MotoGPエミリア・ロマーニャFP1：ペトロナス・ヤマハ好調ワンツー。中上6番手発進

　ミサノ・サーキットでMotoGP第8戦エミリア・ロマーニャGPのフリー走行1回目が行なわれ、ペトロナス・ヤマハSRTのファビオ・クアルタラロがトップタイムを記録した。

　前戦サンマリノGPから連戦となるエミリア・ロマーニャGP。今回も限定的ながら観客入場が許可され、客席には地元のヒーローであるバレンティーノ・ロッシ（ヤマハ）のファンが多く集った。

　なお15日（火）にはミサノ・サーキットでテストも行なわれ、各ライダーは既に週末に向けた準備をある程度進めた状態でのレースウィーク入りだ。

　そうした背景もあり、ライダーらがコースへ向かうと、開始5分でポル・エスパルガロ（KTM）が1分32秒台中盤を記録し、多くのライダーが早くも1分32秒台中盤へ入れてきた。

　その後は前戦ウイナーのフランコ・モルビデリ（ペトロナス・ヤマハSRT）が1分32秒365をマークしてひとまずのターゲットタイムとなった。なおヤマハ勢ではマーベリック・ビニャーレスがテストで使用した新型エキゾーストを装着していた。

　既にレースに向けたセットアップの方向性は前戦で出ているため、予選よりも決勝を重視したセッションの使い方が主流になると思われたが、中でもイケル・レクオナ（テック3・KTM）はとりわけ序盤から走行を重ねる姿が見られた。

　残り時間半分、アレックス・リンス（スズキ）がターン5でハイサイドを起こしあわや転倒という場面があったが、リンスはそのバランスをなんとか保ち転倒を避けると、グラベルに突っ込むだけで済んだ。

　残り20分、中上貴晶（LCRホンダ）が1分32秒475をマークして、3番手タイムに浮上した。テストに引き続き好調な様子だ。

　ポルやモルビデリは既に連続周回でのチェックに入っており、1分32秒台中盤で周回を続けた。

　セッション残り時間12分となった頃、リンスがターン8でフロントからのスリップダウン転倒を喫してしまった。ライダーはその後マシンを再始動させてコースを経由してピットへ戻った。

　コース上ではサテライトチームのライダーである中上の後ろをレプソル・ホンダのアレックス・マルケスが追走するという珍しいシーンも。アレックスはこの追走でタイムを1分32秒551まで縮めて5番手に浮上している。

　セッションが残り10分を切ると徐々にプログラムはアタックへ移り、タイム更新が連続。アンドレア・ドヴィツィオーゾ（ドゥカティ）がトップタイムを更新したが、その直後にはジョアン・ミル（スズキ）が1分31秒926でそれを上回っていった。

　ミゲル・オリベイラ（テック3・KTM）もラスト3分でタイムを一気に縮め、1分31秒965をマーク。2番手に割って入った。中上もアタックで4番手に浮上した。

　アタック合戦はまだまだ続き、クアルタラロが1分31秒889でトップタイムを更新したと思えば、直後にはポルがそれを更新し、それを更にクアルタラロが更新し返すといった、さながら予選のような慌ただしさだった。

　結局、このタイム更新合戦を制したのはクアルタラロ。2番手にはモルビデリ、3番手にはポルが続いた。

　中上は最終的に6番手タイム。前戦サンマリノGPでは初日の苦戦が尾を引いたが、今回は順調な滑り出しと言えそうだ。

順位	ライダー	周回数	タイム	差	前車との差	平均速度
1	ファビオ クアルタラロ	21	1'31.721			165.946
2	フランコ モルビデリ	19	1'31.811	0.090	0.090	165.784
3	ポル エスパルガロ	20	1'31.841	0.120	0.030	165.729
4	ジョアン ミル	15	1'31.926	0.205	0.085	165.576
5	ミゲル オリベイラ	21	1'31.965	0.244	0.039	165.506
6	中上 貴晶	21	1'32.102	0.381	0.137	165.260
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