを追い上げたものの、僅かな差で初表彰台には手が届かなかった。
ミルは今回の優勝でランキング2番手のクアルタラロ(14位/2ポイント獲得)とリンスに対する差を大きく拡大。37ポイント差となった。タイトル争いにおける趨勢を大きく傾ける勝利だったと言えるだろう。
なおミルは次戦バレンシアGPで3位以上に入ると、2番手のライダーが優勝したとしても、ミルのライダーズタイトルの獲得が決定する。
※ミル3位/リンスorクアルタラロ優勝の場合、ミル178ポイント/リンス・クアルタラロ150ポイントとなり、最終戦ポルトガルでの逆転が不可能となる。
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